写真:ウッドワーク協同組合によるスギ間伐材の家具
上越市を訪ねた。
目的は、ウッドワーク協同組合やNPOかみえちご山里ファン倶楽部の取りまとめ役を担う関原氏に、コーディネイターの秘訣をヒアリングすることだ。
この成果は、2月に実施する山村研修で報告する。ここでは、2つの驚きを記す。
1つは、スギの間伐材を使った家具である。椅子を手にすると実に軽い。軽い。
スギの家具は、トヨタ自動車の里山学習館で導入したのを見ているが、数年でソリが出てしまう。
そう思っていたら、上越市にあるウッドワーク協同組合では、ソリがでない家具を主力商品としてしている。乾燥度を高めることと、木どりの仕方だという。
もともと、上越市では建具屋さんが多いところ。停滞傾向にある建具業の新たな展開を模索するなか、生まれたのがこのスギの家具だ。
建具では、もともとスギを使うことが多く、材を組み合わせる組子という技術を持つ。この技術が生かされている。
2つめは、有機農業で作った米のおいしさ。有機農業でつくると、雑草等に負けるため、収量が3割程度になるというから、いただくとありがたい気持ちになる。
実は感心したのは、米の味というより、理論にある。関原氏の話は、実践的思考の賜物で、言葉を大切にする。
その言葉の1つが「有縁の米」。生産者との縁を大事にする農のことを言っている。
この「有縁の米」には、利他の米と利己の米があるという。自分だけが設ける産直農業ではなく、地域全体で利益を分かち合うのが利他の米だ。
私は、消費者と生産者、生産者同士の社会関係資本が大事だという着眼点を持っており、この説明に感心してしまった。
関原氏は、ずっと車で案内をしてくれた。道すがら、彼は「今日の空は澄んでいる。雲もいい。」と繰り返した。見上げると灰色の雲の上に、白い積乱雲が見え、それらの織り成す隙間に、青い空がのぞいていた。
上越市を訪ねた。
目的は、ウッドワーク協同組合やNPOかみえちご山里ファン倶楽部の取りまとめ役を担う関原氏に、コーディネイターの秘訣をヒアリングすることだ。
この成果は、2月に実施する山村研修で報告する。ここでは、2つの驚きを記す。
1つは、スギの間伐材を使った家具である。椅子を手にすると実に軽い。軽い。
スギの家具は、トヨタ自動車の里山学習館で導入したのを見ているが、数年でソリが出てしまう。
そう思っていたら、上越市にあるウッドワーク協同組合では、ソリがでない家具を主力商品としてしている。乾燥度を高めることと、木どりの仕方だという。
もともと、上越市では建具屋さんが多いところ。停滞傾向にある建具業の新たな展開を模索するなか、生まれたのがこのスギの家具だ。
建具では、もともとスギを使うことが多く、材を組み合わせる組子という技術を持つ。この技術が生かされている。
2つめは、有機農業で作った米のおいしさ。有機農業でつくると、雑草等に負けるため、収量が3割程度になるというから、いただくとありがたい気持ちになる。
実は感心したのは、米の味というより、理論にある。関原氏の話は、実践的思考の賜物で、言葉を大切にする。
その言葉の1つが「有縁の米」。生産者との縁を大事にする農のことを言っている。
この「有縁の米」には、利他の米と利己の米があるという。自分だけが設ける産直農業ではなく、地域全体で利益を分かち合うのが利他の米だ。
私は、消費者と生産者、生産者同士の社会関係資本が大事だという着眼点を持っており、この説明に感心してしまった。
関原氏は、ずっと車で案内をしてくれた。道すがら、彼は「今日の空は澄んでいる。雲もいい。」と繰り返した。見上げると灰色の雲の上に、白い積乱雲が見え、それらの織り成す隙間に、青い空がのぞいていた。