カメラを片手に

テイカカズラの甘い香りに誘われる

梅雨らしくなった曇り空の今朝の最低気温は17.0℃、足元がそぞろ冷たい感じ
天候は下り坂で、お昼前から雨粒が落ち始めており、深夜には止むらしい。
      12時、℃、%

NHKラジオ深夜便・今日の誕生日の花は「ネジバナ・捩花(モジズリ・綟摺 )」
ラン科の小型の多年草、湿った日当たりのいい場所で、花茎にくるくると
らせん階段(左、右、途中で替わる、捩れない)の如く桃色(稀に白色)の花をつける。
古くは万葉集14巻 3508 作者不詳にねっこぐさとして詠まれる。
原)『芝付乃 御宇良佐伎奈流 根都古具佐 安比見受安良婆 安礼古非米夜母
詠)『芝付(しばつき)の 御宇良崎(みうらさき)なる 根都古(ねつこ)草(ぐさ)
                                                       逢ひ見ずあらば 吾(あれ)恋ひめやも
意)あなたと逢うことがなかったら、こんなに恋しく思うだろうか」から
花言葉は「思慕」とされたという説がある
      捩花(右巻き)

『万葉集』では蔓性植物も詠まれ、「定家葛(ていかかずら)、真葛(さねかずら)、
青葛藤(あおつづらふじ)、野豆(のまめ)、野老(ところ)、屁糞葛(へくそかずら)」があり
初夏の花時と夏から秋に実を懸け垂れて、自然の生命美を感じさせます。

5弁の白い花で甘い香りを醸し出す「テイカカズラ・定家葛」は、次第に淡黄
色になり、風車のように舞い散り、秋には二股状の細長い実鞘を垂らします。
万葉人は一年中緑を絶やさず、力強く伸び続ける生命力を愛で、実鞘の間には
神が訪れ、再生を願っていたようです。
          ご近所で咲くテイカカズラ

その万葉集では「都多(つた)、石綱(いはつな)、玉葛(たまかずら)」と詠まれ
一例として巻六 1046 作者不詳(恭仁京や紫香楽宮に遷都された平城京を)
原文『 石綱乃 又變若反 青丹吉 奈良乃都乎 又将見鴨』 
岩綱の また変若(ちかへり) あをによし 奈良の都を またも見むかも』     ツタの蔓は次々に新しく伸び続けるように、若返ってまた奈良の都を見たい

 キョウチクトウ科の和名テイカカズラは、能『定家』にあらわされように、
式子内親王を愛した藤原定家が、死後も彼女を忘れられず、ついに定家葛に
生まれ変わって彼女の墓にからみついたという伝説に基づいている。
あるいは「庭下(テイカ)」で木や石に絡んでいることからという説もある。

なかなか面白い花になりますね。
だが原種の定家蔓は植物園でもほぼ見られないともいわれ、近似の別種
「ケテイカカズラ・毛定家葛」や「スタージャスミン」の別名で知られる
中国原産の外来種「トウキョウチクトウ・唐夾竹桃」、あるいは園芸種として
いずれかが掛け合わされていると思われている。

栽培品種に斑入りの「ハツユキカズラ」や、葉が赤身がかる「ゴシキカズラ」
が近年よく見られるようです。      (我が家のゴシキカズラ)

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