運命と出会う瞬間

映画・小説・音楽・・なんでもありの気ままな感想

ヤマト

2010年12月15日 01時24分34秒 | Weblog
いつも行く映画館が1000円デーなのを思い出して
帰りがけに寄ってみたが
しかし、あまり食指が向かないものばかり。
とりあえず、「ノルウェイの森」でも観ておくか、と思ったら満員。

で、見渡して、自嘲しながら「宇宙船艦ヤマト」に。
思っていたよりはずっとよくできていたが
やっぱりアニメだなあ、実写だけど。
この感じ、この感じ、何かに似ている
何か・・・あ、小学生のときに観た、サイボーグ009の漫画映画だ。
009がドキドキするくらい素敵で、幼心にしばらく恋をしていたっけ。
そのくらい、キムタクの素敵振りも現実離れしていたし
ストーリーにいたっては、あまりにも正功法だ。
泣くためにつくってある見せ場も泣けなかった。
すでにあるキャラクターだから、それを演じてしまうのだろう。
それぞれに、そういう意味ではぴったりでよく演じていたんだけど
なんというか、もうちょっと、複雑な機微というか、葛藤というか
人としての匂いがシンプルすぎる。

キムタクはたくましかった。顔の甘さとは裏腹の男気
家族を守るタイプの男の中の男なのは役のせいだけではない素地を感じさせたのはよかった。
華がありすぎるああいう人は、こういう非現実のキャラクターが似合う。
ジョニー・ディップのスパロウ船長みたいにね。

緒方直人の秀逸さは、いるところが違うくらいだった。
熱演がもったいないような気の毒のようなつくりのなかでの好演だった。


でも、最後の最後
キムタクのコダイくんが、独りでヤマトにのって体当たりして玉砕していくシーンでは
その操縦かんを握るシーン、敬礼のシーンでは
きゅうに泣けてしまった。
それは、目の前にスクリーンの中のドラマにではなく
たくさんの英霊たち
国を思い、家族を思い、自らの命を差し出していった多くの
かつての人々の想いが、押し寄せ、重なったからだった。

ヤマト。ヤマト。ヤマト・・そう思って、死んでいった方たちに
私たちはいただいたもので今を生きている
そのことだけは
もっともっと本当に認識して感謝して、大切にしなければ。
いただいたいのち、いただいた国、いただいた地球なんだってこと。
繋がり続けているってこと。
覚えていたい。かけがえのないいまの自分たちを大事にしながら。


カラフル

2010年12月09日 01時01分03秒 | Weblog
知人の演出で、森絵都原作の「カラフル」上演中、を観て来た。
もちろん、若い出演陣、だけど、よかった。

あの作品を、電車の車中のバリエーションを巧みに用いて滑らか展開して二時間に凝縮した脚本も秀逸だった。
そして、主役の真を演じた15歳の井之脇海君のかもしだすキラキラ、若者の、もろいけれど強い輝き。
他者の傷にも共感できるようになり、ホームステイである人生の貴重さにめざめていくこの二時間をすがすがしく演じきった。

目の前の矛盾に心を奪われて広大な人生にいることを忘れそうな
10代という
あの替わり様のない時を、いま、渦中で生きている子供達に、観て貰いたい。
舞台を見つめながら切に願った。

佐野唱子役も、目の表情、とがらせた口元、はまり役だった。

暗転の間に流れるヴァイオリンの曲があまりにもせつなくてやるせなくて良いので
終わってから、既存の曲なのか尋ねたところ
なんと、ずっと観たいと、前売り券を買ったまま観ることのできずにいる「シングルマン」の挿入曲なのだそうだ。
となれば、なんとしても、あと二日のうちに駆け込まなければ一生後悔するだろうけれど、時間が・・・。

気がつけば、素晴らしい作品はちゃんと創られ続けているのだなあ




トリドリ!

2010年12月09日 00時10分53秒 | Weblog
待望!
大橋トリオの新譜はなんとCDサイズの絵本付。
ただの付録ではなく、「トリドリ」の中に流れる人生観は、ちょっと涙。

そして、もちろん、ミュージックは、期待を裏切らず。
ああ、どうして、この人はこんなメロディーを持っているのだろうと
そう思って、泣けてしまう。
そんな曲を聴ける幸せ。

声も理想の声です。

「無限に続いていく光
 誰かを見守るように
 広い草原に君は独り佇んで
 誰かを待つように
 いま
 少しずつ
 身体ほぐれていく・・・」

今回は、しかも
天然、手作りのおいしいお豆腐を買いに行き
偶然みつけた武蔵小山のナイスなコレクションのCDショップ限定の
オリジナル特典ももらえてしまった。
神様、アリガトウ。

 「いままで起こったことが全て
  私を作った材料だから
  ほんとうの私はいま
  もう一度生まれてくる
  この場所で・・」

          ー「生まれた日」ー