![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/2e/7e867d7133227b1ed5684dd7ce054243.jpg)
前を通る度に気になっていたものの
余りの間口の狭さに
「これほんまに店なんかいな~?」と訝しがり、中に入る事は無かった。
それが先日、船場の老舗を紹介する雑誌で、実は結構有名な鰻の名店
だという事を知り、安心して暖簾をくぐる事とする。
京都ではこの手の「うなぎの寝床」は多いが
大阪では、ここまで間口が狭いのは、それこそ鰻屋でも珍しい。
中の戸を開けると、そこが玄関になっていて
腰が直角に曲がったおばちゃんが迎えてくれる。
ここは予約すると座敷で頂く事も出来るのだが
筆者はいつも通り「おひとり様」なので
有無を言わせず「テーブル席にどうぞ」と言われた
で「え~っと、テーブル席はどこですのん?」と訊いたら
なんと、その玄関先が「テーブル席」であった。
これは正真正銘、玄関先である。
何やら板が渡してあると思ったら、それが「テーブル」らしい。
という事は壁沿いに付いている段差がひょっとして椅子かい?
今の今まで、直角に腰が曲がったおばちゃんが読んでいたであろう夕刊が
その段差に散らばっている。
まあ、「おひとり様」だし文句は言うまい。
とはいえ船場の老舗の鰻屋なので、決して安くない。
一番安い
筆者は 大串 鰻 丼(きも吸い付き) 2,625円
とビールを注文する。
因みに、お座敷に上げてもらう為には最低でも
大串 鰻 丼(きも吸い・季節の果物付き) |
3,150円 |
を食べる必要がある。
筆者が、新聞読みながら、鰻丼が出来上がってくるのを待っている間も
「そのお値段では、お座敷に上がってもらう訳にいかしませんねん」
と慇懃無礼に、お馴染み直角おばちゃんが問い合わせの電話に答えていた。
意外と待たされず出てきた、その大串 鰻 丼(きも吸い付き) 2,625円也がこれ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/31/98e96420f4a3f975cfbbbf311c105db1.jpg)
明治の中頃より大阪で江戸焼の鰻料理を始めて百年以上になります。 |
その間戦争で店舗が焼失しましたが、命より大切な「タレ」は戦災から守り |
現在まで続いております。
なんて自慢のタレはケチってちょっとしか掛かっていない、しかし 旨い、確かに旨い!お腹が減っていた事もあって丼持ってがんがんバクつく。 江戸焼きだが、しっかり「鰻のコク」が残っていて、それが自慢のタレと良く合ってる。 それでいて決してしつこく無いので、大串であってもあっと言う間に平らげてしまった。
味だけなら、同じ船場でビルを構える鰻屋「柴籐」より遥かに上をいく。 今まで筆者が食べた鰻の№1は広島の銀山町にある「柳橋こだに」の鰻重か 東京・銀座で食べた(店名忘れた)うなぎ蒲焼だと思っていたのだが それに堂々並んだかも知れない。 実は筆者は俗に「まむし」と呼ばれる関西風うな丼は余り好きではない。 だから大阪ではなかなか満足いく鰻に出会えなかったのだが (とはいえ大阪でも圧倒的に「江戸焼き うなぎ屋」が多いけど) これはちょっとした驚きである。 老舗独特の一見さんへの冷淡な態度と 「どこが広間やねん?!」とつっこみを入れたくなるテーブル席(広間) さえ我慢出来るのなら、鰻好きの貴方は明日にでも訪れるべきである。
鰻料理 現 長 土日は休みでっせ!
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