ミャンマー・カレン州の小学校で集団入院騒動。その水は・・・
- 現場はミャンマー・カレン州のTayattaw Village middle school in Kawkareik Township’s Kyone Doe。
- 生徒299人に、近くの池の水をバケツで運んで提供。
- その水を飲んだところ、生徒がめまいや嘔吐症状が出現し、病院2か所に運ばれ(70例+62例)入院となった。死亡例はなく、多くは24時間以内に退院できる見込み。
- 近隣住民によれば、この池は最近、魚を殺したり気絶させたるための化学物質で汚染されていたとする証言も(contaminated with chemicals used to kill or stun fish.)
- 警察官は「まだ事件化はしていない。まず池の水を保健当局を通じてヤンゴンの検査機関に送っている。結果がでてから、上からの指示にもとづいて処理する」と。
- Mon National Partyは議員を病院に送り込んだ。
ミャンマー。管理人がここ3年ほど通っている国ですが、不思議の国っぷりをここでも発揮。渡航医学的教訓もいろいろ出てきます。
- 途上国では公共機関においても水道の無いところはある。出された水は「近くの池からバケツで運んできた水」かもしれないのでそのつもりで。
- 途上国では、「魚を殺したり気絶させたりするために化学物質を放り込む」という不思議なことが行なわれることがある。むやみに泳いだりしない方がよい。
- (これは日本でも?)警察は上からの指示待ちでボケーッっと何もしないことがある。
先日のヤンゴン訪問でも、複数の邦人の方から、「野菜の農薬で下痢をした」との証言を得ています。つい昨年まで市場でブロッコリーを買うと虫食いだらけだったのに、今年になって、きれいに穴ひとつ無くなったとも。中国から農薬が大量に入ってくる上、その説明書が中国語オンリーなので、それが読めないミャンマー農民が薄め方わからず、とんでもない濃度になるのだという説をとなえる人もいました(真偽は不明であると付け加えておきます)。渡航医学のテキストにおいて、traveller's diarrheaの原因として、病原体・硬水・香辛料・疲労・ストレス等々と並んで「農薬」「化学物質」も正式に付け加えた方が良さそうです。