カメラを片手に

びわ湖ホールでオペラ「ばらの騎士」を

冬ごもりをしていた昆虫などが地上に這い出るといわれる二十四節気「啓蟄
の朝、明け方から降り出した雨で最低気温は5.5℃、最高気温は深夜の7.2℃で
日中は6℃前後しか上がらず、寒―い雨の一日。

地上這い出ようとした虫たちも、この寒さで引き籠ったでしょうね。
原因はまた南岸低気圧の移動により本夕から明日昼まで雨予想です。
小止みになった9時半過ぎ、東の春日奥山の稜線が見えているだけ。
      9時40分、6.1℃、85%

この二日間ブログをお休みさせていただきました。
昨年に続き今年もびわ湖ホール・プロデュースのオペラ鑑賞のためでした。
演目はR・シュトラウス「ばらの騎士」、指揮は昨年4月よりびわ湖ホール
芸術監督に就任された「哲朗」と京都市交響楽団、演出は「中村敬一」
副題は「愛をみちびく銀の薔薇ウィーン薫る、燦然樽最高傑作」と・・・

コロナ禍を乗り越え、4年ぶりの完全な新制作された舞台上演、3月2日(土)は
森谷真理さんと妻屋秀和さんのコンビ、3日(日)は田崎尚美さんと斉木健詩
さんでししたが、土曜日は連れ合いの予定が入るだろうということで、雛祭り
の3日(日)を取ることに。
友の会に入り一般より2日早く11月2日の10時にネットから入るも・・・
なかなか繋がらず、3分過ぎて繋がるも、あっというまにSS席は売り切れ
S席も通路側がなく、連れ合いの希望で前方部が取れ、当日を迎えた。
      

当日は午前中に一番早く用事を済ませた連れ合いを、納車1カ月点検前の車で
途中ピックアップ。一路大津市内へと・・・

話は外れるのですが、車のこと。
1年半前に夫婦とも直ぐに古希を迎えることから、11年を迎え安全装備無しの
車では心もとなく、もう最後の車をとサイズダウンして最新の安全装備付車
をディラーに発注し、1年間も納車を待っていた。
ところが春からの相次ぐダイハツの不正に端を発しキャンセルとなりました。

メーカーを代えようかとも考えたが、ディラーも頑張って頂き、希望よりも
やや大きくなった車、待つこと4か月で納車されたばかりです。

一般道しか走っておらず、この旅で高速道でのレーダークルーズコントロール
等を試せば、手を添えているだけでカーブも前車について走ってくれ、右足が
楽なことこの上ないほどでした。
ただ警報が何なのか、年のためか、理解力が不足し、おどおどと。

連れ合いはのんびりと、車中から大津市内でランチをと一度食べたかった
和食店に電話するも、満席と断られた。
まだ早いが今夜の宿のホテル内でも食べようと11時前に到着。
このホテル、アーリーチェックインも午後2時からで、開演は午後2時。
メールで事前に荷物を預け、一幕が終わり15時過ぎにチェックインすると、
さらにアレルギー食品も伝えていたのだが、伝わっていなかったようです。

食事を済ませ、朝は冷え込むも陽の光で暖かいと思い、びわ湖ホールへ
900m歩いていきました。
ホテルの前庭から琵琶湖の停泊する観光船と雪を頂く比良山系が・・・


やはり風は冷たく、ヒドリガモやオオバンなどが水面に浮かんでいた。


陽の光で、水面の色が変化し、近江富士の三上山(標高432m)も春霞に。


滋賀県立琵琶湖文化館は水槽事故で臨時休業中でした。


明智左馬之助湖水渡りの碑です。明智秀満のこういう逸話が残る。
明智光秀の敗死を知った明智秀満は坂本に引き揚げる途中に、大津の打出の浜
で敵に遭遇した。窮地に陥った秀満は突然、琵琶湖に馬を引き入れると浮いた
り沈んだりして泳がせ、自分は馬の尻の所に下がって手縄を鞍の後輪に取り付
けて、湖水を渡ったそうで、敵を唖然させ坂本に帰り着いたという。 
      

びわ湖ホールの入り口に到着。
      

ホール、エントランスです。    


   開場 13時15分
   一幕 14時から15時10分   (休憩25分)
   二幕 15時35分から16時35分 (休憩25分)
   三幕 17時から18時
   終演予定 18時10分

3列に並ばされ、13時15分開場でした。

   👇比叡山              👇比良山系

遠くに琵琶湖大橋が

第一幕が始まり、何か落ち着かない雰囲気でしたが、一気に物語の中に。
R.シュトラウスと文豪ホフマンのコンビ、サロメなど極度に激烈な表現主義的
な作風から一転して、モーツァルトへの回帰を目指してフィガロの結婚を
20世紀に再構築することを目指した5番目の作品で、最高傑作となっている。
というのも、「軽く流れるようなテンポで、モーツァルトのように演奏して
ほしいと」作曲者からの指示があり、オクタヴィアンは女性歌手が演じると
指定され、女性3名、性格の異なる女声の、軽やかな歌唱スタイルでした。

ウィーン上流社会が舞台、流麗かつ優雅、そして叙情的で官能的な性格の音楽
が展開され、阪先生のドライブに京都市交響楽団の面々が我々を、陶酔の世界
へと導いてくれました。

第一幕、舞台は元帥邸の元帥夫人の居室です。
夫の留守中に若い愛人のオクタヴィアンと逢瀬の余韻を楽しんでいたが、そこ
に好色で欲深い地方貴族オックス男爵が現れ、裕福な新興貴族ファーニナルの
一人娘ゾフィーと結婚することになり、婚約申し込みの使者「ばらの騎士」の
人選を元帥夫人に相談する。

元帥夫人は、ばらの騎士の役目をオクタヴィアンにさせることを思いついた。
それとともに、夫人は若いオクタヴィアンが遠からず自分の元を離れ、若い愛
へと転じて行くであろうと予感して物思いに沈む。
さらにオクタヴィアンが、人の目を欺くため女中に女装してマリアンデルと
名乗れば、オックス男爵は色目を使うのだった。

 *感動もそこそこにほてるへと取って返しチェックインし、戻ればもう
  二幕が始まったところ。
  係の方から一番最後尾の席へと案内して頂け、また違った雰囲気でした。
 
第二幕、舞台はファーニナル家の大広間
ファーニナルの娘ゾフィーはまだ見ぬオックス男爵との結婚に大きな夢を描く
ばらの騎士としてファーニナル家に出向いたオクタヴィアンは、習わしに従い
銀の薔薇をゾフィーに進呈するが、お互い一目で恋に落ちてしまう。

だがオックス男爵のゾフィーへの無作法な振る舞いに憤慨したオクタヴィアン
、男爵に決闘を挑み、負傷させ大騒動に。
ゾフィーを窮地から救うべく一計を案じ、マリアンデルの名でオックス男爵に
手紙を送り、料亭に誘い出せば、手紙を手にワルツを踊りご機嫌な男爵だった

  *阪さんと京響の息もぴったり、もちろん一段と歌声がホールに響く。

三幕が始まる前に、両手に荷物を抱えた方、聞けば阪先生の追いかけさんで仙
台から来られており、今日中に仙台まで戻らないといけないので、終われば
ダッシュで出ますので、通してくださいとのお願いがありました。
それならばと、連れ合いが我の通路側の席と交換を申し入れ(真ん中はいやな
のに)、代われば阪先生の顔が良く見える場所でした。
追っかけは違いますね。無事に疲れたのでしょうか。

第三幕、舞台はある料亭の特別室、なかなか日本的な舞台設定も
マリアンデルとして女装したオクタヴィアン、まんまと罠にはまったオックス
男爵、大恥をかかせられ結婚はご破算になり、ホウホウの体で退散する。
最後に残った元帥夫人、オクタヴィアンとゾフィー、二人はすでに愛し合う間
柄を見て、夫人の複雑な内心を抑えて、祝福の言葉と共に静かに立ち去る。

素晴らしいフィナーレに、館内はブラボーの嵐でした。
左手の方が携帯を取り出し、撮影されていました(多分禁止と思われる)。
日本もヨーロッパ並みに、これを認めてくれればよいのですが・・・

冷たい風が吹くなか、よかったねと話をしながらホテルへ戻れば・・・
「びわこ花噴水」が感動の余韻をより一層大きな記憶としてくれました。



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