新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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豚由来H3N2が欧州で報告されんのはサーベイランス能力足らんからだ!(ECDC)

2011-12-15 22:45:42 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

ここのところ米国で話題の豚由来H3N2(trH3N2)。今のところEUでは報告されていません。これは、EUの獣医系サーベイランス能力が足りんからじゃ!とECDC。

  • trH3N2ヒト感染の報告例は米国で11例になる。
  • 他方、EUにおいて、豚からこれらのウイルスはまだ検出されていない。これはEUにおいて動物分野のサーベイランス能力が弱いせいである("weak veterinary surveillance for influenza throughout the EU." )
  • EUでは、あたらしいA型ウイルスを見つけ出す能力はある。しかしそのサブタイプを同定する能力は限定的である(that Europe has good capacity to detect the novel virus as influenza A viruses but has "restricted capability to subtype these viruses)。
  • したがって、標本はすべて、UKのWHOコラボレーティングセンターに送られるべきである。

 経済分野で何かと軋んでいる昨今のEUですが、豚由来インフルエンザの標本検査は(ギリシャやポルトガルは能力に?マークつけられてるから)UKに送れとばかりな言い方ですね。

 そういえば、このtrH3N2の話、日本国内でも聞きません。「日本の豚でtrH3N2が報告されないのは、獣医分野でサーベイランス能力が足らないからである」と厚労省か感染研がブチ上げて、農水省がブチ切れて霞が関大戦争・・・想像の世界だけにしておきましょう(笑)

ソースはECDC↓
http://ecdc.europa.eu/en/publications/Publications/111213_TER_swine-origin_viruses_in_north_america.pdf


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