写真:静岡の山間集落からみたお茶畑と山並み
今年は、浜松や静岡の山間部に縁がある。先の金曜日と土曜日は静岡の安部川や大井川の上流をたずねた。
山間に住居を構えた地域振興を専門とする大学名誉教授に、山間集落の活性化戦略と自らの実践の話を聞いた。
また、製材工場の次男で兄貴と喧嘩して、林業や環境教育をやりだしたコーディネイター的人物等に、話を聞き、地域を案内してもらった。
非常にありがたい対応をしていただき、誰に伝え、共有させてもらことが役割のように感じる。お二人の話を聞いて、感じたことを整理してみる。
・地球温暖化防止の観点から、山村に資金を流入させる仕組みが注目されている。もちろん、市場の追い風を捉え、自分たちの戦略に活用していけばいい。しかし、自分たちの戦略なくして、資金させもらえればいいという短絡的なことが多すぎるのではないか。
・目指すべき持続可能な森林・山村・林業は、集落に現在住んでいる人にもわかりやすく、次の一歩を示すものでなければならない。カーボンオフセットやエコポイント等といっても、山村に暮らす高齢者には通じない。山村住民とわかりやすい言葉で目標像を共有していかなければならない。
・森林や山村・林業は、地球温暖化防止のための機能だけを持つのではない。森林や山村の価値は多面的であり、その一部のみを切り売りするやり方では、森林や山村のよさを損なう恐れがある。
・できるならば、地球温暖化の観点からの森林関連施策であっても、森林による二酸化炭素の吸収効果や森林バイオマスによる石油燃料等の代替効果のみを捉えるのでなはく、森林や山村・林業の持つ多面性を地球温暖化防止の観点から位置づけていく必要がある。
・今、手がけていくべきは、目先の二酸化炭素排出量を削減するだけでなく、二酸化炭素排出量を8割カットするような、低炭素社会の実現を目指した取組みを進めることである。低炭素社会のライフスタイルやビジネススタイルにおける森林や山村・林業の役割を考え、それを目標とした施策を進める必要がある。
こんなところである。具体的なことは別の機会に書いておきたい。
なお、私は、昔、山形県の新庄市等における環境保全型の地域づくりに係る仕事に専念させていただく機会があった。その時、ふるさとである静岡よりも、山形等の地域の方が問題が深刻であり、仕事のやりがいがあると感じたものだ。
そんな感覚もあって、ふるさとの仕事に積極的に近づくことがなかった。しかし、今回の静岡訪問で、少し回答を得ることができた。
静大の名誉教授は、静岡や浜松、三河地域等の山間部の問題を、東海型過疎だという。東海型過疎では、山間部と市街地の距離が2時間程度であり、子どもたちは市街地にすみ、親は山間部に住む。これに対して、東北等は挙家離村が多く、過疎は急激に進み、危機感も大きい。
東海型過疎は危機感を感じにくいが、じわりじわりと集落崩壊を進行させる。これに対する対策は、子どもと親の世帯の交流を中心に、進めるべきとも考えられる。
東海型過疎という見方をすることで、静岡の仕事に新たなやりがいを持つことができそうだ。
今年は、浜松や静岡の山間部に縁がある。先の金曜日と土曜日は静岡の安部川や大井川の上流をたずねた。
山間に住居を構えた地域振興を専門とする大学名誉教授に、山間集落の活性化戦略と自らの実践の話を聞いた。
また、製材工場の次男で兄貴と喧嘩して、林業や環境教育をやりだしたコーディネイター的人物等に、話を聞き、地域を案内してもらった。
非常にありがたい対応をしていただき、誰に伝え、共有させてもらことが役割のように感じる。お二人の話を聞いて、感じたことを整理してみる。
・地球温暖化防止の観点から、山村に資金を流入させる仕組みが注目されている。もちろん、市場の追い風を捉え、自分たちの戦略に活用していけばいい。しかし、自分たちの戦略なくして、資金させもらえればいいという短絡的なことが多すぎるのではないか。
・目指すべき持続可能な森林・山村・林業は、集落に現在住んでいる人にもわかりやすく、次の一歩を示すものでなければならない。カーボンオフセットやエコポイント等といっても、山村に暮らす高齢者には通じない。山村住民とわかりやすい言葉で目標像を共有していかなければならない。
・森林や山村・林業は、地球温暖化防止のための機能だけを持つのではない。森林や山村の価値は多面的であり、その一部のみを切り売りするやり方では、森林や山村のよさを損なう恐れがある。
・できるならば、地球温暖化の観点からの森林関連施策であっても、森林による二酸化炭素の吸収効果や森林バイオマスによる石油燃料等の代替効果のみを捉えるのでなはく、森林や山村・林業の持つ多面性を地球温暖化防止の観点から位置づけていく必要がある。
・今、手がけていくべきは、目先の二酸化炭素排出量を削減するだけでなく、二酸化炭素排出量を8割カットするような、低炭素社会の実現を目指した取組みを進めることである。低炭素社会のライフスタイルやビジネススタイルにおける森林や山村・林業の役割を考え、それを目標とした施策を進める必要がある。
こんなところである。具体的なことは別の機会に書いておきたい。
なお、私は、昔、山形県の新庄市等における環境保全型の地域づくりに係る仕事に専念させていただく機会があった。その時、ふるさとである静岡よりも、山形等の地域の方が問題が深刻であり、仕事のやりがいがあると感じたものだ。
そんな感覚もあって、ふるさとの仕事に積極的に近づくことがなかった。しかし、今回の静岡訪問で、少し回答を得ることができた。
静大の名誉教授は、静岡や浜松、三河地域等の山間部の問題を、東海型過疎だという。東海型過疎では、山間部と市街地の距離が2時間程度であり、子どもたちは市街地にすみ、親は山間部に住む。これに対して、東北等は挙家離村が多く、過疎は急激に進み、危機感も大きい。
東海型過疎は危機感を感じにくいが、じわりじわりと集落崩壊を進行させる。これに対する対策は、子どもと親の世帯の交流を中心に、進めるべきとも考えられる。
東海型過疎という見方をすることで、静岡の仕事に新たなやりがいを持つことができそうだ。
私も環境に大きな関心を持っています。
非常に参考になるお話をご紹介いただき、
ありがとうございます。
日本にはこれだけ多くの自然を持っているのに、
なにか循環がうまくいっていないと感じます。
また、国の補助金なり、自治体の施策なり、
さらには農水大臣のコメントにいたるまで、
不可解な対応が多いですよね。
ホントにこの国のことを考えているの?と。
きっと良い方法はあるはず。
私も「サステナブルな社会」を作る、その担い手になりたいと思っています。