1995年1月17日、阪神淡路大震災が発生し、
6.434名もの尊い命が犠牲となりました。
被災された飼い主さんの壮絶な体験をご紹介します。
家具の下敷きになって愛犬1頭が即死、自宅は焼失、自転車を
30時間漕いで、負傷したもう一頭のため必死に病院を探し……
地震発生後、ある飼い主さんが元気な老犬を動物病院に連れて行き、
安楽死させようとしているニュースを見ました。
すぐにテレビ局に電話し、引き取りに行きたいと申し出ましたが、
翌日、カメラマンから電話をいただき、残念ながら、犬は安楽死処置を
施されたとのこと。「飼い主さんは突然の被災で呆然としていて、
ペットをどうすればよいのかわからない様子だった」と聞きました。
本当にその言葉どおりだったのでしょう。
震災から数日後に被災動物の救援活動も始まりましたが、
飼われていた犬およそ4.300頭、猫5.000頭が死亡したと発表されています。
2004年に起きた新潟県中越地震では、避難所に入れなかったペットの
飼い主が車中泊をし、エコノミークラス症候群で亡くなりました。
車中泊をした一般避難者14名がエコノミークラス症候群で入院し、
この内7名が亡くなっています。
2011年3月の東日本大震災では、自宅に置いてきたペットを連れに戻って
津波に流されてしまったり、原発災害で連れて逃げられずに餓死した
ペットや家畜が沢山いました。
放射能汚染のリスクを知りつつ警戒区域に入って保護しようとしたボランティア。
放たれて野生化した犬たちは群れをなして放浪し、捕獲は困難を極め、
猫も野生化して大繁殖しました。
(警戒区域で保護された犬)
(避難した飼い主の帰宅を待つ犬)
そして、災害が起きる度、ペットがいるから避難所へは行けない、と
危険な家にとどまり続ける人々もーー多くは高齢者ーー報道されてきました。
SNSの普及もあって、動物愛護の意識が高まり、
ペットは家族の一員と考える人も増えました。
過去の災害時にペットと一緒に避難できずに亡くなった方々、
同行避難を許されずに悲惨な死を遂げたペットたちの実態を受けとめ、
環境省は本格的に同行避難の取り組みに乗り出すようになりました。
(福島県・保護動物シェルター開設時)
なぜ同行避難が必要か?
災害から一人でも多くの命を守るためです。
👉ペットを飼っている高齢者も多く、同行避難は災害弱者の救援という
視点からも考える必要があります。
さらに、放浪動物による咬傷事故や人畜共通感染症など、公衆衛生上の観点からも
飼い主がペットを手もとで管理することが重要です。
③震災救援所でのペット飼育・その1 につづきます。
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