ハナミズキのdiary

diaryとはいえ週一、月一になりそうですが・・・
思いつくままに。

2016 2 3 佐藤愛子著 「晩鐘」

2016-02-03 15:19:53 | Weblog

この小説は、自分の元夫とその周囲の人物が描かれて、作家自身最後の作品
であろうと書いていますが、これからも頑張ってほしいものです。

「明るい詐欺師」と杉(佐藤愛子)が形容する辰彦(夫)は、知らぬ間に誰もが心許してしまうような人物です。

文学に関しては尊敬の念を持って結婚したとはいえ、金銭感覚がなく大きな借金を抱える夫に、離婚後も黙って放っておけない杉。

本の最後には、これまでいろいろあった親子3人が、大きな土鍋の煮込みうどんを食べる場面、佐藤愛子らしいユーモア溢れる文章に作者の人間愛を感じました。