*****ご注意!!一部ネタバレの可能性があります!*****
元裁判官で80歳を超えた今も信望が厚い高遠寺静が、中部経済界の重鎮ながら破天荒な香月玄太郎とコンビを組むシリーズ第2弾
前作
本作は舞台が東京となり、静の裁判官時代が影響する事件も起こる。
前作に続き、静と玄太郎の丁々発止をやりとり、元裁判官の静の倫理観と不動産業を成功させた豪快な玄太郎の倫理観のぶつかり合いもあるが、二人の倫理観は違うようで根は同じなのではと思わせる個所が面白い。
なお、この二人は中山七里さんの他の作品にも重要な人物として登場している。
高遠寺静は『テミスの剣』で登場し、担当した事件が冤罪であったことを知り退官を決意する。
退官後の静が登場するのが『静おばあちゃんにおまかせ』(過去ブログの読書感)
一方、香月玄太郎は『さよならドビュッシー』で主人公の祖父で登場。
本作の終盤に孫娘の関連記載があり、時系列が混乱してしまった。
殺人事件もあるが、主人公二人の軽快なやりとりにページが進む
軽く読める作品
初出 オール讀物 (2019年5月号~2020年8月号)
2020年10月10日 第1刷発行
装画 柴田純与
装丁 野中深雪
2020年10月10日 第1刷発行
装画 柴田純与
装丁 野中深雪