感染症流行に限らず、災害におけるソーシャルメディアの役割についてNEJMのperspectiveから。
- ソーシャルメディア、たとえば、speak-to-tweet(ツイッターメッセージを声で送れる)2011年エジプトで活躍し、2010年ハイチ地震ではUshahidiが活躍した。
- 09年H1N1のパンデミックでは、バージニア州アレキサンドリアの当局が、ワクチン接種可能場所をツイッターで流した途端、数分後には人々が集まった。
- 新しいソーシャルメディアを使いこなせば、医療・公衆衛生関係者は災害においてより良い仕事ができるようになる。
- 公衆衛生緊急システムが有効に機能するか否かは、準備状況に気が配られているか、日常ストレスや災害への反応、回復へのレジリアンスなどによる。
- フェイスブックは個人・コミュニティ・当局が緊急時計画を共有しネットワーク構築するのに有用である。
- 1995年シカゴ熱波において、ウェブによるバディシステムで、危険群の人々に医療的注目を向けるという効果も認められた。
- これらのメディアは、日常ベースリアルタイムの情報を提供することにより、コミュニティの結束を強め市民の災害に対する備えを促進する効果をもつ。たとえば、RSSやツイッターで病院の待ち時間を情報提供するなど。
- GPSの場所情報も伴うシステム(FoursquareやLoopt)では、ある範囲に足を踏み入れた途端に情報が入ったり、その範囲にいるオフデューティの看護師がわかったりすることもできる。
その他、画像付きの情報を大量殺戮現場から送って役立った話とか、まだ色々例示されています。ソーシャルメディアが公衆衛生や災害の現場で役立つという話、日本でも震災で痛感されているところです。最後は、信頼性に気をつけねばならないという注意喚起で終わっています。
管理人も、震災時にツイッターで色々と。その管理画面から色々わかったこともあり、10月10日のトラウマティックストレス学会シンポで紹介予定(実は、演題採択メールが来たのはまだ一昨日)です。詳細は後日。
ソースはNEJM↓
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp1103591
Integrating Social Media into Emergency-Preparedness Efforts
N Engl J Med 2011; 365:289-291July 28, 2011