【改題】ひとり公論(IT公論)

アラフィフとなりIT土方卒業したのでタイトル変更しました
こちらはどちらかといえば再録中心

カネの匂いのしないほうへ

2009-02-14 05:41:00 | メルマガ移行
僕はどうやら、サラリーマンにはなれないらしいけど。。
こんな僕でも、サラリーマンに胸を張って言えることがある。

それはね、つまり。。カネの匂いだけでビジネス上の付き合いをしないというか。。そういうこと。

カネの匂いってのはね、たとえばコイツらは大口の顧客だから態度がデカくてムカつくけど付き合っとかないとなあとかそうじゃないから付き合わないとか、コイツらとは今度で契約が切れるから今付き合いを深めてもしょーがないからとか、そういう選別をしないということ。

サラリーマンのヒトたちは、そういう「選別」(金の匂いのするほう、するほうへ近づいてゆくこと)は仕方のないことだ、と声をそろえて言う。
仕方がないといいながら、言い訳しながら、でもなかば誇らしげに「選別」する。
大手の人間にすりよっていったり、著名な会社の管理職以上の人間と名刺交換したらそれを見せびらかしたりしちゃうとかいうのは、そういうことだ。

 
逆に僕は、カネの匂いがしないほうへふらっといってしまうクセが、あるような気がする。

カネの匂いのしない方向にも、「すげーヤツ」はいる。(カネの匂いのする方向にも、いるけどね)

僕が思うに、このギョーカイのヒトたちはムカシはそうだった。カネの匂いのする方向へは、天邪鬼だから、いかないヒトが多かった。カネじゃなくって、「スキル」や「器」の匂い(これはひとこと「すげーヤツ」というコトバに集約される)を感じてすりよっていく人間がほとんどだった。

 
だが、最近はSEも営業みたいになってしまった。「SEもビジネスを意識せよ」と。。

これは、功罪がある。
SEもバランスだから、あまりに営業チックになってはいけない。でも確かに、あまりに引きこもりでもいけない。
「罪」は、とにかく、みなさん、「スキル」がなくなったよね。。「マッド・サイエンティスト」的な。。
そういうのってゼッタイ必要だと思うんだけどな。人材が、均質化していっている。

  
自分が、カネの匂いに鈍感なままでいれるのは、確かに、サラリーマンじゃないからだ。
ということを、飲みの席とかでさんざん、いわれたことがある。

じゃあオイラはサラリーマンなんかならねーよ、と、ますます依怙地になってしまう自分がいる。

そういう議論をするときに、相手からは悪意を感じる。フリーでラクちんにやってやがんなあ、みたいな。
オトナになれよ、とか、「オレは何億の仕事をもうしてるけど(オマエは?)」とかね。

 
でも僕からしたら、組織に安住しているほうが相当ラクちんだと思うわけね。
そこでの議論はいつも、平行線というか。。 結局、どっちもどっち。どっちもタイヘンなんだよ。

サラリーマンたちも僕も、同じように「ビジネス・シーン」をヒッシでもがきながら泳いでいるのだということ。

 
こんな僕でもなんとかこのギョーカイを生き延びてきている。それなりにつきあいもある。
これからどうなるか、なんて、五分五分でしょう。組織に安住してるヒトたちだっていつクビになるかわからない。会社がツブれるかもしれない。僕もいつ路頭に迷うかわからない。どっちが確率が高いかって、おんなじぐらいだと思うけどねえ。

 
組織のトップにいかない(いけない)ヒトたちも、僕のようにフリーで生きているヒトたちも、結局同じ凡人だから。。
選ばれた人間ではない、という自覚は、強く持っておかなければならない。
自分は組織の歯車、あるいは社会の歯車として生きていく他ないのだ、という自覚を強くもっていればもっているほど、生き残れると思うね。

 
人間的に魅力のある人間とは、カネの匂いがしなくとも付き合いが続く。
なぜ続くかといえば実はそのヒトがすばらしいからなんだけれど、僕もそういうヒトのようになりたいと常に努力をする。

上っ面だけの付き合いは続かない、というかそもそも続ける気はない。

ビジネス的に完全にキれてしまったヒトたちとトモダチ付き合いになったりすることはたまにある。そこからまたビジネスとして復活したことはないけど、また仕事上の付き合いに戻るんじゃないかという予感はある。

人間関係なんてそんなものだと思う。