【改題】ひとり公論(IT公論)

アラフィフとなりIT土方卒業したのでタイトル変更しました
こちらはどちらかといえば再録中心

家事と僕と運用と(2)

2009-06-20 06:02:00 | メルマガ移行
【my格言】
-多くの場合、正しいと思う方向は「損」である。(20090417)

(格言と本文とはほぼ、関係ありません)


前回はこちら
家事と僕と運用と

 
おつかれさまです、龍澤です。

 
(このブログをみていないであろう)家内の家での働きっぷりを見ていると、ホント、ため息が出てきますね。。

うらやましいなあ、と。自分も専業主夫になりたいなあ、と。。

 
たとえば、便利だからとどんどん家電、調理器具、etc、を、買い揃える! 揃える! 揃える!

これらの投資はすべて、(おそらく)「生産性向上」のためなのであろう。
でも、結局それは「自分のため」「自分が楽したいがため」であって、僕ら家族の満足のための生産性向上ではない。(家族は、ビジネスでいうところの「顧客」に該当)

それらの投資により、家内の余暇時間は増えるのかもしれないが、それにより我が家の暮らしの品質が上がっているとは、思えない。余計なモノが増えるし。。
(この高度成長期以降の高度資本主義社会で、家の中にモノが増えてゆくというのは、まったくもって「豊か」とは程遠いですなァ)

 
生産性を上げるために、システム(ひらたくいえば、「機械」)に頼るのも、悪くはないとは思うんだけど。。
その前にまず「カイゼン」だよねェ。。システム化ってのはつまりはカネをかけるってことだよ。
カネをかけて生産性を上げるためには、本来は稟議が必要なんだ。

でも我が家には稟議システムがないからねェ。。 カネをかけなくて済むカイゼンの余地を残しているのが明白なのに。。自分の判断のみで買い揃える! 揃える! 揃えまくる!!
うらやましいなあ。。

 
家内の仕事ぶりを見ていると、昨今の、「顧客満足度優先!」を強いられているエンジニア稼業の「前夜」を見ているようでね。。

ひとつの例。

僕の家内は、「結局」自分の好きなように食事をつくって、ふるまう。

たとえば、僕は、すんごくふつうなスパゲティナポリタンを食べたいのに、それを「オーダー」するとすごくイタリアンっぽい「パスタ」をつくる。

なぜなら、家内は「パスタ」をつくりたいから。
昭和の香りをする、ちょっとのび気味の「スパゲティ」なんかつくりたくないのだろう。
僕は「スパゲティ」こそ食べたいのに。。客のニーズがそっちでも、つくらない。ゆずらない。
顧客のニーズには応えていない。

いや、一応聞いてはいるのだが。。詳細なリサーチはしていない。

なぜなら、リサーチすると、そのとおりつくらなければならないからなんだよね。

どこかに、自由度をもたせたい。
自分のオリジナリティのところで相手を喜ばせたい、と頑なに思ってるだろうね。軽いサプライズを盛り込みつつ。。
それが、僕にとっては余計なんだけど。。

 
自分の好きなものをつくって、それが相手に適切な値段で売れれば幸せ、という幻想を持っている。
だから、「自分の好きなものをつくる」というところを譲らない。
ホントは、そこからして譲らなければならないのにね。

残念ながら、あんまり「ビジネス・シーン」で揉まれたことがないから。。その幻想を捨て切れない。
ビジネスなんて、客が望むものをつくって、売って、なんぼである。

でも家庭でビジネスのハナシを持ち込むと、キレられる。。

 
 
そして家内は、コドモにはなみなみならぬ愛情を注いでいる。
生産性を上げて、余暇をつくってどうするかといえば、それはコドモに注力するためなんだよね。

それにより、家の中でてきとーに家事労働をしてても、「コドモにたっぷりと愛情を注ぐ母親像」を周囲に見せ付けているから、よって、家内の客観評価が下がることはない。

 
なんだか、「前夜」のエンジニアに似てませんか?
エンジニアは、自分のやりたい仕事に没入することによりすべてをないがしろにしても、周り(たとえば、間接部門)に迷惑をかけても、かつては生きてゆけた。。

たとえどんなに身なりがキタナくとも、受け答えがぞんざいでも、そもそも「社会人として」を疑われていても、つくりあげるシステムがそれなりであれば人間性まで問われることはなかった。。

 
 
家内がコドモに過剰といえるほどの愛情を注いでいるがために、その尻拭いは僕がやっている。
家庭における「尻拭い」が僕の家事労働、つまりは僕のスコープ、僕のタスクである。

 
同じようにかつて、エンジニアが自由に仕事をしているウラで、間接業務とか、尻拭いをやってくれていたヒトたちがいたはずなのだ。

現在、エンジニアはそういう、かつて好き勝手やれた時代に支えてくれたヒトたちの逆襲を食らっているのだろうか。。

確かに、古き良き時代のエンジニアたちは、そういうバックのヒトたちに対する感謝は、なかったね。間違いなく。
自分たちの「技術」にゼッタイの自信があったから。。
その「技術」とやらも、今はどうだか。。

もし、つけあがりすぎていたのだとしたら、逆襲を受けるのも当然なのだろう。

 
エンジニアの仕事に「顧客満足度優先!」のビッグ・バンが起きているように、主婦業もこれからものすごいパラダイム・シフトが求められる。いや、そうなってほしい。
そうなるに違いない。。