http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/183007 から抜粋
1つ目は、背骨の湾曲が進んで姿勢が悪化するケースだ。
「加齢によって、骨や筋肉、関節の機能が低下すると体を支えることが難しくなり、背骨の湾曲が進みます。すると筋肉の萎縮が進んで、動くだけで疲労を感じ、動く意欲を失って、さらに筋肉が萎縮する。その悪循環の結果、体の新陳代謝は低下して内臓の代謝も落ち、食欲不振、栄養不足になってしまいます。体は急速に衰弱して免疫力や抵抗力も下がり、健康体ではかからないような病気になる場合もある。中でも、高齢者の死因第1位の肺炎になってしまう人が多い」(井上院長
2つ目は背骨を形成する椎体(ブロック状の骨)が、圧迫骨折などによって潰れているケースだ。
「背骨の圧迫骨折は、椎体が丸ごと潰れても半数以上の人は大きな痛みを感じません。個人差もありますが、背骨が少し痛む程度です。椎体骨折には、ブロックの一部が潰れる程度のグレード1から、丸ごと1つ潰れてしまうグレード3まであります。気づかないうちにグレード3の椎体骨折が起きて、3~4センチも背が縮んでいたなんてケースもあります」(竹内センター部長)
■男性は50歳ごろから骨の強度が弱くなっていく
椎体骨折を放置すると、他の椎体にも負荷がかかり、連鎖的に椎体が2個も3個も潰れてしまう例もあるという。
もし、寝たきりになってしまえば、運動量や食事量が低下するなどして、やはり体がどんどん衰弱していく。多くの場合、介護を必要とするようになってから、約2~3年で寿命を迎えてしまうという。骨折が介護につながり、結果的に死期を早めてしまうのだ。
男性は50歳ごろから骨の強度が少しずつ弱くなっていくので、喫煙、飲酒、食生活などの生活習慣を改めて見直したい。もし、背が縮んでいることが分かったら、大きな骨折や病気につながらないうちに改善策を講じたほうがいい。
40代の頃より2センチ以上縮んだ女性は、介護が必要になるリスクが2倍高くなるという厚労省の報告もある。