サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

カーボンゼロ社会に本気になれない理由

2021年03月22日 | 気候変動緩和・低炭素社会

気候変動(地球温暖化)の非常事態、カーボンゼロ社会を目指すというが、市民はそれほど本気になっていない。

その前提となる理由(原因ではなく)は何か。市民はどのような考え方でいるのだろうか。

例えば、次の前提があると考えられる。こうした前提は正しいのか、変えられるのか、変える必要があるのか、どうしたら変わるのか。

自分の考えにもっとも当てはまるものを選び、相互批判をしあう対話は効果があるだろうか。

想定される理由を列挙し、少し分類をしてみた。

 

危機の認知について
1.非常事態というが、私のまわりではそれほど深刻な影響は生じていない
2.将来もっと深刻になるというが、不確実な予測であり、絶対にそうなるわけではない
3.途上国の人々や弱者に影響が深刻だというが、そうした人たちのことをよく知らない
4.気候変動に関して、頭ではわかるが、被害を受けた経験がない、自分の経験がないことに本気になれない
5.実際に追い詰められていないわけではなく、薄々はわかっていても、今は深刻だと受け止めたくない

 

責任や期待について
6.これまで経済成長を求めたきた大人や一部の企業に責任があり、私たちが責任感を持つ必要はない
7.途上国や将来世代への責任といっても、その人たちのことを知らない、知らない人への責任を感じない
8.カーボンゼロというが行政や専門家が勝手に言っている、私には知らないことである
9.地域の温暖化対策計画が市民の意見は反映されていない、市民は期待されていない
10.私に責任があるとしても私が率先して行動をする必要はない

 

対策や行動について
11.私は既にできることをやっている
12.省エネルギーというが、エアコンはつけないと寒さや暑さをしのげない、我慢はしたくない
13.国の政策や大企業の取り組みがないと、問題は解決しない、国や大企業に責任がある
14.行政が市場の枠組みを変えたり、規制をしたりしないと問題は解決できない
15.自分が本気になっても誰も評価し、認めてくれない、皆が冷たい、他の人と違うと見られたくない

 

周囲への不信
16.ずっと前から、気候変動対策をやっているけど、効果がでているのか、わからない、まだやるのか
17.再生可能エネルギーというが、地域の環境を破壊する、住民を軽視している
18.結局、景気対策として、カーボンゼロ対策をしようとしている。金儲けのためで、本気で問題解決をしようとしていない、信用できない
19.自分のまわりには、気候変動の問題に熱心な人はいない、学校の先生もよくわからないみたいだ
20.政治家がカーボンゼロ宣言をするが、中身がない

 

価値観や考え方
21.将来のことよりも、今のことが大事である、先のことは考えられない、考えたくない
22.現在、生きていくことを大事にしようと考えている
23.私には気候変動問題以外に、社会のためにやっていることがある、やらなければいけないことがある、他のことに関心がある
24.結局、人類は変われない、人類のサガのようなものであきらめるしかない
25.科学は苦手で、難しいことはよくわからない

 

以上


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