今回の全世界に拡散したコロナ影響で、国際社会のこれからについては、さらに混乱し、無秩序状態に陥ってゆくだろうと予想する。
保護主義、排外主義、ポピュリズムが亢進して、穏健な民主主義は衰退し、独裁的な指導者たちが強権的な政治を行うようになる。
トランプのアメリカが世界秩序を担う仕事を放棄した後、アメリカに代わって世界秩序のオルタナティブを提示できる国も政治的リーダーも見当たらない。
中国にはまだアメリカに取って代わるだけの国力がないし、その気もない。そもそも、いまの中国の権威主義的な統治システムは、世界のロールモデルにまるでなり得ない。特殊な共産社会主義国だ。
昨年来からの米中の貿易戦争がどこで鎮静するのか、今回のウィルス騒動が大きな火種になりそうだ。この二大大国のチキンレースに加えて経済低迷の波は、世界経済がさらに混乱することになるだろうと誰も予測がつかない。
特にトランプ大統領が予測に反する行動をとることを、彼ご自慢の「ディール」の得意技としている、国内外の批判は全て「フェイク」ニュースだと相手にしない以上、アメリカの振る舞いを予測し制御することは本当に困難だ。
はっきりとわかっているのは、二大超大国である米中も、EUもロシアもどこの国も地域も、国際社会に対して強い指南力を発揮しうるグローバルヴィジョンを提示する能力がないということである。
海図なき航海というと詩的だけれど、要するにどうなるかお先真っ暗ということである。もう何が起きても驚かないで冷静に受け止めるしかない。