博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

米国初の宇宙遊泳と宇宙虫の卵

2015年12月01日 | SF
 漫画家の水木しげるさんがお亡くなりになりました。私は水木さんの作品を文字もろくに読めない幼稚園生の時から愛読していたようです。水木さんと言えば妖怪漫画やご自身が左腕を失う重傷を負った太平洋戦争の悲惨な戦記物で有名ですが、SFも描いておられました。「テレビくん」、「コロポックルの枕」、「丸い輪の世界」とか、1960年代にはSF的な作品を描かれていました。それらの作品群に「宇宙虫」という短編がありま . . . 本文を読む

殺人者の空

2012年01月12日 | SF
 70年代から80年代にかけて、日本のニューウェイブ系のSFを牽引した山野浩一さんの傑作集が創元推理文庫から発売されました。「鳥はいまどこを飛ぶか」、「X電車で行こう」などを高校生の頃読んでいました。1980年代の半ば以降、SFの新作を発表されることは無くなっていました。今、ウィキペディアで山野さんのお名前を検索すると競馬評論家の肩書きで先頭に記載されています。今回の傑作集は70年代以前の作品集で . . . 本文を読む

2010年8月15日 2

2011年07月31日 | SF
(昨日の続き)  あらためて調べてみると、「極冠作戦」も「HE-BEA計画」も初出は、1967年のSFマガジンに掲載された作品でした。両作品とも後にハヤカワSF文庫「本邦東西朝縁起覚書」として1974年に出版されています。この「本邦東西朝縁起覚書」に表題の「2010年8月15日」という短編が収録されていました(初出は1968年雑誌「話の特集」)。小松さんは1931年生まれで終戦時14歳、旧制第一神 . . . 本文を読む

2010年8月15日

2011年07月30日 | SF
 去る26日に、SF作家の小松左京さんが逝去されました(享年80歳)。  私が初めて小松さんの作品を読んだのは、1973年中学1年の時に「復活の日」が最初でした。生物兵器のウィルスが環境に漏出して人類のほとんどが死に絶えるというストーリーでした。後に映画化されたので、SF好き以外の人にも良く知られた作品だと思います。それ以来、高校卒業までの6年間に、SFに限らずエッセーや評論も含めて小松さんの主要 . . . 本文を読む

異星人の郷 上・下

2011年05月14日 | SF
「異星人の郷」 上・下 (創元SF文庫) マイクル・フリン (著), 嶋田 洋一 (翻訳) この本には以下の3つの読み所がありました。   ①13世紀南西ドイツに存在した小さな山村、アイフェルハイム。その山村が中世ヨーロッパを襲ったペスト渦に蹂躙され、住民は村を退去した。ペスト渦が去った後も、住民の再定住は起こらなかった。住環境も良く交通の要所であり、周辺の村には住民の再定住がなされたのに、 . . . 本文を読む