宇宙(そら)は家

宇宙(そら)へ還ろう! 
五井先生は、両手を
広げて待って
いらっしゃいます。
(リンクフリー)

短 信(二十八)

2011-02-22 09:51:06 | 祈り
 御手紙拝見致しました。祈りの同志にとって、祈りの他に、

大切なことがあれば教えて欲しいという内容の御手紙かと思います。

 世界平和の祈りをする、その次に大事なことは、聴くということ

であります。

 祈りと、聴くことは、実は一体でありまして、どちらが第一、第二と、

順番をつけられるものではありません。

 聴くということは、どういうことかというと、まごころを込めて

相手のなかに入る、その気持ち、その心、そして、その人を

生かしめている本心の光と一体となるということであります。単に、

相手の話している言葉を聞くのではありません。

 たとえば、私が「あ」といえば、みなさん、五井先生が「あ」

といったということはわかります。けれども、私がどういう気持ちで、

あるいは、どういう言葉を次につなげて、何を話そうとしているかを

知ろうとおもえば、自然、心を集中して、私の出した言葉のひびきを

ききとろうとなさるでしょう。

 聴くということは、この言葉のひびきを感じとること

なのであります。

 出された言葉の奥にある、その人自身の心のひびきをたずねること

なのであります。そうして、その心のひびきと、きき手である

あなた自身の心のひびきとが、同化し、一体となる、つまりは、

あなたのいのちと、その人のいのちとが抱き合うということに

他ならないのであります。

 すべての祈り、ことに、私どもの世界平和の祈りは、神様が、

私ども一人一人の祈りをとおして、個々のひびきを感じ取って

下さり、無限の愛の光を流し込んで下さる……そしてまた、

光のシャワーを神様の愛によってそそがれた私達が、私達自身の

なかにみちている神様の光を放射して、いわば、光と光が

交流し合う、愛と愛、やさしさとやさしさとが交流し合うのが、

世界平和の祈りであり、統一であるのであります。

 いいかえますと、この祈りをとおして、神様は、つねに

私どもの声を心を聴いて下さっているということが、ここで

いえます。私どもは、つねに、神様の愛に抱かれ、心に抱かれ、

聴いていただける幸せのなかに生きているのであります。

 そこで、私どももまた、心を込めて、聴くということが大事

なのであります。相手の表情、表面的な言葉にとらわれず、

相手をそのままに抱くということが大切になって参ります。

 祈りというものは、自己をそのままに投げ出し、光となって、

神の心を聴くということであります。この祈りによって、

聴くことのよろこびを、十分に知らされている私どもの心は、

さらに寛やかになるために、(相手を抱くために)やさしさと、

素直さとを、自分自身にたくわえてゆくことが是非とも必要と

なってくるのであります。

 神は無限の愛だと申し上げました。その無限の愛を

成り立たせているものは、神のみこころの朗らかさと

私どもに対する無限のやさしさであります。

 新約聖書のなかに伝道者パウロのかきましたいくつかの手紙が

入っておりますが、そのなかの一つ「コリント人への第一の手紙」

第十三章は、一般に愛の章とよばれております。つづめて申しますと、

もし愛がなければ、どんな言葉も行為も、無に等しい

ということを、彼はここで述べているのであります。

 この愛とは、やさしさであり、朗らかさでありましょう。

 先程、私が述べました素直さへと、これはまっすぐにつながって

ゆくものであります。

 いかに社会的な地位があり、また、富があり、名声があったと

致しましても、神を求める心において、謙虚さを失った時、

その人の光はにぶるのであります。

 そうして、神を求める心とは、教義に述べた自分を赦し人を赦し、

自分を愛し人を愛す、ということにほかならないのであります。

 神は特別な世界、存在ではない。神様をはなれて、私どもの

いのちの活きづきはゆるされないのであります。この神様は、

かつて、一度も、私どもを離れられたことがないのであります。

 ですから、自分に人に、そうして神に素直ということは、すなわち、

人を容れる心、聴く心と一つであるということがいえるのであります。

 どうぞやさしい心、素直な心を持って、自分自身をやわらげ、

またつよくし、そのやさしさと素直さをもって心から色々の人の話を

聴いて下さいますように。

 神様はどこまでもやさしい方でありますから、あなたも、

生き得るかぎりやさしく、言葉に光をながすように、言葉を粗末に

出さず、言葉の奥にあるひびきをたずねて下さるようにと祈るもので

あります。

 どうぞ、どこまでもやさしくあって下さい。

 世界人類が平和でありますように

                合 掌
                  昌 久