side by side:湘南夫婦のあしあと

二人が好きな地元湘南、スポーツ観戦、旅行、食べ歩き,音楽・美術鑑賞など、日々のあれこれを綴ります

箱根0区を駆ける者たち 佐藤俊

2019年12月20日 | 書籍・雑誌

*****ご注意! 一部ネタバレがあります! *****

早いもので今年も残すところ10日
カレンダーが替わると、毎年恒例の箱根駅伝となります。

今年悲願の初優勝を果たした東海大
その前の年は優勝候補の一角として期待されていたものの、往路でミスが連発で優勝は遠ざかり、復路で挽回し地力のあるところは見せたものの最終区で再びミスがでて、5位で箱根を終えたのでした。
黄金世代が2年次のことでした

そのレースの流れを追いながら、出走叶わなずサポートに回った4年生にもスポットをあてた作品
駅伝当日は 給水係、計測係、応援とそれぞれの役割を果たし、箱根駅伝は出走した選手だけのものではないことを語った作品

怪我・故障で箱根を断念した選手の想いにまで言及し、良いテーマの取材だと思う。
私は東海大ファンなので、当時の4年生も全員分かるが、今までなら名前すら取り上げられなかった選手を取材していて良かったと思う
もちろん箱根を走れれば一番良いが、最後のチャンスに懸けた話や自ら断念する件、親に報告をする件、
華やかなレース中継の裏に多くの涙が流されてきたことを知る
そして涙した選手の思いも箱根駅伝を熱くする

当時4年生を中心に語られているため、黄金世代の選手への言及は少な目
東海大ファンでないと誰のことか分からないかもしれないが、サポートに回る多くの選手がいて箱根駅伝があり、だから応援したくなると思わせてくれる作品だった

丁寧な取材の結果の作品だと思う
それだけに、他大学を引きあいに出して苦言を呈するところや、選手同士の葛藤を執拗に記述するところは、作者の個人的な感情が混じっているようで、もう少し検討の余地があったのでは、と残念だ

箱根駅伝前に読むとまた違った感情も持って応援できる1冊



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