逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

「正しい」には、正しいのだが、遅すぎる「STAP特許詐欺」のお粗末

2014年08月12日 | 社会

『科学とは、「間違い」の自己修正過程のことである』

余り新しすぎる斬新なアイデアに飛びつくのは科学の場合には大失敗の元。(珍しい特殊な出来事だと思っても大概は今までの既存の理論内で説明が付く範囲の『普通の話』が大部分)
今まで『笹井氏ほどの大科学者がSTAPが有ると言うから有るのだ』との能天気なお馬鹿発言を繰り返していた大槻義彦早稲田大名誉教授が、笹井芳樹自殺の報道で君子豹変。
科学の学説とは『間違いの連続だ』と言い出した。
大槻さんは根が善良な人間であり、まことに正直なので実に愉快である。時間はかかったが、紆余曲折の末にやっと真実に辿りついたのでしょう。
ブログ『大槻義彦の叫び』の記事を紹介すると、
『STAP細胞、笹井博士を抹殺してしまったのは誰』
それは日本の異常なマスコミと世論だ。科学の世界にこのような異常、異様なバッシングは許されない。
そのおかげで人類は世界有数の再生医療のリーダー、ノーベル賞候補を失った。断腸の思いである。
 およそ、通常の科学論文には誤りはつきものである。いやいやもっとはっきり言えば誤り、誤解、または無価値な論文が多数を占めるのだ。
 このような宿命は今に始まったコトではない。たとえばニュートンが万有引力を発見した後、『その万有引力は真空の宇宙空間をどのように伝わるのか』ということが最大の疑問であった。今ですらこのことは十分わかっているとは言えない。
 ところがこの問題に取り組んで『万有引力はこうして伝わる』という論文が出始めた。ヨーロッパ、とくにイギリスを中心のこの問題を取り上げた論文が100篇以上ののぼった。すべて誤りだった。
 このような誤りは世論や週刊誌で叩かれることもなく、ましてその著者が研究施設からクビになることもなかった。
実際にはこのような誤りを土台にしてアインシュタインの一般相対性理論が構築されてゆく。
 科学の世界では『誤りも進歩の歩み』になりうるのだ。
 もう一つ。もっと新しい例をあげよう。それはあの超伝導現象である。絶対零度近くで電気抵抗が0になるという現象がオンネスによって発見されてからその原因となる理論的研究が何十年も続いた。
 この間『超伝導の謎を解明した』という論文が500篇以上も発表された。すべて誤りか不十分であった。そしてついにBCSの理論で決着がついた。そこでこの500篇以上の論文の著者が新聞や週刊誌、NHKなどに叩かれ、身分をはく奪され、スキャンダルまで報道されたか?!
 ノー!!ノー!!実際には誤りであった論文もその後のBCSの理論の土台となった。まして誤りの論文を書いた著者が自殺に追い込まれたことも聞かない。
 科学や教育の分野では誤りは許される。処分の対象にはならない。生徒が誤って答案を書くのは当たり前。科学者が誤った論文を書くのも当たり前。この誤りから進歩がある。
 このことは一般社会での仕事上の誤りとはまったく違う。
笹井博士が小保方さんの作ったSTAP細胞の画像の解釈を誤ったとしても、処分の対象になどならない。まして週刊誌やNHKが個人的スキャンダルめいた批判までするのは行き過ぎであり、不幸なことだ。
 STAP細胞はウソだった可能性が高い。
それでも小保方さんがこれを故意にでっち上げたという証拠がない限り、単に膨大な数の誤った論文の一つにすべきである。そのときには処分などもってのほかである。
 このような科学の進歩の現実に反するおかしな議論は、何と分子生物学会などにも広がっている。これについては改めて批判する。
(2014-08-10)
今まで色々批判してきたが今回は『大槻義彦の叫び』に全面的に同意です。目を見張るような素晴らしい主張である。
『科学』とは、一見似ているが学校の理科(教育)とは大違いで、『正しい』確定した論説のことでは無くて、『間違い』の自己修正過程のことだっだのである。
本来なら『STAP細胞の有る無し』は関係者以外は些細な話である。
大悪党小悪党が跳梁跋扈する魑魅魍魎の世界である汚い政治のプロパガンダ論を扱う『逝きし世の面影』が取上げるような主題ではない。
今回の大槻さんの『科学の学説とは間違いの連続だ』は素晴らしい主張なのですが、半年前のSTAP騒動の発生時に発表していればもっと素晴らしかった。正しいには、正しいのだが、・・・死んでからでは遅すぎて何の役にも立たないのである。

『死臭が充満する安倍政権』安倍の晋三 怖くは無いが 安晋会は恐ろしい

『下手を売れば殺される』。
笹井さんの自殺ですが、あれは世界には例が無い日本独自の恐ろしい風習『ハラキリ』ですね。外国では政治的な不祥事の隠蔽工作は暗殺と相場が決まっているが我が日本国の解決方法はハラキリなのです。
奇習中の奇習『ハラキリ』ですが自殺のようで自殺では無い。処刑のようで処刑では無い。
しかし、外国の暗殺と日本国のハラキリは同じ意味を持っている。日本では最後はハラキリで不始末にけりを付けるのですから恐ろしい。
笹井氏ですが、科学者としては例外的に政治折衝が出来る人材だったのが不幸の始まりだった。
朝鮮のヤンパンが文系優先で武官など理系は下位に置かれるが、日本も同じで文系が優先される。官僚だけではなく政治家も同じで、理系出身といえば鳩山由紀夫とか管直人など評判が悪い。
昔の理系的な発想をした武将といえば織田信長が筆頭でしょう。理系の合理的な発想の真田幸村などは天才的なアイデアで戦闘では勝てるが全体では負けて悲惨な最後をとげている。
この理系人間の持っている欠点が笹井氏にもすべて当て嵌まるのです。
彼等の欠点とは、世の中が自分と同じような合理的な判断をすると勘違いするところでしょう。ところが政治では卑劣な愚か者同士の詐欺やペテン、騙し合いが基本だった。この恐怖の事実(世の中の真実)が見えていないのですから、最後は非業の死をとげるのはある意味仕方が無いのです。
STAP細胞事件ですが、何より下村文科大臣、山本一太科学技術担当大臣などの政治介入が疑われる。
そもそもノーベル賞を取ったiPS細胞の山中伸弥の論文発表など、大手マスコミはベタ記事しか書かないのです。(大きく報道したのはノーベル賞を取った後からだった)
今回はSTAP細胞が本物だと思った愚かな自民党(安倍晋三)政府が介入したから日本中のマスコミが異様に大きく報道し大騒ぎに発展した。
そもそもが安倍政権の勘違いから出発している。
STAPの存在を信じた自民党政府のお馬鹿な下村文科大臣、山本一太科学技術担当大臣の判断が間違っていたのですが、死臭に満ちた第一次安倍政権では良くあったように、第二次安倍内閣でも矢張り良くある手段の『ハラキリ』で解決してしまったのである。

『産経新聞 8月12日(火)では、』

産経新聞は12日、『理研、笹井氏異変を10日前に把握 辞任認めず対応遅れ「速やかに検証する」』との長いタイトルの記事で、
『複数の関係者によると、笹井氏の精神状態が極端に悪化したのは7月下旬。主宰する研究室で科学的な議論ができなくなり、研究員が「ディスカッションが成立しない」と25日、竹市雅俊センター長に通報した。竹市氏はセンターの健康管理室に相談。「医師の受診を勧めてほしい」との回答を受け、笹井氏の家族らと対応を話し合っていた直後に悲劇が起きた。』
と書いているが、『会話が成り立たない』の部分は今までにも報道されていた。強力な抗精神薬が投与されていたのであろう。(抗欝剤の投与次第では自殺が心配され非常に危険)
産経記事は続けて、『理研は笹井氏の実質的な後任として、26日付で斎藤茂和神戸事業所長を副センター長に起用。しかし、笹井氏の役職は解かず、斎藤氏の人事も正式に公表しなかった。』と書いているが、これは初耳である。
笹井氏の3月の自主的な辞任を認めず留任させながら、7月26日に笹井氏を実質的に首にして後任人事を決めていた理研の責任は限りなく重い。
(自殺は8月5日でフクシマの『核燃料が全量落下』の驚愕発表の前日だったので、マスコミでは笹井自殺を大きく取上げ福島第一原発の危機にはふれなかった)

『孫崎享と田中宇、「正しい」には、正しいのだが、・・・』

元外務省情報局長の孫崎 享や元通信社記者の田中 宇はフリーの解説者になって一見すると左翼的な国際情勢や政治情勢を説明している。この2人ですが実に良く似ている。
孫崎享と田中宇の主張ですが少しも間違っておらず『正しい』には、正しいのです。その主張の9割以上は左翼と同じなので(自分たちの味方だと勘違いした)左翼には絶大な信用を得ているのですが、何故か根本的な部分で可笑しいのです。
いま日中両国の最大の懸案は尖閣問題なのですが孫崎享は自分の著書の中には確かに小渕書簡とか日中漁業協定が書いてあるが、毎日何回も書き込んでいるツイッターでは一切触れないで秘密にしている。尖閣ですが日本のネオコン政治家が引き起こした意味不明の自作自演の御粗末な大騒動なのです。
尖閣での日中激突と同じことがSTAP騒動にも言えて極限まで右傾化した日本の政治家による意味不明の御粗末な大騒動なのです。(政治介入なくしてマスコミの度外れた騒動もない)
だからかも知れないが孫崎享と田中宇の2人はこれだけの大騒動に発展しても一切沈黙して何も語らないでいる。
(政治の裏表が判らない無邪気な大槻義彦とは違い、政治常識を知っている孫崎享や田中宇にとって、STAPを取上げて政治介入を無視したのでは基本的に話にならないので取上げられない)

『アベノミクスの終焉、貿易収支に続き経常収支も赤字に転落』

理研のエースだった笹井芳樹の自殺は海外でも大々的に報じられているが、記事に添付されているのが今年1月理研の野依とiPS細胞の山中というノーベル賞受賞学者2人の前で笹井副センター長が安倍首相にSTAP細胞を説明している写真だった。
海外投資家にとって、STAP細胞の笹井芳樹の自殺とは『アベノミクスは大失敗だった』との印象を与える結果になっている。
8日オバマ大統領がイラクへの限定空爆を発表するとニューヨーク市場では株価が高騰した。(ただし、金利は上昇し経済危機は深刻になっている)ところが日本は暴落15000円を割り込んだ。
日本の場合はアベノミクスの円安効果で貿易赤字は常態化していたが、投資の配当など海外からの送金を含めた収支決算全体(経常収支)では黒字だった。
ところが去年2013年下半期はとうとう経常収支が赤字に転落していた。(通年では黒字)そして8日発表の財務省国際収支統計では今年上半期でも13年下半期とあわせて2期連続赤字転落してしまう。
アベノミクスで浮かれていたのも昔話になり、もはや通年での経常収支の赤字転落も目の前なのですから株価の暴落は当然だったのである。
この株価15000割れに対して安倍政権は、運用資金が百数十兆円の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の株式運用の上限撤廃という掟破り荒業で8日の下落分(-454円)を買い支えている。(博打の損失の穴埋めに日本国民が一生懸命積み立てていた年金を使うなど外道の極みである)

『科学に対する根本的な誤解』

STAP細胞の論文ですがマスコミ報道では一番最初から学校で習う理科と最先端科学とが混同されていた。マスコミ全員が『科学』の何たるかを理解出来ていないのですから、絶句するしかない。
疑惑が発覚して小保方博士は自分の未熟さ至らなさを何度も何度も謝罪して涙まで流しているが、落ちこぼれ女子高生のレベルで恥ずかしい。
ところが同時に『自分は正しい』と主張しているのですよ。
この大馬鹿者が。最先端科学の世界では、『私が正しい』の主張の意味するものは、自働的に、『お前たち全員が間違っているのだ』(今までが間違っていたのだ)とのオルタナティブな主張なのである。
ところが疑惑が発覚した直後から小保方博士は病院に逃げ込んでいる。これは一昔前の政治家が不祥事の発覚した時と同じ態度。笹井氏も全く同じで3月一杯入院していことが、今頃になって発覚する。笹井芳樹は、この時点で自分の大失敗に気が付いたのでしょう。
誰も彼も、科学の根本を理解出来ないとは情けなさ過ぎる。そもそも、最先端を走る(新しい学説を唱える)科学者の『私は正しい』とは、今までの権威を否定するトンデモナク傲慢な上から目線の超強硬な発言なのである。
理研のネイチャー論文がマスコミで取上げられた時に小保方自身が語っているように、『生物学の数百年の成果を愚弄する』との、今までの科学の常識の下克上の話なのである。
だから大問題なのです。胸を張って『私が正しい』(お前たち全員が間違っている)と主張して、同時に未熟だったと謝罪されても自家撞着で意味不明。気持ちが悪いだけで、科学を冒涜する態度が腹がたつのです。
今回は全員が、この学校の『理科』(教育)と、唯一の普遍性を持つ『科学』との違いが理解出来ていない。
科学者どころか、全員が素人以下なのですが、もちろん原因は特許利権を無理やり隠しているからですね。
STAPの大騒動自体は何の不思議も無かったのです。嘉門達夫 の『あったらコワイセレナーデ』にでてくる包丁のつかみ取りとか、時速300キロで回る回転寿司とか、舌を入れてくる缶コーラ以上に、小保方博士のSTAP細胞は存在しない。これは良くある特許詐欺でしょう。

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