【改題】ひとり公論(IT公論)

アラフィフとなりIT土方卒業したのでタイトル変更しました
こちらはどちらかといえば再録中心

多重請負と「越境入学」「住所偽装」(4)

2008-01-17 05:29:32 | IT土方(グレーゾーン派遣について)
「みんながやってること」で見逃されてきたことがどんどん悪と断定される時代だ、ということだ。越境入学もいずれ「悪」と断定される時代がくる。それは、確信を持っている。
だってさ、どう考えてもおかしいもんそれって。

ムカシさ、(ハナシとぶけど)私立大医学部に合格すると、入学金前納しなきゃいけなかったんだよ、1000万ぐらい。で、国公立に合格して、入学辞退すると、そのカネはほとんど返ってこない。 親にとっては、前納金をドブに捨てたところで、国公立に6年通わすほうが結果的にケタ違いに安いから、黙認せざるを得なかった。だって、受験生の親はそういうとき、卑屈なぐらい「弱者」だから。。
コドモを思う気持ちと経済状況で足元を見られて。 これって悪徳だろ?

オイラたちもガキの頃、おかしい仕組みだと思ったよ。でも、この問題は「みんながやってること」でずっと顕在化してこなかった。
でも、顕在化してきたよ、やっと。

大学側も、ヘタな風評立てられたら今大変だから、立場逆転になって、受験生にこびへつらうようになってきた。
風評という点ではインターネットの普及も大きいな。

やっと、ここで、IT土方系の話に戻る。(長かった。。)


で、このギョーカイも、そういうのばっかだよ。多重請負。偽装派遣。古くは、ソフトウェアの違法コピー。それから、個人情報の流出。
オレもやってたよ、バリバリ。いっとくけど、全く悪気なくやっていた。 それに、今は違法だけど、こういうことをしなきゃ仕事にならんかったからな。(それについては以前書いたかな)

多重請負、偽装派遣も、オイラがそれに積極的に手を染めてるわけじゃないけど、その流れに巻き込まれなければカネは入ってこないんだ。 オイラたちIT土方は、そういう違法性にまみれて生きてきたし、これからもそう。
ただただ、生きてゆくためにやっている。

オイラたちはオイラと家族がつつましく生きるためにやってるが、わかっていて手を染めている経営層だの、ブラックなところから参入してくる零細SIerだの、そういうところは、法スレスレのところで「儲ける」ためにやってる。動機がぜんぜん、根本的に違う。

そういう意味でヤツらは「プロ」だけど、そうやっていけしゃーしゃーと「上層部」で背広組としてのさばっているヤツらが駆逐されないと、このギョーカイも、オイラたちが棲息する最底辺層の現場も、変わりゃしない。
このどんよりとした、霞がかかったような雰囲気の中で、末端のサクシュされているオイラたちだけが「主体的に!」「柔軟に!」バッシングを受け続けているのはどう考えてもおかしい。
オイラたちが「主体的に!」「柔軟に!」なることをキラう勢力も一方では間違いなく存在するのだ。

「じゃあどうするのか?」って考えるのはおいらの仕事じゃない。けど、忘れられつつある過去の経緯と事実を伝えることはできる。

幸い、このギョーカイの何かやたらと強大な「カベ」のようなモノ(疲弊し始めた体質?)を打ち破ろうとする勢力が出てきているのは、頼もしい。ぜひ頑張ってほしい。

現場を選ぶ権利を!

2008-01-03 05:23:43 | IT土方(グレーゾーン派遣について)
オイラたちIT土方にも、「現場を選ぶ権利」というのはある。

これに異論を唱える人間はいないだろう、表面上は。
内心は、「オマエらIT土方は奴隷なんだから、どこででもつべこべ言わず働かなくちゃならねんだよ」と思っているヤツはたくさんいるだろうけど。。

そこでセーフティーガードになっているのが、「契約期間」なんだよね。
ムカシはこの契約期間(の短さ)に文句ばっかりいっていたのだが。。
なぜかというと、こちらが長期でやりたいと願っても、先方の予算の関係で、作業契約というのは短期間で刻まれてゆく。

現場の担当者は短期限定と考えていても、実際の契約書では、長くとも3ヶ月契約だ。
それが、黙っていれば自動更新になっていくわけだが。。

ウラを返せば、黙っていなければ、書類上は契約期間満了にて引き上げられるということにもなる。

そこで、「書類上は○月までの契約ですので引き上げたいな、と。。」と1ヶ月前ぐらいに切り出すと、「長期でと考えていたのになんで辞めるんですか!」と文句を言うヤツがいる。

テメーの会社が正式に紙で提示してきた契約期間どおりに辞めるんだよ、わりーかよ。
ということになる。 ハナシは永遠にかみあわない。

これ、重要なハナシですよ。
「長期で考えている」のに、言ってる本人が送ってくるのは3ヶ月契約。
で、言い訳が、「客の予算の都合で。。」ってそんなの知らねーよ。
だったらオイラは3ヶ月でやめてもいいんだな、って、いつの頃からか営業とケンカ腰になっちゃったんだよなあ。

営業の「○○と考えている」なんて、「と考えている」というエクスキューズがある時点でたぶん実現は、ない。

社長になりたい、というヒトたち

2007-12-30 05:49:32 | IT土方(グレーゾーン派遣について)
仕事柄、というか、このギョーカイの零細企業の社長たちとは何十人と会って、ハナシをした。

で、ハナシがはずんだときは、「なんで起業したんですか?」と聞く。

そういうときの答えはおおよそ決まってる。(ぶっちゃけてくれれば、だけど)
「社長になってヒトをハケンしてたほうが儲かるから」
「自分が現場に派遣されてコキ使われて、中間でヌかれるのがバカらしかったから」

この2点に集約される。

つまり何を言いたいかというと、「エンジニアとしての志」とかさ、そういう技術志向的な考えはまったく入ってないんだよ。

ただただ、儲かるからなんだよ。
ヒトは、事務所におかずにハケンさすから、事務所も広いところ借りる必要もないし。

まあでも、一応「エンジニア出身の社長だから、企業にハケンするエンジニアの気持ちはわかってるつもり」とか、一応フォローは入れるわね。
「オレは奴隷売買してるわけじゃない!」という言い訳をどっかで作っておきたいから。


こういうことを、おおっぴらにやってんのがフルキャストであったりグッドウィルであったりするわけだろ。あっちはリアル肉体労働だけどさ。。

でも、あっちのほうが搾取はハゲしい。ロコツにピンハネしてるだろうし。
現代における奴隷売買しているのに、上場できるんだよね。

IT企業でも、奴隷売買でヘラクレスとかに上場している会社はわんさかあるけど。。

そもそもIT土方と肉体労働と何が違うんだ、ってハナシだよ。


ある種「崇高な」(?)目的があって、システムエンジニアという職をやってたヤツは、いないんだろうね。零細のSIerの社長には。

そういうヤツがまともなエンジニアを育てられるわきゃないよね。

そこから巣立ったエンジニアも、のれんわけしてまたハケンを始めるだけだ。

それとさ。。全員じゃないんだけど、零細の社長って多くが、いわゆる「成金ファッション」に身を包んでるんだよなあ。
「ああ、アンタはカネ持ちになってこういうヒトになりたかったのね、わかりやすいよね」って感じの。

このさ、新興のギョーカイでさ、夢を見たかったわけだよね、そういうヒトは。
自分の力だけじゃどうしようもないから、IT土方という「奴隷」を使ってさ。

夢を見る手段として、このギョーカイで「エンジニア」として生きるという選択は、ハナっからなかったんだよ、そういうヒトたちにはね。


。。という意味では、このギョーカイに未来は、逆にあるかもしれんな。

そのうち、零細はどんどんツブれて、淘汰されてゆくだろう。
業務委託と技術者派遣のグレーゾーンも撤廃されていってる。3次請け、4次請けとかは珍しくなってきた。(今でもあるけど)
それは、とてもいいことだ。

そして願わくば、技術者には適正な単価が支払われてほしいものだ。。

「いいヒトいませんか」

2007-12-24 05:13:00 | IT土方(グレーゾーン派遣について)
元請けSIerってさ、オイラたちみたいなフリーとか、零細SIerと直接取引きしないでしょ?
なんか、審査があんだよね。資本金とか売り上げが何億以上とか、従業員何人以上とか。

なんかそれがゴーマンなような気がしてならない、最近。

元請けの人間って、SEマネージャだろうが営業だろうが、常にヒトを探している。
2次請けの営業に合うと「いいヒトいませんか」が挨拶代わりだ。


たとえば、何かしらの希望にピッタリマッチの人材が空いていたとしても、「(上から目線で)ウチは直接契約できないから。。(なんとかしてよ)」といわれる。
そうすると2次請けSIerがその人材とコンタクトをとって、間に会社を(半ばムリヤリ)介在させて契約する。

こういうときリスクをとらざるを得ないのは2次請けのほうだ。

こういう状況に対して、常に言いたいこと(このブログにしつこく書いてる)は。。
「いいヒトいませんか」って、テメーの会社で正社員雇用しろよ! 正社員雇用だとリスクが高いからって期間限定で安易に探すなボケ。
元請けでカネ持ってんだったら、社員で囲えよ!

と、いうことだね。
どうもこの、「いいヒトいませんか」ってのは、バイトを探してんのと同じような感覚なんだよなあ。
「明るい子」「はきはきした子」みたいな。。
オイラたちの扱いなんて、そんなもんだ。

指示の有無

2007-12-23 06:12:59 | IT土方(グレーゾーン派遣について)
業務委託ってホント、グレーだよな。。

委託だから、基本、現場に常駐していてもプロパは「指示」しちゃいけないわけだろ? 指示した瞬間に「派遣」になっちゃうからなあ。

このグレーゾーンに対して誰か明確な回答を出せるんだろうか?

「業務委託だから」という言い訳が、現場を放置プレイの温床にする。「業務委託なんだから、指示なんかなくても主体的に動くのはあたりまえでしょ?」と。

このヘリクツは、ある意味おかしい。なぜかというと、業務委託における納品物定義をまったくやっていないからだ。
SE作業に従事する業務委託の要員全員にそれぞれ個別にこまかく納品物定義をするつもりであれば、そこまでやるっていうんだったら、その理屈も通るかもしれないけどな。

そんなことやりたくないから、とりあえず現場において「指示」するわけでしょ。
普段は放置プレイなのに、先方の都合の良いときだけ「指示に従ってください」といわれる。都合の良いときは派遣契約のようにコマを動かしたい。

そんなのアタリマエの現実。


もっとも問題なのは、業務委託契約なのに「何を委託するのか」を委託者も受託者もよく知らないという事実ね。「詳細は現場での指示で」となる。
実際「納品」するのはこの「身体」だから、身体を提供した証拠として「勤務表」を納品したりして。
それと「週報」とか。

勤務表や週報を「納品」するって、よく考えるとバカみたいだよね。
そういうバカな行動をこのギョーカイはずっとずっと、やり続けてきたわけだ。

「グレーゾーン金利」みたいにさ、いずれ撤廃されるんだろうな。。

雇われマネージャー

2007-12-19 05:57:02 | IT土方(グレーゾーン派遣について)
最近、いろんなインフラ系のプロジェクトで「年寄り」が増えてるような気がすんのね。
具体的には、40歳以上とお見受けするような。。

最近、「そうか!」と今更ながら気づいたんだけどさ。。
零細~中堅SIerで、課長とか部長代理とかの要職にある人間がさ、派遣されてるんだということに気付いた。

そういうヒトがプロマネとかプロマネ補佐とかのオーダを受けて、自ら常駐してるわけ。


それどころか、零細とかベンチャーの社長も、少しでも稼ぎたいからって0.8人月ぐらい現場に出ていたりするよね。
その会社の事務所に残ってるのは奥さんだけ、みたいな。

そんな会社に未来はないだろう。。もう、それは果たして会社といえるのか? と。
だってさあ、その「社長」はそんなことがしたいがために社長になったの?
違うでしょうが。

確かに「社長」のスキルであればそれなりの人月単価はもらえるんだろうけどさ。。 それでいいのかよ、っていう思いは、残るね。


赤を出さないためであれば、要職の人間すら外に出してしまう。自社は空洞化して、下はゼンゼン育っていかない。
そういうギョーカイ構造。

良い悪いでいったらゼッタイ悪い構造だとは思うんだけど、元請SIerとしては安心だわな。下請けの課長や部長代理クラスがきてくれるんだったら。
「責任」という重荷でもって理不尽な要求を出せるから。
ウマいやり方だと思うよ。

そういえば、オイラみたいなフリーのシニアは少ないねえ。。
オイラも果たしていつまでやれるのか。。

お客様はカミサマです

2007-12-06 05:50:25 | IT土方(グレーゾーン派遣について)
やれ偽装派遣がどうの、とか、やれこのギョーカイはプロパのマネージメントがなってねーだの、このブログでグチを言いまくってるわけだけれども。。

オイラなりに、エージェントとか、SIerの営業とかには、ことあるごとに伝え続けてきたつもりなんだ。

もう、かれこれ10年ぐらい。
ペーペーの「小僧」を卒業してこのギョーカイの「制度」そのものに疑問を持ち始めてから、ずっと。


でもね、結局は「お客様はカミサマですから!」(従えよオラァ)ってことなんだよね。

カネを出すヤツらのオーダーに従わなければならない。
カネを出すヤツらが欠陥だらけだってことは、もう自明のこととして考えなければならないわけね。

その構造的欠陥を、個人の立場で指摘したところで改善されはしない。


さらに不思議なことには、「その欠陥を知ってるんだったらアンタが現場で直してくれ」といわれる。末端のエンジニアがやるべき仕事をすりかえられる。

。。そしていつからか、自分のモチベーションは「カネ」オンリーに変わっていったわけだよ。
カネさえもらえりゃいっか、っと。

それは、自然な成り行きだったわけで。

直契約に見せ付ける悪質さ

2007-12-05 05:25:33 | IT土方(グレーゾーン派遣について)
とある、フリーエンジニア向け求職サイトも運営している技術者紹介の某社(以後「A社」)では。。

このA社のやってる求職サイトは、名は秘すけども、特にインフラ系のエンジニアであれば高い確率でブラウズしたことぐらいはあるはずだ。

この会社は、求職サイトを展開しているから、エンジニア側から見ると著名企業のように錯覚されるんだけど、実はぜんぜんそんなことない。

この会社の特徴は、面接のとき直接、常駐予定の大手SIerのマネージャクラスと面接する。
そして、あたかもその大手SIerと直契約であるかのように見せかけて、契約書の契約相手(企業名)には初めて見る無名の仲介の会社が書いてある。

実際、常駐する先ではその仲介の会社の人間として振舞わなければならない。


こういうやりくちを「悪質」という。それが合法かどうか、なんて関係ない。
仲介の会社の存在を、エンジニアは、契約書サインの段階で初めて知るんだよ。面接も進んで、後戻りできない段階で知る。

説明を求めると、
直で、SIerのマネージャクラスとのコネがあるから、二次請け扱いはされない(はず)とか、苦しい言い訳すんだけど、実際投入されてみるとバリバリ二次請けなわけよ。
そりゃそうだ。そもそもこの会社が商流にそぐわない逸脱行為をしてるわけだから。

こういうことはよくあるハナシだし、このギョーカイのいわゆる「民度」なんてこんなもんだ。


大前提として確認しておかなければならないことは、フリーだろうが社員だろうが、エンジニアってのは現在、個人では立場が非常に弱いということだ。
だから、特にフリーは、業務とはまったく関係のないそういう契約部分で神経をすり減らさなければならない。

[IT土方]IT土方は●●と同じ

2007-11-28 05:38:05 | IT土方(グレーゾーン派遣について)
先日飲んだときにふとひらめいたフレーズで、気に入ったんでこれから使おうかと思ってるんだけど。。
「フリーのIT土方は売春婦と同じ」だよね。

IT土方の棲息する世界というのは、結局「人身売買」で成り立ってるっていうのは、以前より書いてるとおりだ。

そしてオイラたちは、喜んで、カネのために身体を供してるわけね。
これが「売春」でなくてなんなんだよ、ってこと。

そして、オイラたちのヒエラルキーも、社会の最底辺に相当近いところにいるんだよ。「業界の」最底辺ではなく「社会の」最底辺ね。


IT土方が、DBとかの技術を身につければ、「SE」と呼ばれたりする。たとえれば、売春婦を卒業して「芸者」になるわけね。
芸者になれば置屋もあるし見番もある、ということだ。サポートがある、ということ。

そして、肉体労働ではなく純粋な技術労働になってくる。

芸者になれば、それをうらやましいと思ってくれるヒトも増える。

[IT土方]中間にヤラれた

2007-11-07 05:38:58 | IT土方(グレーゾーン派遣について)
かつての経験で、現場がイヤんなった原因として、現場そのものではなくて、その中間にホントにイヤなヤツがいた、というのがある。

「中間」ってのは、間でマージンを抜く会社、および、そこに棲息するヤツらのことね。

中間って、小・零細SIerであることがほとんどで、さらに案件によっては孫、曾孫請まであるし、とにかくロクな会社がない。

オイラは、SIerは規模が大きくなればなるほど「やっと」マシになってくる、という持論をもっているし、それは、零細から大規模までいろいろなSIerの人間と接してみての結果、実感である。

特に、「SIer」を名乗ってはいるものの、売り上げのすべてはSEを右から左に売っぱらう「人身売買」によって成り立っている会社はサイアクだし、かつてそういう会社はものすごく多かった。

単にIT土方の人身売買(「奴隷売買」?)のピンハネ率にウマミを感じて参入してきてるだけだし、システムエンジニアリングのなんたるかを知るはずもない、このギョーカイの風上にもおけないヤツらだ。

今は、そういうブラックとは付き合わないようにしているし、法の締め付けもじわじわとキビしくなってきてるから、実際どうなっているのかはわからない。ムカシ付き合いのあった会社は今ツブれてるかもしれないし。(知ったこっちゃない)


とにかく「どんどん淘汰されてくれ!」と旗ふって応援したいぐらいだ。