日本全国ほんとうに暑い。浜松で41.1°Cで観測史上1位タイだなんてどうなってるんだ。日陰での測定値だからこれは本当に危ない気温だ。
外やエアコンのない室内で何かしてはいけない状況だ。セミがアスファルトのあちこちに落ちて無残な死骸となっている。せめて土に還ってほしい。可哀想な姿に胸が痛む。
将棋の渡辺明棋士がプロデビューから20年過ぎて36歳で将棋界の最高位タイトル名人位を初獲得した。これは史上4番目の遅さだそうである。
この20年、現役棋士の中では実績も実力もトップ中のトップであるのに、名人戦だけは縁がなかった。挑戦すら今回が初めてである。不思議だ、実力だけでは計れない巡り合わせの運という見えない要素があるのだろうか。
世の中のあらゆる人間活動において、最も力を発揮するピークというものが必ずあるみたいだ。そのピークは人それぞれで、スポーツの場合は大抵若くして訪れる。
将棋の世界も20代から30代にかけてがそれだと言われている。羽生善治先生が7冠全制覇したのも26歳の時。体力と知力が無限のごとく溢れ出すのがその年齢の時なのだろうか。
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研究活動も将棋と似てる側面が沢山あって終わりがない。いつまで続けるのかは自分が決めること。40代でスパッと見切りをつける人もいれば、稀であるが70代、80代まで生きてる限り研究活動に携わる人もいる。
国立大学も独立行政法人化されて、研究成果や実績がアピールできないと国から配布される予算が削られる。それが一年毎に査定される。そのために研究活動以外の書類作成に膨大な時間が費やされる。
成果アピールのためにまだ未完成テーマの論文をやたらと書く文系研究者もいる。論文は感想文じゃないんだから、テーマに対する仮説と検証をきちんと裏付けや証明が出来ていないと書いてはいけない。
日本で理数系の2桁に及ぶノーベル賞研究者の活動を見ればよくわかる。彼らは誰一人として国や個人の利益のために研究活動をしていない。先ずは自分の知的好奇心がほぼ全てで、単純に純粋に研究対象が好きでたまらない人々である。
真理の探究に明け暮れて、その基礎研究理論が正しい事を、証明して、大企業の研究所に応用されて世界規模で役立ったという結果である。つまらない成果のための研究にはおのずと限界がある。
将棋の研鑽、研究には勝負の勝ち負けに直結するから、大学の基礎研究よりはるかにシビアである。刻々と目の前の勝負の結果が出るというのは凄いプレッシャーだと思う。