自然からのたより

四季の生き物たちの命の輝きを写真でお伝えします

アケビコノハ羽化

2023-11-23 00:00:14 | 飼育記録
朝虫篭を見たらアケビコノハが羽化していました。どうも夜に羽化したようで、翅はすっかり伸びていました。
そろそろとは思っていたのですが、深夜以降と油断していました。次回は羽化の様子をよく観察したいです。

上翅はまるで枯葉に擬態していますが、下翅はオレンジ色でとても綺麗でした。でもこれは驚かせるための武器だそうです。
成虫で越冬し、春産卵するようです。立派な口吻でアケビの実やカキなどを刺して果汁を吸い、栄養補給します。春まで元気でね。

9.24 幼虫を見つけて飼い始め、10.9 に蛹になり、それから3週間後の 10.29 羽化しました。その間、蛹が乾燥しないように、時々霧吹きで水分補給しました。
待ちに待った成虫をじっくり観察できて、とても楽しい飼育経験でした。幼虫から蛹になるまではこちらをご覧ください。

撮影 2023.10.29


まるで苔むした枯葉そのものです



下翅は目が覚めるように綺麗でした



上翅と下翅が対照的



顔ですが、大きな口吻はこれから冬中食べ物を摂取するよう立派でした。果実の汁を吸うようです


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オオスカシバ飼育記録

2023-11-08 00:00:06 | 飼育記録
庭にクチナシの樹があり、昔は下にオオスカシバ幼虫の糞があると見つけて幼虫を潰していたのですが、樹も充分大きくなったので、オオスカシバを育てることにしました。
幼虫はなるべく小さい時に捕獲し、家の中で育てましょう。野外では虫、鳥に食べられてしまう危険もありますし、寄生バチに産卵されると、寄生バチの幼虫が宿主の体内を食べて尽くしてハチがでてくることがあります。
今年は暑かったので、幼虫も元気によく育って、みんな元気に旅立ってくれました。飛ぶときの羽音、あの体からは想像できないくらい凄く、感動しました。       チョウ目スズメガ科  50mm

経過
09.13:庭のクチナシの葉にオオスカシバ幼虫を発見 まだ産まれたばかりの一齢幼虫でした。スズメガ科の幼虫には、尾に尾角という角があります。
09.15:横腹に黒い点がついて15mmになって、一回脱皮をしたようでした。脱皮殻は食べてしまいます。
09.19:クチナシの葉が少くなくなったら、脱走して1時間探して見つかりません。不安だったのか? 夜葉を食べるので、夜たくさん餌を与えてください。
09.20:オオスカシバ幼虫は大食漢で夜充分餌をあげないと餌を求めて脱走します、30mmになりました。
09.25:朝見たら茶色に変色していて、前蛹になったので、蛹入れに移したのに見つからない、ショック!!!
09.27:前蛹を落としてしまったらしい、部屋のどこかで蛹になっていたらしい・・・・。
10.13:午後成虫になって部屋で飛んでいるのを発見、びっくり。暖かったから充分成虫になれたようでした。水やりもなにもしていないのに、意外と強いです。
10.14:午前中部屋で飛ぶ翅音がしたので、窓を開けたら飛んでいきました。さようなら~。


二齢幼虫、スズメガ科の幼虫にはお尻に尾角という角があります






終齢幼虫



前蛹



前蛹


蛹になったばかり



羽化しました



さあ、大空に





あと2匹の幼虫を庭で発見し、飼育しましたので、2匹目と3匹目についても書いておきます。
2匹目は1匹目の2日後に羽化し、ピカピカの翅を見せてくれました。羽化したときは翅に鱗粉がついていますが、上の写真のように、初飛行すると全て落ちてしまいます。
羽化は深夜のようで、朝7時に見た時は、翅はすでに伸びきっていましたが、まだ飛ばずに指にのってくれました。
飛ぶ前に翅を細かく震わせて、翅の動きを確認するのですが、これを見られるのは飼育した人の特権で、感動ものでした。そのとき翅の鱗粉ははらはらと落ちてゆきました。











3匹目は2週間後に蛹になり、長い眠りにつきました。5月頃羽化すると思いますので、冬中蛹の管理をしっかりします。
オオスカシバは蛹になるとき土中に入らないのですが、蛹が乾燥しすぎると、羽化に悪影響を及ぼすので、乾燥しないように次のようなものを作りました。これは長期間蛹を保護するときだけ必要です。
100均のダイソーにある「バーミキュライト」という用土を使い、ブルガリアヨーグルトの容器の下6cmを切った容器を作り、下に用土を入れ、用土の上1cmに蛹を置き、上から用土をかぶせて、時々霧吹きで湿気を与えます。
オオスカシバは花の蜜がエネルギー源なので、花が少なくなる時期には羽化しないように、蛹を寒い環境におくことが大切です。



幼虫を育てることがこんなに楽しいとは想像していませんでした。改めて虫の能力の凄さを知ることになりました。
あの大食漢でなければ、この力強い飛翔は無理でしょうね、全てをエネルギーに変えて、大空に飛んでいきました。雨や風が強いと死んでしまいますし、成虫は10日位の命だそうです。
オオスカシバはとても丈夫で、はじめて飼育する人向けです。興味がありましたら、是非チャレンジしてみてください。

変態に関してはNHKの素晴らしい映像がありますので、是非以下のYouTubeをご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=kWE6p6kbT3o&t=36s
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アケビコノハ飼育記録

2023-10-20 00:00:03 | 飼育記録
日中は独特のポーズでアケビのつるにぶら下がっていますが、夜になると動作が活発になり、アケビの葉をもりもりとよく食べます。
驚いたことに蛹になる3日前位からあまり葉を食べなくなり、硬い茎をぼりぼりと音をたてて食べていました。繭を作る糸の原料のセルロースを摂取するためででしょうか?

■ アケビコノハ飼育記録
アケビコノハは年2化(一年に二回幼虫が産まれる、春と秋)です。
今回は9月末に幼虫を見つけたので、秋羽化して成虫で越冬し、秋アケビの実も食べるそうです。
一生をアケビに依存するチョウ目ヤガ科の虫です。
幼虫は複数回脱皮しますが、脱皮殻を食べてしまうので、確認が難しいです。

0924:アケビコノハ幼虫を見つけて飼い始めました
1001:だいぶ大きくなりましたが、スズメガほど大食漢ではなく、主に夜食べているようでした。
   最近気づいたことですが、葉よりも茎が好きなようで、ボリボリ音をたててかみ砕いていました。
   かなり神経質でちょっと虫かごを移動したりすると、動作を止めます。
1004:あまり動かなくなりました。葉より茎をもりもり食べる音が凄く、吐く糸のためのセルロースを摂取か?
1007:朝見ると三枚の葉でうまく包んで前蛹になっていました。
1029:朝羽化していました。春は羽化まで2週間あまりですが、秋は3週間かかりました。
   オレンジの下翅がとても綺麗、上翅は木の葉に擬態しているので、自然界で見つけるのは困難でしょう。

撮影 2023.09.24


右側が頭で、茎を音を立てて食べています



左側が頭で、寝ています



繭を作る寸前、体色が薄くなりました



アケビの3枚の葉を合わせて繭を作りました



まだ前蛹なので中の体に変化はありませんが、上部の空間を糸で囲み、翌々日蛹になり、長い眠りにつきました


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セスジスズメ飼育記録

2023-10-01 00:00:49 | 飼育記録
セスジスズメ終齢幼虫を枯れた植物の茎で見つけました。ちょっと興味があったので持ち帰り、食草のヤブガラシを与えました。
食草が見つからなかったのか、終齢幼虫にしては小さかったので、ヤブガラシを与えると驚くほどよく食べ、2日でほぼ倍の太さになりました。
蛹は羽化するときのために、ケースの壁に足がかりとなりやすいようにキッチンペーパーをはりつけました。
スズメガの大きな特徴は、翅の形態と、羽ばたき周波数、それと、空中に停止(ホバリング)できることだそうです。
でも残念ながら、その様子を見ることができませんでした。来年は是非とも育て上げたいと思います。
卵、幼虫、蛹、成虫と4回の劇的な変化を成功させることは、奇跡的なことなんだ、と改めて感じました。

セスジスズメ飼育経過:
09.03:終齢幼虫を持ち帰り、食草のヤブガラシを与えました。
09.04:凄い食欲で葉を10枚以上食べて、1.3倍位大きくなりました。
09.05:動きが少なくなりましたが、食欲は衰えません。2倍位の太さになりました。
09.07:下に降りて葉を綴り蛹室を作り前蛹になりました。体は幼虫の姿のままですが、体内の水分を排出していました。
09.10:前蛹になって3日後、脱皮して白い蛹になっていました。
09.11:蛹は黒っぽく変色していました。毎日霧吹きで水分補給をしました。
09.24:10日以上経っても蛹は羽化しませんでした。触っても動かないので死んでしまったようで、とても残念でした。

撮影 2023.09.03~09.24


セスジスズメ終齢幼虫、スズメガの特徴は尾部に尾角があることです



背中に目をつけています



大きな糞



葉を丸めて前蛹になりました



まだ模様が残っていました



脱皮して白い蛹と殻






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ツツジコブハムシ飼育記録

2023-09-07 00:00:05 | 飼育記録
ツツジコブハムシを 6.25 に持って帰って、飼育をしていました。なにしろ 3mmという小ささなので、野外でゆっくり写真を撮るのが難しいからです。
名前のとおり、ツツジの葉を食べますが、一日一枚の半分位の量しか食べませんので、飼育は楽です。飼って解ったことがたくさんあります。

1.ツツジの葉は粘着性が強いので、意外と落ちにくいです。
2.頭頂部にコブのような隆起部があるので、コブハムシと名付けられたのです。これを見つければ頭部を識別できます。
3.翅はありますが飛ぶことは稀です。

残念ながら 8.9 に死んでしまいました。毎日新しい葉をとってくると、よく食べてくれたので寂しいですが、いろいろなことを教えてくれました。
虫のう○ちに擬態しているので、色形がそっくりで、触るとコロッと落ちます、とても愛くるしいハムシです。
来年は雌を飼って、産卵シーンを撮りたいです。

撮影 2023.07.05/13








ツツジコブハムシ背 左が頭



ツツジコブハムシ腹側 ぴったりと収納



ツツジコブハムシ脚


コメント (2)
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