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モウリーニョFA杯決勝展望会見 その4
JM: (試合においては)いつも願うことは一つ(*)なのに、いつもいろいろ問題がおきて、たまに手に負えなくなることもあります。
決勝戦なんですからみんなに責任があります。いいですか、全員にですよ。スタンドで観戦するお客さんは自分たちのするべきことをすると信じてます。すなわち応援しているチームを応援することです。お客さんが試合を楽しみ、試合の雰囲気を楽しんでくれれば、観衆によって問題が生じることはないでしょう(**)。お客さんには試合を楽しんでもらいたいんです。
チェルシーとマンUのサポーターに割り当てられたチケットが少なかったのは残念ですが、しょうがないです。それで問題が起きることもないでしょう。
試合中の90分間は僕たちに責任があります。つまり、監督と選手と主審と線審にです。いいですか、我々全員ですよ。すばらしい試合にするためにチーム側は努力してあらゆることをやって臨むわけですからね。だから試合中は(審判含め)責任ある態度でやらなくてはいけません。これが僕の言いたいことなんです。もし決勝がいい試合じゃなかったり公正なものでなかったりしたら僕はものすごくがっかりしますね。僕が望むのはこういう試合です。問題が起きなくて、すばらしいゴールが決まって、敗者には誇りがある。(頭を垂れない)いやもちろん僕は勝ちたいですよ。
マン・ユナイテッドも優勝したいだろうし、両者ともそう思っているんです。でも僕が思うにチェルシーはある種の高度のレベルの予習を行ってきましたからね。プレミアの王座を失うという高い代償のついたレッスンだったんですが。シーズン中チェルシーはゲームに勝つためにあらゆる手立てをつくしてきました。最後まであきらめずに決勝点を挙げてきました。そのように笛が吹かれる最後の瞬間まで戦ってきました。たとえ引き分けでも負けてしまっても。
だからこのようなビッグ・ゲームでもそういう展開になるのは間違いありません。試合は正しく行われるべきです。選手たちのうちの何人かがダイブしたり、レッドカードを相手チームに出させようと審判に抗議したりといったことが起こったら僕は非常にがっかりするでしょうね。ほんとにがっかりだよ!って。主審のベネットさんは経験も豊富ですし、今シーズンは控えめに思慮のある態度をとってこられたと思います。僕が思うに審判は目立たないのが一番。試合を見てて審判が誰だったか思い出せないってことは審判がすばらしかったってことなんですよ。ベネットさんはシーズン中ずっと目立たなかった。そして主審もこのFA決勝の笛を吹くにあたって、監督や選手の協力を求めています。この一大行事に協力は惜しみませんよ。
Q:
JM: マンチェスター・ユナイテッドはとてもいいチームですから、両者の差はあまりありません。それにいつもは弱いチームでもFA杯のような舞台に出るとがんばります。例えば準決勝であたったブラックバーンですが、チェルシーは勝ちましたが彼らにも勝つチャンスは充分ありました。
肝心なことはこういうことです。我々チェルシーの選手でFA杯の決勝を経験している人間がほとんどいないってことです。幾人か入るんですが…ジョン・テリーとかね。ドログバはどうだったかわかりません。アシュリー・コールは経験済みですがアーセナルにいた頃なんでね。FA杯は現在のチェルシーの選手たちが獲得していない唯一のタイトルなんです。
決勝はとても特別なものになるでしょうね。なにしろ新しいウェンブリー・スタジアムでの最初のFA杯決勝なんですから。これがどんなに大きい意味を持つことか僕にはわかっています。僕は英国人ではありませんがそれでも僕にも大きな意味があることなんです。最初にサッカーに取りつかれた若い頃を思い出します。僕は自分が監督として関わった試合では必ず優勝していますが、FA杯はまだ優勝してない数少ないタイトルのうちの一つなんです。選手だってこのビッグ・ゲームに対する意気込みは私と変わらないはずです。
* … フェアなゲームってこと?
** … 暗にアンフィールドの不利なあの雰囲気のことを指しているのか。本人は敗戦会見で気丈に否定していたが。
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