チクングニヤ熱の総説がnejmに載って以来、米の一般報道がわっと引用、かの国の関心ぶりがうかがえています。
- テキサス大Galveston's Scott Weaver氏。チクングニヤの研究に15年間没頭してきた専門家。
- 1952年に現在のタンザニアで最初に報告されて以来、現在ではカリブ・南米に流行中の、このイタイ病気はやがて、米国中に拡大すると予測されている。アメリカ大陸中44か国に発生し13000人以上の感染者をだしている。
- 典型的症状は、3日間の潜伏期ののち激しい発熱と関節痛。全身倦怠感、関節炎、頭痛、筋肉痛、発疹。
- 1週間以内に治癒することもあるし、何週間何か月と続く関節痛に悩まされることもある。
- 死亡例はマレだが無いわけではない。ハイリスク群は小児・高齢者・糖尿病や循環器疾患など基礎疾患者。
- チクングニヤ熱は大きな公衆衛生リスク。治療法やワクチンが開発されるまでは、現在は、蚊を減らす対策と、媒介する2種類の蚊とヒトが接触する機会を減らすことが唯一(唯二)の対策。
- いまチクングニヤワクチンは第Ⅰ相まで行っているが、これから先多額の投資を要する。もうひとつ難しいのは、臨床試験に適切なチクングニヤ多発地帯はどこかという点である。
一昨年末からのカリブ中南米の、あの爆発的広がり方を見れば、日本でも一旦入り出すとデング熱以上の大騒動になるのが目に見えています。関節痛が無い人と数週間続く人と数か月続く人がいるという点は、会社の休業期間など設定しにくく、産業保健分野でも相当悩ましいことになります。いろいろ覚悟しておかねばならないことが多いですね。
ソースはinfectioncontroltoday
http://www.infectioncontroltoday.com/news/2015/03/chikungunya-virus-may-be-coming-to-a-city-near-you-expert-warns.aspx
Chikungunya Virus May be Coming to a City Near You, Expert Warns
元ネタ@nejm
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMra1406035