博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

高岡市美術館

2010年01月30日 | 北陸の風物
 今日は天気が良いので、高岡市美術館で先週から開催されている「堀田善衛展(2月28日まで)」を家内と見に行きました。堀田善衛(1918年- 1998年)は『広場の孤独』(第26回芥川賞受賞)、『方丈記私記』などで著名な作家ですが、この高岡の出身です。生家は伏木港の廻船問屋で、当時の日本海航路の交易で財を成していたそうです。
堀田善衛の作品は、私が高校1年の時に読んだ『広場の孤独』が最初でした。同書の中の一節「1950年6月25日-20世紀正午の夏・・・」(朝鮮戦争開始の日の記述)がなぜか今でも頭の中に残っています。その後『インドで考えたこと』、『キューバ紀行』、『方丈記私記』などを読み進めました。『キューバ紀行』などは、十数年後実際に私がキューバに行こうと思ったきっかけになりました。
 堀田氏はべ平連運動など反戦平和運動にも熱心に取り組んでいましたが、今回の展示の中で1956年にインドで開催されたアジア作家会議(後にアジア・アフリカ作家会議になる)で日本人の作家として「日本の侵略がアジア各国に甚大な被害と悲惨を強いたことを、一人の日本人作家としてすまないと思う」という挨拶をしています。その挨拶文の英語の本人手書きのメモが展示されていました。この挨拶に対して会議の主催者であるインドのネルー首相は主催者として感謝をしたそうです。
 堀田氏はアニメ作家の宮崎駿氏と親交があり、『方丈記私記』をアニメ化する計画があったそうで、2008年には『方丈記私記』等の堀田作品をアニメ化するという仮定のもとのイメージ・ボードが制作されていてその展示もありました。堀田氏は有名な怪獣映画「モスラ」の原作者でもありますが(他の2名の作家との共作)、モスラの造形がアニメ「風の谷のナウシカ」に出てくる「王蟲(オーム)」の原型になったということを今回初めて知りました。

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1 コメント

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Unknown (じゅんじ)
2010-02-06 00:12:09
おおっ!アルバニアの他にキューバも行ってきたんですか!

私が行きたい国は二つ。キューバ、北朝鮮です。

キューバは、ソ連崩壊直前だか直後だかの「新世界紀行」という番組で取り上げられていて、泣きが入るほど感動しました。以来、キューバのファンです。

そのうち、キューバ紀行について書いていただけませんか?
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