サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

製紙工場で利用する原料

2009年10月25日 | 環境と森林・林業
写真:製紙会社にあるボイラーの上からみた大井川


多摩の森林ビジネス研究会の視察に参加した。静岡県島田市にあるTパルプの工場の視察だ。

Tパルプは、段ボールや産業用の特殊紙の製造に特化した製紙会社だ。原材料は針葉樹のチップと古紙である。

紙の原料というと広葉樹だと思いがちだが、それは白い情報紙用で、段ボール等は針葉樹を材料にする。

針葉樹であれば、スギでもヒノキでもなんでもいい。工場の敷地内には集められたチップがうず高く積まれている。

チップは今日ではペレット等のエネルギー用にも利用される。競合はやはりあるらしい。現在は製紙需要の方が買い取り価格が高いが、今後燃料用のチップの需要が高まるとどうなるかわからない。

ちなみに、Tパルプ内でも自社用にバイオマスボイラーを設置している。この燃料は建築廃材を利用している。

また、Tパルプは静岡市の北部(南アルプスの南側)の森林をまとまって保有している。国立公園であり、アクセスも容易ではないことから、登山客向けの山小屋経営等が行われている。

南アルプスの紙も製造されている。社有林で伐採した間伐材等を原料にしている。

これは、年2回だけ限定的に製造が可能である。なぜなら、製紙の製造ラインは24時間無休で、年に2回しかとめない。稼働中に南アルプスの原料を入れても他の原料と混ざってしまう。このため、年2回の設備の立ち上げのときだけ、他の原料と混ざらない製造ができる。

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