cafe de sou-ryu

ほっと一息
ちょっと休憩しませんか?

Where is an exit ?

2009年03月02日 19時05分32秒 | cafe
こんばんは。
今日の京都は昨日の春の気候はどこへやら、
また寒い一日に逆戻りでした。

季節がカレンダー1枚めくっただけで変わるとは
思わないのですが、カレンダーの中の絵はすでに早春。
春は名のみの…とはよく言ったものです。

さむさむ…。



「本日の CAFE ♪」

今日はTinaの「迷路」です。
確か随分前のドラマの主題歌だったと思うのですが
見たような気がするものの、題名も内容も思い出せません…。
でも、この曲とTinaの歌声は強烈に印象に残っています。
“MONTIEN”でのTinaも好きなのですが…
どちらかというと、ソロで独り占めしたい派です。



迷路  song by Tina


Good night
Good morning
Hello darling

ひとり飛べないあたしは あなたの迷路で迷ってる
何処にも行きたくないのよ わざと迷路で迷ってる

涙も枯れて 声の消えた夜 小さな悪魔が宿って変になる
罪を犯しても取り戻したいと 宝石の空に似合わない願いを

壊れた翼でやっと辿り着く 愛した背中は振り向かないまま
ブルーな森をさまよって見つけた 禁断の時計 時を繰り返す

ひとり飛べないあたしは あなたの迷路で迷ってる
何処にも行きたくないのよ わざと迷路で迷ってる

Good night
Good morning
Hello darling
Hello darling…





迷路…確かにありますね
気持ちが迷路に迷い込むような時。
私の場合は、
答えが解らないのではなく、
答えに辿り着きたくない、という時ですが…。


宗流


和装小物 宗流
http://www.sou-ryu.jp


原点回帰(?) 絹について7

2009年03月02日 18時11分37秒 | my works

こんばんは。
本日の京都は、三月の訪れと共に春のような暖かさ
だった昨日とはうってかわり、冷たい風の吹く一日でした。
…とはいえ、これが本来の三月初旬なんでしょうが。
まさに「春は名のみの風の寒さ…」です。


さて、本日は絹についてのお話、第七回目です。
前回までの工程で、織機にセットする経糸のお話をしましたが、
今回はまず「緯糸」のお話です。
本日はちょっと長くなりますので、
休み休みお読みくださいますと幸いです。


ところで、呉服関係のあまり縁近くにない方にとって
最も身近にある絹織物といえば、シルクのスカーフや
絹の風呂敷かもしれませんね。
その中でも、もし風呂敷がお手近にあればご覧頂きたいのですが
正絹ものや化繊の種類を問わず、表面が凸凹としているものが
ありませんか?
もしかしたら、細かなしわみたいに見えるかもしれませんね。

これは、「シボ」とよばれる凹凸です。
この「シボ」は、始めからウエーブのかかった糸を使って
いるせいで、こうした凸凹ができる訳ではありません。
織る段階では、一見するとまっすぐな糸を使って織られています。


ちょっと分かりづらいのですが、
こうしたシボを作るためには、糸の準備工程に「撚り(より)」
というものをかける必要があるのです。
これは糸に「撚り」をかける事によって、平坦な生地だけでなく
様々な表情のある生地や、柄を織り出す事ができるため、
織りに際して、なくてはならない大切な工程の一つです。

この「撚り」には二つの方法があります。
イタリー撚糸と呼ばれる乾式の方法と、
八丁撚糸と呼ばれる水を使った湿式の方法です。
「撚り」を最も身近に体感して頂く一つの方法なのですが
みなさん幼い頃に、七夕飾りを飾るのに、
紙で「こより」をつくりませんでしたか?
紙を細めに切って、指で細く糸状によるのですが、
こよりを乾いた指先でよるのを乾式、
少し紙を濡らしてよるのを湿式、とした場合
糸の「撚り」もこれと同じようなものと考えて頂くと分かりやすいかもしれません。


話が脱線しましたが、糸の湿式の「撚り」は、水撚り撚糸とも言われ、
糸に水をかけて少し伸ばした状態で、約1mほどの長さの糸に
2000回から4000回ほど撚りをかけます。
こよりでいうと、2000回から4000回ほど指先でねじるわけです。
ですが、糸は一本の糸ですので撚りによって特に変わる訳ではありません。
糸自体を見たところ、この段階では大きな変化はありません。
また、この撚りには右撚り・左撚りと方向も決まっています。
縮緬の織物は、この右撚り・左撚りを組み合わせて織られています。


…ですが、これがなぜあの「シボ」を?
と思われる方も多いと思います。
それは、ちょっと話は前後してしまうのですが、生地の織り上がりの後、
「製練」という作業を終えるとシボが現れるのです。

上記の右撚り・左撚りの糸を一本ずつ交互に織り込んだものを
一越縮緬と呼ぶのですが、まずはこれを例にとります。
右撚り・左撚りの糸を交互に織り込んだ生地は、織り上がった時点では
特に凸凹のない平らな生地となります。
そして、織り上がりの生地はみなさんが普段使っていらっしゃる
しなやかなシルク製品から想像がつかないくらい、固くてパリパリなのです。


これは、以前繭のお話をした際に出てきました「セリシン」という
物質が、この段階ではまだ糸についているからなのです。
セリシンは撚りまでの工程では撚りがほどけないよう
糊の代わりにもなるのですが、織り上がると不要のものになります。

そこで「製練」という作業でセリシンを落とすのです。
これはアルカリ溶剤にマルセル石鹸などを加えた精錬液を
100度まで熱し、そこに織り上がりの生地を7~8時間漬けます。
するとセリシンが溶けると同時に、糸にかかっていた撚りが
戻ろうとします。ですが、糸が交互に織り込んであるため
まっすぐには戻れず、しわがよった状態となります。
これが「シボ」というわけなのです。


さて…今日はホントに長くなってしまいましたね。
すみませんでした。
明日からは織機の工程のお話です。
糸が生地になるまで、あと一息です!
お疲れ様でした。


宗流


和装小物 宗流
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