こじらせ女子ですが、何か?

心臓外科医との婚約を解消して以後、恋愛に臆病になっていた理穂。そんな彼女の前に今度は耳鼻科医の先生が現れて!?

惑星シェイクスピア-第三部【35】-

2024年12月12日 | 惑星シェイクスピア。

(※韓ドラ「静かなる海」についてネタばれ☆があります。一応念のためご注意くださいませm(_ _)m)

 

 ネトフリ☆にて、「静かなる海」というドラマを見ました♪

 

 そんなに期待していたということもなく、「う゛~ん。面白いのかな。どうなんだろ?」くらいな感じで見てみたところ……全8話中第1話目から面白かったです

 

 >>与えられた時間は24時間。命を落としかねない危険な任務。閉鎖された宇宙基地からのサンプル回収に挑む隊員たちを待ち受けていたのは、月面に沈む恐ろしい秘密。

 

 というのがあらすじ☆で、まず地球で水不足が起きているという描写があって、水については配給制になっており、しかも等級があって、上のほうにランクされている方はいいにしても、一般市民は手にタンクその他を持って行列に並ばなければならないという。。。

 

 このあたり、地球では本当に近い将来こうなってもおかしくない……という意味で、妙にリアルで怖い感じがします。んで、月に水があるというので巨額を投じてそちらに基地も建設されたようなのですが、何か事故が起きて117名もの研究員らが死亡し、そのまま閉鎖(一般公開されている理由は放射能汚染)。そしてその五年後……この時の研究の成果らしい水のサンプルを新たなチームが取りにいくことになる。

 

 ところがこの「月の水」というのが、地球のそれと似て非なるものであり、それに触れるとある種のウィルスに感染したかの如く、体内から水が溢れて死亡することにそんな毒のようにしか思えない「月の水」ではありますが、研究を続ければおそらく飲み水その他に出来ると考えてのことでしょう。とにかくそのサンプルとしての水をチームは持ち帰るということになります。

 

 まー、そのミッションが簡単に済めば当然、8話分もドラマは形成されないというわけで、まず月に到着した時点で宇宙船(ヌリ11号)のほうがようやくのことで不時着する……といったような形での到着。ついでにそのまま真っ暗な崖下にまで宇宙船は墜落してしまい、チームは帰るに帰れないということに。さらに、月基地は閉鎖後、すでに五年も誰も人が入っていないはずなわけで、もしこのまま酸素その他補給したり出来なかったすれば――チームはジ・エンドということになる

 

 最初から「成功率の低いミッション」とは聞かされていたものの、まさかここまでとは……酸素が切れる前に生命維持装置を充電するため、急いで月基地へと向かうチーム11名。ところが、不時着時に大怪我(左肋骨の骨折)を負った者がひとりおり、結局のところこのファン次長は「あともう少しで月面基地へ到着する」というあたりで死んでしまいます。しかも、「み、み、みみみ、水はダメだ……」なんつー、超気になる言葉を一言だけ残して

 

 さて、月基地の電力が完全に落ちていたりした場合、全員酸素ゼロとなってそのまま死亡するところですが、それでは流石にドラマとしてひどすぎるというわけで、ギリギリのところで残りのチームメンバーは全員生命維持装置を通し酸素も補給することが出来て一安心ということに。

 

 まあ、そうとわかっていても見ている側としてはドキドキハラハラするわけで、さらには研究員でない者の死体に遭遇し、チームメンバーの中の女性医師であるホン先生は、肺が膨大していることや鼻口部に微細泡沫の跡があったことで、死因は溺死だったのではないか……といったように推測します。「溺死だって?そんな馬鹿な。ここは月だぞ」と鼻で笑いたくなるところですが、ここではとりあえず、この死体の人物がRXなる多国籍企業の人間なのではないか――というのが重要な点らしい。つまり、月面基地の水に関する研究が成功し、水を独占したような場合、そこには物凄い利権が絡んでくるということになりますよね。RX(宇宙資源開発結社)はそこらへんのことを狙って、こんな月基地までシャトルを飛ばしてやって来ることまでしているらしい。

 

 さて、この時点で生き残っているチームメンバーは10名ですが、最終的にこの中の半数以上が死亡します。まず、広い月基地内を順に調べていくわけですが、「月の水のサンプル」を回収しようにも、それがどこにもありません。とはいえ、とにかくひとつかふたつでも三つでも四つでもどこかに残っているのではないかと探したり、そうこうするうち、死んだ研究員の死体に遭遇したりと、なんやかやと行動を起こすうち――何かの拍子に月の水が体内に入ってしまったメンバーがまず死にます。

 

 え~と、この死にざまがですね、口から「オロロロロ……」とばかり、増幅した水がほとんど無限に体内から迸り出てくるというもので、ホン先生は気管切開をして救おうとしますが、最後にはその管からもドバァ~ッ!!とばかり水が飛び出てきて彼は死んでしまいます

 

 ハイ、おわかりですね?最初に遭遇したRXの死体と思しき人物も、おそらくは何かの拍子に「月の水」に感染して同じように溺死したわけです。ところで、このドラマの主人公はソン・ジアンという頭のいい冷静沈着な科学者の女性で、彼女のお姉さんのソン・ウォンギョンは、この月基地の優秀な研究者だったらしい。姉が何故死んだのか、その本当の理由を知りたいと考えるジアンでしたが、その後大体のところその理由がわかってきます。つまりは、この危険極まりない「月の水」の研究をしていた姉のソン・ウォンギョンや他の研究者たちもみな、この月の水になんらかの形で感染したことによって死亡していき、月基地もまた閉鎖に追い込まれたのだろうと……。

 

 さて、なんともオソロシイ真実が順に明らかになってゆきますが、この月基地には誰か、彼らチームメンバー以外にも生命反応があることが割と初期の段階でわかっています。そしてそれが、「LUNA073」という少女で、彼女はソン・ウォンギョンのクローン人間だったのです073ということは、その前に72体の失敗した実験体があったことを意味しており、それらの死体に遭遇した時、ホン先生はその異常な光景に泣き叫んでいます(無理もない)。

 

 とはいえ、ルナ073は五年の間ここでひとりで生き延びたほどの尋常でない生命力を持っており、大きな怪我をしても「月の水」によって即座に回復していたり――そうなのです。ルナは抗体を持っており、彼女から噛まれたジアンなどは、月の水に感染後、その症状が出始めたにも関わらず、命のほうが助かっています。これが一体何を意味するのか……。

 

 ところで、話のほうはこれだけではありません。チームメンバーの中にはRXと繋がった裏切り者がおり、この裏切り者は「月の水」を回収して逃げる過程において他の仲間を殺していたりと……こうして、最終的に生き残ったチームメンバーは最初の半数以下となっていきます。

 

 また、この「月の水」はおそらくどこか、地下にでも眠っているということなのか、そちらの水脈から流れてきて、最終的にはまるで生き物のように月基地に襲いかかってきます生き残ったチームメンバーは、地球からの救助船がやって来るのを待ち、宇宙服を着て月面へ出るということに。

 

 あと、書き忘れてましたが、このチームを率いる責任者のようなハン隊長という人物がいて、朴訥で真面目で誠実で娘想い……という、見た目「何考えてんのかわっかんねえなーこの男」といった感じながら、好感の持てる人物として描かれていると思います。なんというか、主人公のジアンもそうですが、たとえば恋愛といったような感情は終始一貫誰との間にも生まれてないのですが、全員「非常に有能な人物」でありつつ、それと同時に「傷を負ったフツーの人間」でもあり、そのあたりの人物造詣の「普通っぽさ☆」が共感できてすごくイイと個人的に思うものであります

 

 ルナちゃんはこのまま地球に連れていってしまえば実験体として人権などない状態に陥ることから……ジアンにもハン隊長にも考えがあるようなのですが――人権の保障された国際的中立機関に預けるといった――とりあえず、お話のほうはこのあたりで終わります。けれど、例の「月の水」のサンプルは無事確保したのですし、またそのことに対する抗体を持つルナもいる……おそらく月面から見える孤独な暗闇に浮かぶ星である美しき地球は、これから救済される運命にあると見ていいのではないかと……そんな予感とともにお話のほうは終わるのでした

 

 わたし的にはすごく面白いドラマだったのですが、ネットで検索してみても滝のように感想記事その他がヒットしたりしないことから、「面白いけど、このくらいのドラマはネットフリックス内にはゴロゴロしてる。そして毎日のように新作が更新されてゆくことから、今はちょい埋もれてる作品」ということなのかどうか、わたしにはちょっとわからなかったり

 

「静かなる海」で検索すると、評価が3.6くらいとわたしの見たページには出るのですが、個人的には4.5くらいだったと思います0.5割り引いたのは、ルナちゃんが最後のほうで月面において宇宙服を着用せず、健康元気に走りまわっていたから……やも知れませぬ(いえ、理屈に合わないとまでは言いませんし、べつにそれが悪いと思ってるわけでもないんですけどね^^;)。

 

 また、「静かなる海」というわたしが見るきっかけにもなった印象的なタイトルですが、ガリレオは地球から月を見て、月の表面の黒っぽく見える部分を海だと思っていたとか。水が枯渇しつつある地球ですが、「いつか海を見せてあげる」といったようなことを幼い頃ジアンがお姉さんから語られるといった場面があり……とてもいいエピソードだなって思ったんですよね

 

 なんにしても、SF系のものがお好きな方で、「ネトフリは作品数多すぎてどれ見ていいか迷う」といった場合、2シーズン以降がないという意味でも割とさくっと見れて満足感の得られる作品かなと、個人的には大変おススメするものであります

 

 それではまた~!!

 

 ↓こうやって予告見てもあんまし面白くなさげですが……「SF系のものってべつにキョーミねえわ」系の方が見ても、フツーにサスペンスやミステリーとして面白いと思います(たぶん

 

 

 

       惑星シェイクスピア-第三部【35】-

 

「ロルカのとっつぁんがあんな状態になっちまったのはなんでかの説明までは、確かしたよな?」

 

「ええ。結局のところ、ニディアの狂言というか、レイプされそうになったので、それでロルカをショックガンで撃ったということでしたね。他にダンカンやノーマンも、ニディアが殺したということでしたが……」

 

「そうなんだ。この俺、実は本星エフェメラの情報諜報員のユベール・ランバートことコリン・デイヴィスくんも危機百発だったんだぜ。ただ、ニディアは確かに物凄く人を見る目のある女だったんだろうな。彼女はまず、ギべルネス、あんたを他の六人の中で一番見どころのある人間だとしてすり寄っていった。そこで、すっかり親しくなるとあんたのことまで殺したり、もっと言うなら殺人鬼としての自分の顔をあんたに見せるのが忍びなかったんだろう。そこでわざわざ時計に細工までして、あんたが一時的に惑星シェイクスピアに遭難するようにしたんだ。で、ロルカのとっつぁんの様子をメディカル・ルームへ見に行った時の俺の驚きよ。そこでは、ノーマンとダンカンの死体がそれぞれ並んでたんだ。これでいくともうこの広い宇宙船内には、まだ生きていたとすれば、アルダンと俺、それに殺人鬼ちゃんのニディア・フォルニカしかいねえってことになる。焦ったよ。何分、相手は地球発祥型人類なんざ全員皆殺しにしてやるというテロリストなんだからな。その憎しみたるや、地球史でいや、ヒトラーのユダヤ人に対するホロコーストなんざ赤ちゃんのそれに思えるほどのもんだって話だ。実をいうと、俺はアルダンのことを探しながらも――奴の無事を祈りつつも、もう心の半分じゃきっとあいつもまたなんらかの形でオダブツ状態になっちまってるんじゃねえかと思ってた。が、あいつも案外バカではなかったようだ。俺やロルカのとっつぁんのように事情についてはよく知らないながらも、『この女はちょっとおかしい。注意が必要だ』という、動物の本能としてシグナルをキャッチしてたってえのかね。もしかしたらそんなところがあったのかも知れねえな。この時点ですでにAIクレオパトラの回線どころか、宇宙船のシステム自体がなんらかの方法によって落とされてたから復旧が必要だった。この時、俺は迷ったよ。普通に考えればメインブリッジに向かっていってアルダンと落ち合い、『ベイビー、一体何が起きたっていうんだい?』とでも話すところさ。が、そうとわかってるニディアちゃんが罠を仕掛けて待ってるかも知んねえじゃねえか。いやあ、金玉が久しぶりに縮み上がったぜ。とはいえ、結果だけ手短に話すとしたらな、あいつは最初からここ、宇宙船カエサルには俺を残すつもりでいたんだ。それが今も俺の命があって生きてる唯一の理由だよ」

 

「それで……ノーマンとダンカン、それにアルダンを殺したニディアは、ユベール、あなたに一体どんな要求をして来たんですか?」

 

「まあ、待て待て」と、フォークでスパゲッティを絡め取りつつユベールが言う。ちなみに彼は、これを食べるまで待ってくれと言っているわけではない。「アルダンの奴さ、俺が読んだ身上調査書によれば、すでに二回転生……ようするに肉体に限界が二度来て、今は三回目の人生というやつなわけだが、この肉体のみの年齢のトータルでいや、すでに軽く二百歳を越えとるわけよ。で、奴さんはさ、それまでの人生のどこででも、それがどの宇宙生命体であれメスの種族に嫌悪感を覚えるという傾向があったらしく、どこのカンパニーに所属するにしても、なるべく男が多いか、男しかいないような場所ばかりで働いてきた。ここ惑星シェイクスピアもそうだが、当然他のどの惑星の調査へ行く仕事でも、宇宙船に乗船する前に必ずメディカル・チェックを受ける……そこにはギべルネス、あんたもご存じの通り、精神科のカウンセラーとの対話といったことも含まれるわけだ。ここまで極端に偏ってるのは何故か、つまり男ばかりの環境に拘るのは何故か、お医者先生は聞いた。するとアルダンの奴、自分が最初の生において強く同性愛を志向したこと、また、血の繋がった実の母ではないが、養母からあまり良くない影響を受けたことで……女性という存在そのものを嫌悪するようになったと、そういうことだったんだな。まあ、ここまでのことなら、話として十分理解できる範疇だ。が、アルダンはこの養母にどんな育てられ方をしたのか知らんが、実は奴は女性というものに対してたぎる差別の気持ちを持っていたんだろう。いや、それは激しい憎しみにも近いものだったらしい。そこで、船内でどうも何やらおかしなことが起きてると動物的に察したアルダンは――実際には具体的にニディアが何者かすら知らずして、この機会に彼女を殺そうと動いたんだ」

 

「そ、それで、一体どうなったんですか!?」

 

 無論その結果について、ギべルネスはすでに知っている。だが、ここ宇宙船カエサルの乗組員が、こんなにも<訳アリ>の事情を抱えている者ばかりだったとは……しかも、たぎる殺人への衝動を抱える者が約三名もいたとは、なんとも驚きだった(アルダンとニディア、残り一名はニディアを憎む潜在的殺人者のロルカである)。

 

「俺はメディカル・ルームでノーマンとダンカンの死体を確認すると、すぐに犯人はニディア・フォルニカだとわかっていたからな、その後メインブリッジへは向かわなかった。アルダンの部屋へ、彼の無事を確認しに行ったのさ。で、部屋にいたらニディアや、あるいは他の誰がやって来てもそこから出るなと忠告するつもりだった。だが、遅かったんだよ。あいつ、ニディアが自分の部屋を訪ねてやって来ると、あっさり中へ入れちまったんだな。どんな話をしたのか、詳しいことまでは知らんよ。だがニディアの話では、茶を入れたあと、何か植物に関するうんちく話をしだしたらしい。わかるだろ?あいつの、自分のこの広い宇宙に関する知識をひけらかす時の、高慢ちきな顔つき……ダンカンなんぞはすっかりアルダンに感服して子分みたいにくっついてたが、ニディアは茶を飲まなかった。すると今度は神経毒を塗った毒針で刺されたらしい。彼女は動けなくなり、一時的に気を失った……次に目を覚ました時、ニディアは手足を縛られ動けなくなっていたってことだったよ。だがこの時、アルダンは彼女が左手のみ義手に改造してると知らなかったんだな。そこにしまいこんでおいたレーザーで拘束コードを切ると、逆にその左手でアルダンのことをぶん殴り、さらに義手の硬度を高くすると、奴が簡単に死なぬよう、腕の関節やら膝の関節やらを順に攻撃し、最後に腹に穴を開けて殺害したんだ……まったく見ただけで片付けるのが嫌になるような無惨な死体だったよ。ほら、AIクレオパトラ復旧後、掃除ロボットにやらせると映像にその記録が残るだろ?だからこれは俺がやらにゃあならんかった」

 

 その時のことを思い出したのかどうか、ユベールはあからさまな嫌悪感を滲ませて、一時的に食事を中断した。何故ボロネーゼなど頼んだのだろうと、若干後悔している様子ですらある。

 

「そのあと、一体どうなったんですか?」

 

「うん……廊下でさ、アルダンの血に真っ赤に染まったニディアと鉢合わせて、俺はもう自分の死を覚悟したね。ところがさ、彼女、俺が何者かわかってるなんて言うじゃねえか。ますますまずいと俺は思ったが『まあ色々と訳あって、わたしはこれから死ぬ予定なんだ。ギべルネスのことがあるからな、ユベール、おまえのことは生かしておいてやろう』なんて言われたのさ。まったくもって訳がわからなかったよ。だが、なんにしてもこの場合俺に他に選択権はない。そこで『生き残れただけでももっけの幸いと思い、何故とは聞かず言う通りにしろ』という彼女の言うとおりにしたんだ。まったく奇妙な要求だったぜえ。これから自分は外の宇宙空間へ出て死ぬが、死体は絶対回収するなと言うんだからな。もしそんなことをすれば、ギべルネス、あんたの命はないと思えといったように脅迫されてさ」

 

「なるほど……その、なんて言いますか、ユベール。第四基地からここカエサルへワープしてくるまでの間に――実は精霊型人類と接触したんです」

 

「ええっ!?」と、ユベールはフォークを手から滑り落とした。彼の予測では、この宇宙船内にも精霊型人類が潜んでいると考えている。そのことと何か関わりがあるのだろうか?

 

「彼らの話によれば……ニディアは……いえ、我々がニディア・フォルニカと呼んでいた女性は、今は元のあるべき存在へと帰り、現在は魂の清めの眠りに就いているということでした。このことに関してはもう少しあとから、私自身自分の思考を整理してから話したいと思うのですが、簡単に言えば彼らはこのまま、私たちのプランによってハムレット軍を勝利させ続けていって欲しいそうです。それで、そこから何か多少のミスのようなものが生じた場合は――彼らが責任を持ってフォローしてくれるという、そうしたことなのだと思います」

 

「えええっ!?」と、ユベールはさらに驚いた様子だった。「へええ……やっぱギべルネ先生はあん人らに気に入られてるけんども、俺のことはあん人ら嫌いだとか、なんか気に食わねえとか、そういうことなんだろうねえ。ユベールたん、ちょっぴりいじけちゃうっ!!ぼくたんだってこんなに色々がんばってるのにっ!!」

 

「いえ、彼らはなんというか、その……私の惑星シェイクスピアにおける苦労を見て気の毒になったというか、そういうことなんじゃないでしょうか」

 

 ギべルネスはカルボナーラの洗練された味を舌先で味わい、(ああ、自分はずっとこうしたものが食べたかった気がする)と、ようやく自分が本来いるべき世界へ戻ったのだとの実感を持った。彼は香草や薬味によって肉の臭みを消すということの、本当の意味を惑星シェイクスピアにおいて初めて知った。クミンやにんにく、生姜といった香辛料なるものが、いかに大切かということも。自分の母星のレストランで食べた牛フィレ肉の香草添え……などといった料理の香草は、実際にはただのオシャレとして肉の隣に並んでいるも同然だった。

 

「けどさあ、ほんと、俺が今生きてるのって間違いなくギべルネス、あんたのお陰なんだよな。俺はニディアに対してはおっかなくてあんまし色々質問できんかったけども、彼女の最初の予定じゃ、カエサルのシステムをダウンさせる→宇宙船内の全員をブッ殺す→自分は自殺して果てる……という、そんな計画でいたんだろうからな。ところがギべルネス、あんたみたいな心優しき人がひとり混ざってたもんで、ニディアはあんたのことだけは殺すに忍びなかったってことなんだろうな」

 

「そのニディアの、今もまだこのカエサルの近くを漂っている死体ですが、彼女はマルジェラの仲間たちとすでに一緒になったので、回収するなり始末するなり、好きなようにしていいということでした。彼女は自分の死後に体を冷凍され、本星で蘇生させられることを一番恐れていたため、そのような方法によって死を選んだということのようです。確かに自分の計画を絶対確実なものにするには、私という存在が邪魔だったのかもしれません」

 

「いや、違うって……あの子はあんたのことが人間としてほんとに好きだったんだって。あっ、そっか。ギべルネス、確かにあんた、医者だもんな。そうした意味では、言われてみれば別の意味で邪魔っちゃ邪魔か」

 

「私もニディアのことが好きでしたから、今、結構ショックを受けてます」と、オレンジジュースを飲みつつ、何故かこの時急に、惑星シェイクスピアで飲んだアプリコットジュースがギべルネスは飲みたくなってきた。何故かはよくわからない。「訳もわからず突然彼女に殺されるよりは……確かに色々大変でしたけど、ニディアが憐みをかけてくれたことに私は心から感謝すべきなんでしょうね。それと、これを言うのは死んだ仲間たちに申し訳ないのですが、私の中ではやっぱり、ニディア・フォルニカは素敵な優しい女性として記憶に残ってるんです。それと同時に、精霊型人類の、我々地球発祥型人類に対する深い恨みの気持ちというのもよく理解できますし……」

 

「そりゃそうさ」と、ユベールはスパゲティの続きをもぐもぐ食べて言った。「俺があんたの立場でも、やっぱりそうだったと思うぜ。俺は思うんだがな、誰だって自分が好きな奴と嫌いな奴に対して向ける顔は当然違う。ギべルネス、俺もあんたのことが好きだから、概ねこんな友好的な感じだが、嫌いな奴に対してはその感情を見せないようにしながらも心の中じゃツバ吐いてたりな。で、そのことを大っぴらにしゃべってもまるで構わんという場所では、マジンガンみてえにそいつの悪口しゃべりまくるかもしれん。まあ、あんたはニディアと一緒に惑星シェイクスピアでお花摘んだりキノコ採ったりした楽しい記憶だけ覚えてりゃいいのさ。でも、俺にとってあのニディア・フォルニカは、ただの恐ろしい異星人の人殺しってだけだ。何せ、あの女が血まみれで船内の廊下の向こうからやって来るのを見た時には――心底ゾッとしたからな」

 

「…………………」

 

 ギべルネスはなんとも言えない、やりきれぬ溜息を着いた。正直、この宇宙船カエサルで起きた呪わしい出来事を忘れるため、早くここを出発し、本星エフェメラへ戻りたいような気がしてならない。だが、自分たちにはまだやるべき仕事が残っているのだ。

 

「ハムレット王子たちを助けて、まあこれで十分だろっていう頃合になったら、本星情報諜報庁と連絡を取るよ。非常緊急コードを使うから、そうだな。わりかし早く迎えのほうは来ると思うぜ」

 

「早いというと、どのくらいですか?」

 

 自分たちがここへやって来るのにも戻るにも約百年かかることを思い、ギべルネスは今度はつらい溜息を着いた。自分のことを誰も知らない世界へ戻るくらいなら、やはり精霊型人類たちの快い招待を受けたほうがいいのではないかと、決意のほうが揺るぎそうになるほどだ。

 

「まあ、早けりゃ三か月とか半年とか、そんくらいかな」

 

「!?そんなにですか?それなら、どうして私たちはこんなバカのように長い時間をかけて……」

 

「一応、ちゃんとした理屈のほうはあんのさ。んーと、どう言えばいいかな。これもほんとは正しくないたとえなんだが、一番わかりやすく言うとしたらば、ワープ航路っていうやつは簡単に言や、ミドルクラス惑星における高速道路みたいなもんだわな。ほら、ギべルネス、あんたんとこの母星でも、こんなことはないか?A都市からB都市まで高速をかけるという話がまとまった、が、途中で資金のほうが尽きちまって、ある場所からその先は建設途中で工事のほうはそのまんまってことがさ。ワープ航路っていうやつは、このA地点からB地点まで短ければそれだけ安心して一瞬で移動が可能になる。だが、本星エフェメラからこんな惑星シェイクスピアなんつー遠くまでやって来るには、安全な距離間でしか空間と時間を飛べないわけだ。そして、その安全な圏内におけるワープを繰り返すから時間がかかる……が、あくまでも緊急の際にはな、情報諜報庁なんてとこでは一般ではちょいと知られちゃいない方法で、緊急ってことになりゃ一気にすっ飛んで来ることの出来る方法があるんだ。とはいえ、これは他の惑星にその秘密を知らせていいほど安全でもなく、やや危険を伴うわけだよな。ギべルネス、それでいいなら俺たちはかなり速くエフェメラまで一気に戻れると思うぜ」

 

「そ、そんな方法が………っ!!」

 

 ギべルネスは心底驚いた。とはいえ、それでも今の時点ですでに百年以上過ぎているのだ。戻った時には、母も妹も恋人だったクローディアも生きていないのはほぼ間違いないことだろう。

 

(だが、それでも……)と、ギべルネスは思った。(やはり、私は帰ろう。そして、母や妹の墓参りを済ませて、クローディアがその後どうしていたかの人生を知るための旅に出よう。それから母星ロッシーニがどうなったか、元自分たちが住んでいた場所が今どんなふうになっているか、直にこの目で見に故郷へ帰ろう。すべてのことはそれからだ……)

 

 そのためにも、まずは……とギべルネスは思い、壁のスクリーンに映し出されているハムレット王子軍の様子、それにそれよりも小さく隅のほうに出ている王都テセウスの様子、他にアディル城やモリア城の様子を素早く順に眺めやった。とりあえず暫く大きな動きはないと判断したものの、そんなことはいつ何時どうなるかなどわからないのだ。第一これらの映像のどこの様子にしても、よく観察していないとおそらく何が何やらわからなくなる可能性が高いだろう。こうした映像類については四十八時間設定で、指定しなかった映像は順に消されていく運命ということになっているが、ユベールひとりで録画した映像を再びチェックしたりするのはさぞかし大変なことだったろうと思われる。

 

「ユベール、あらためてお礼を言わせてください。こんな大変なこと、よくひとりでやってましたね。クレオパトラが手伝ってくれるとはいえ、私だったら間違いなく『こんなことやってられっか!!』という感じで、途中で投げ出していたと思いますからね」

 

「いやいや、まったくまったく、ギべルネ先生よ」と、ユベールは最後の一口を食べ終わると、舌で唇のまわりをなめて言った。「神さまってやつぁつくづく大変だと思ったね。まあ神さまってのは、本星エフェメラにあるメインコンピュータを百億台くっつけたよりも情報処理能力の高い万能性を有していらっしゃる点が、俺のような蟻の脳みそとシラミの心臓しか持たねえような矮小な存在とは違うんだろーけども……ま、このたとえも決して正しくねえわな。この膨大にひっれえ、途方もねえ宇宙の広さに比べたら、俺たちゃ目に見えない細菌よりもさらに小さい存在にしか過ぎねえわけだからな。神の眼からもし見たとすれば……」

 

「まあ、蟻の祈りも天に通ずと言いますからね。これでいくと細菌の祈りだって神に通じないこともないのではないですか?生物学を専門にする惑星学者が顕微鏡を眺めるように、神が我々人類という名の細菌以下の小さな存在を見て、面白いと感じるものなのかどうかわかりませんが……ただ、精霊型人類なる存在と接触してみて、少しだけわかったことがある気がするんです。基本的に彼らは平和的な存在で、友好的で優しい性質を有した存在らしいということと――まあ、そのように善良で美しい存在に蛇蝎の如く我々地球発祥型人類は嫌われているというのは、なんとも悲しいことですが――このように人智を越えた存在である彼らが、我々とよく似た遺伝子配列を持つここ惑星シェイクスピアの人類に多少なり関心を持ち、今しているようにせめても少しくらいは彼らの歴史に良い影響を及ぼそうとしているというのは……それが彼らにとってなんの得にもならないことなのに、ここまで色々心を砕いてくれるということは、もしこの宇宙のどこかに神なる存在がいたとすれば、それは善でも悪でも無ですらもない、宇宙に偶然存在することになった生命体になどまったく無関心な理解できない存在でないのではないだろうかと、今は不思議とそんな気がするんです……」

 

 ギべルネスはユベールに、それ以上どう説明していいかわからなかった。精霊型人類たちは、この宇宙の、惑星シェイクスピアよりももっと遠く、遥かなる未知のどこかに全宇宙の創造者たる神なのだろう者の存在を感知し、そちらへ旅する予定だというように語っていた。また、そこから感じるのは快くあたたかい、危険性を感じない波動だとも……無論、実際にそこまで到達してみなければ、それが神なのか、神のように感じたただの偽の凶悪な、精神的存在ですらも喰らう捕食者なのか、そんなことは今はまだ誰にもわからないかもしれない。だが、そのような存在が<有る>ということだけは確からしきこと、これは大きな意義のあることではないだろうか……ギべルネスは科学者のはしくれとして、少なくとも今そんなふうに感じていた。

 

「これは実は前から思ってたことなんだけどもな、ギべルネス」と、ユベールは食後にブルーベリーのアイスクリームを無料販売機から出し、戻ってくると言った。「精霊型人類さんたちは、一体いつごろからここ、惑星シェイクスピアの人類というやつに関わってきたんだろうか。ほら、ここカエサルに残されてる歴代の惑星学者たちの研究成果を見ていて思うに……今まで、いくつもの文明が栄えては滅びていったわけだろ?その時代の人たちっていうのは、ハムレット王子のようには滅んだりしないよう助けたり導いたりする価値がなかったから衰退の一途を辿ったということなわけか?」

 

「いえ……これは彼らから聞いたことの一部から推測することですが、ここ惑星シェイクスピアの人類というのは我々地球発祥型人類によく似ている。ゆえに、彼らとしてはこの星の人類の辿る運命になど、そもそも最初は興味などまるでなかったようですよ。ところが、ある文明は水さえあれば滅びずに済みそうであり、またある文明は食料不足で……といった危機があった時、生来が優しく愛に溢れた性質を持つ彼らは、ある時見ているに忍びなくなって助けたのだと思います。きっと、心の中には複雑な葛藤があったことでしょう。けれども、ここ惑星シェイクスピアに発生した人類は、地球発祥型人類とよく似ているけれども違う存在なのだから助けても良いと、そんなふうに考え方を変えたのかもしれません。彼らの話によるとどうも、ハムレット王子というのはこれから聖賢千年平和王と呼ばれる存在になるということでしたが、千年すぎたらどうなるのかということは、私も聞くのをすっかり失念していました。ですが、彼らのように我々人間のような時間的尺度に囚われる必要性のない存在にとっては、もしかしたらその千年というのもそんなに長い期間ではなく、そのくらいならば平和を保証しても良いというそうしたことなのかもしれません……」

 

(そうだ)と、ギべルネスはこの時思った。彼らは自分たちの仲間の数が十分になったら、例の神らしき存在を訪ねる旅へ出発する予定なのだ。だがこれから先、千年くらいが経過するまでは、その仲間の数は十分には満たされまいと見積もっているのではないだろうか。

 

「ハハハッ、そりゃすげえや」と、ユベールはラベンダー色のアイスキャンディをぺろぺろなめて愉快そうに笑っている。「ギべルネス、今の話だけでも俺にとってはこんな遠くまではるばるやって来た甲斐があったってもんだぜ。これであんたって存在がなく、別の誰かが医務官として随行して来ていて、そいつも無残な死体としてこの宇宙船のどっかに転がっていた可能性ってのもあったわけだからな。その場合はこの俺も、今ごろはこの食堂あたりででも、呑気にアイスクリームなんか食べてるところをニディアに後ろから首かっ斬られてたかもしれねえんだからな。あんたは俺にとって命の恩人だって意味で、ギべルネス、あんたは俺に対してなんの感謝の気持ちも感じる必要はねえんだ。本来はな……とはいえ、俺がこれから本星情報諜報庁と連絡を取ったとした場合、まあある種の偽のシナリオが必要になるわな。そんで、そこんところの予習や演習ってのをばっちりやって、俺たちの間では口裏合わせて矛盾が生じないようにしなけりゃならねえわけだ」

 

 このあとふたりは、旧式に紙とペンを取り出してくると、お互いにそのあたりのアイディアを出しあった。ニディア・フォルニカが精霊型人類に憑依されていることはすでに確認されていることであり、その証明をしなくてはならない……という過程を省くことが出来るのは、このふたりにとってなんとも幸いなことであったろう。彼女がロルカ・クォネスカを植物状態に陥れ、次にノーマンとダンカンをメディカル・ルームにて殺害。さらにアヴァン・ドゥ・アルダンをも彼の自室を訪れて殺害……と、ここまでは概ね事実の通りで良い。また、地球発祥型人類を憎悪しているニディアがギべルネスにのみ憐みの気持ちをかけて殺さず、惑星シェイクスピアにて遭難するようにしたことが本星情報庁の人間には信じ難いことであったとすれば、この部分は単なる空間転移装置の不具合でそうなった、ということでもいいだろう。とにかく、ギべルネスが無事別の基地から宇宙船カエサルへ戻れるようガイドしている途中で、AIクレオパトラの回線を含めた電子回路が落とされた。遭難中のギべルネスとはここで連絡を取ることが不能となり、ユベールはニディアから脅迫され、自殺幇助するにも等しい形で宇宙船のハッチの開閉ボタンを押したが、このことも罪には問われまい。その後、ユベールは宇宙船カエサルの不具合の生じている電子回路を復旧してのち(実際これにも相当時間がかかったというのは事実である)、ギべルネスを必死で捜したものの、AIクレオパトラの顔認証システムにすら引っかからなかったことから、捜索のほうは困難を極めた……。

 

「つまりさ、問題は俺が、AIクレオパトラ含めたシステムを再起動させた時点で、何故本星情報庁へ非常緊急コードを使って連絡しなかったかってことなんだが、ニディアがあんたに憐みをかけたように、俺もまた人間としてあんたに親愛の情を感じてたから捜索にやっきになったってことにしようと思うんだ。これは実際事実でもあるし、情報諜報庁ってななんとも冷てえところでな、無能な奴は見捨てても仕方ないって実行部隊のほうじゃ考えがちなんだ。俺もそんなふうに見捨てられ、原始惑星で遭難したってのにそのまま宇宙船のほうは出発し、その数時間後には何万光年もの彼方……なんて経験をしたことがある。ほんとは俺だってそんなこと嫌だったけど、多数決で負けちまって、そんな形で仲間を見殺しにしちまったことがあるんだ。ギべルネス、あんたは医者でもあるし、母星ロッシーニでの悲惨な戦争のことなんかから見ても、おそらく同情してもらえるだろう。とまあ、ここまではいいとして――仲間を探して三千光年なんてのは、流石に時間としてかかりすぎだからな。俺もあんたと出会うまで時間がかかったのは確かだが、ここからさらにハムレット王子たちが王都テセウスを制圧するまでとなると、もっと時間がかかるということになる……このどうにも合わない理屈の辻褄をどんな詭弁を弄して情報諜報庁を欺くかってところだ」

 

「しかも、詭弁を弄することを看板として掲げている機関に向かって、ということですもんね。ところで、定期通信のほうは今までどうしてたんですか?」

 

「まあ、特に何も異常なしっていうふうにクレオパトラには報告させてるよ。俺が請け負ったのは確かに特殊な任務ではあるが、こんな旨味のない辺境惑星には基本的に誰も興味なんかねえのよ。人類がいて文明が存在するってだけでも素晴らしくはあるが、そのためだけにここまでやって来るにはあまりに遠すぎるしな……実は異常があったのに異常なしと報告し続けたのはなんでかとか、まあ、あとから俺は色々聞かれるとは思うよ?とはいえ、そこらへんもおそらくなんとかなる……が、これだけの異常事態が起きていながらこんなに長くすぐ連絡しなかったことについては、なんらかのもっともらしい嘘を思いつかにゃあならん。あうーっ!!」

 

 ギべルネスはそのユベールが書かねばならぬ、ある種始末書にも似た報告書のことについては門外漢である。ゆえに、紙に色々ゴチャゴチャ書きつけつつ、悩ましげに頭を抱えている彼のことが心底気の毒になった。

 

 こうしてふたりはこのあと、再びメインブリッジのほうへ戻ると、ハムレット王子たちや王都テセウスの様子、それにアデライール州やモンテヴェール州の動向をチェックしつつ、この件についてどんなふうにうまく言い訳するかについて互いに話しあうということになった。AIクレオパトラなどは『いっそのこと正直に話しては?』などと、人間以上にもっともらしいことを言ったが、ふたりはこの案は却下し、どう巧くユベールの上司らを欺くかと、色々と架空の、実際には起きなかったシナリオ部分を埋める事柄について終始話しあうということになったのである。

 

 

 >>続く。

 

 

 

 

 


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