絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

制作2

2010-02-16 | 画家の独り事
麓原会の講演会で、O先生は、同じ構図では二度と描かないと言われました。

すごいなあと思いました。

それは、この構図ならこれがベストと思える状態まで持っていけるからだろうと思います。

私などは同じ構図でも、もっとこういう方がいいかなとか、いろいろ思うことが出てくるので、何枚か描かないとその構図でのベストまで持っていけません。

また、どれがベストかわからないで、こういうのも良いと思うし、こういうのもあり得るなどといろいろな変化が思いついてしまいます。要するに、答えは一つじゃないということです。

駄目なのもたくさんあるし、正解もたくさんあるように思うのです。

昨夜の10号も4号と6号で描いた田んぼの絵です。大きさを変えてやってみました。
4号は水彩で、6号はアクリルで、10号はまた水彩でした。
比べてみると、それぞれ違いがあります。

気持ちの中では、同じ構図なので同じ絵を少し変化させて描くというつもりですが、描いていると、その都度違った気持ちが湧いてきます。絵を描くということが、絵と会話している気がします。ここをこうするなら、他の部分はこうなるというような、関係が出て来ます。

ここがこうなるなら、こちらはこうだなとか。その変化は場合分けをするなら、無限にあるんじゃないかなと思います。だから、同じ構図でも答えは無限のように思うのです。

ーーーー
麓原会に、風景を描かせたら日本一上手いと思われるM先生がいました。
その先生の描いている筆さばきは、とにかく気がきいていてかっこいいです。
しかし、その筆さばきをもう一度やってみてくださいと言えば、全く同じには二度とできないでしょう。似たようなものはいくらでも描けて、しかも常に気がきいていてかっこいい筆さばきになりますが、寸分狂わず同じものというのは作れないのです。

それを考えると、同じ構図でも描くたびに違ってくる。だから、答えが無限にあると思うのです。



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