釣の棲家

終の棲家を求め千葉へ移住。旬の魚をすわぶるために迷釣する房総釣行記。

その20 常磐沖のアカムツ狙い

2009年07月27日 16時24分16秒 | その他の釣り場
「アカムツ船が出船しました。結果は28~40cmのアカムツが1尾~5尾。
群れが次から次へと入り始めたようです。乗り遅れないようにご案内まで…」

7月22日、波崎港・信栄丸から悩ましいメールが飛び込んできた。
銚子沖にある通称「カンネコ」と呼ばれるポイントに、
産卵のために乗っ込んでくる高級魚アカムツを狙う釣り物だ。

早速、横芝のご隠居と八日市場のムラさんにお伺いを立てると、
「なら、行くべぇ」と二つ返事で決定。25日(土)に釣行した。

4時半の出船時には、かなり強い南風が吹き荒れ、
17トンの大型船でも真横からもろに風を受け、離岸するのにもひと苦労。
右舷5人、左舷4人の9人の釣り人を乗せ、5時少し前に出船した。

我われ3人は右舷胴間に座り、大ドモには前日に続いて釣行するという、
シーズン中200匹以上釣り上げる常連のアカムツ名人が陣取っていた。

カンネコまでは、波崎港から約1時間の航程。
水深は110~160mほどで、海底には大小さまざまな岩礁が広がっているという。
仕掛けは幹糸8号、ハリス6号45~50㎝の2本バリで、ハリはムツ17~18号。
枝間は90~100㎝とり、オモリ150号で挑む。

配られたホタルイカの胴を抜き、キモを潰さないように目と目の間にハリを打つ。
アカムツ名人の仕掛けには、道糸との接続部にケミホタルがぶら下がっていた。


エサのホタルイカは2パックが無料で配られる



水深158mのポイントで第一投。
沖合いの海上は、予想していたほど風は強くなく、
曇り模様だった予報も、どうやら晴れ間が現われそうな天候になっていた。

アカムツは、上から落ちてくるエサに反応するため、マメな誘いが肝心。
着低後は竿いっぱいに大きく誘い上げ、ストンと落としたり、ゆっくり落としたり
揺らしながら落としたりと、パターンを変えながら誘いをかける。

船中第一号が来たのは、右舷ミヨシの釣り人。
30㎝弱の小型だが、薄紅色の魚体はいつ見ても美しく、また羨ましい。
アカムツは、他人が釣ったのを見て羨ましいと感じる数少ない魚種。
それほど、数釣りができず、また食べて美味しい魚だと思う。

続いて本命をあげたのは、左隣で飄々と誘いをかけていた釣友ムラさん。
仕掛けが上がってくるまで黙っていたため気づかなかったが、
海中から浮かんできたのは見まごうことなき本命アカムツ。

あわてて飛んできた船頭が差し出すタモに納まったのは38㎝の良型サイズ。
でっぷりしたメタボな腹回りが悩ましい。
ムラさんの仕掛け上部の接続部には、
20㎝ほどの糸の先に付けた蛍光タコベイトが揺れていた。


船中わずか2匹の中でムラさんが仕留めた体長38㎝の良型アカムツ

次は自分と船中だれもが意気込み、盛んに竿を動かし誘いをかける。
右隣のご隠居は、イカダイ仕掛けを思わせる親バリ+孫バリの2本バリ仕掛けに
丁寧にホタルイカを付け、短竿で静かに誘っている。が、掛かるのはサバばかり。
大ドモの名人もユメカサゴ、メバル、ソイ、ドンコ、と多種を釣り上げているものの
さすがに本命だけは型を見ていない。

「1~5匹釣れた時も、11時過ぎてから釣れたから…」

仲乗りは釣り人を励まし、期待を持たせてくれるが、
次第に置き竿にする時間が多くなってくる。



「アカムツちゃん、来ておくれ」

そう念じながら竿先を見つめていた時、
ふと16歳の頃に付き合っていた女の子を思い浮かべた。
名前は「赤井睦美」。愛称は「むっちゃん」。
アイビールツクの似合う浅田美代子似のカワイイ女の子だった。

純情な16歳の男心をもてあそぶような自由気ままな子で、
デートに遅れることもしばしばだった。
「むっちゃん、早く来てくれよ~」
彼女が現われるのを今か今かと待ちわび、結局すっぽかされたこともあった。

「アカムツちゃん、ムッちゃん。お願いだから来ておくれ」

淡い願いは、あの時と同じようにかなうことはなかった。
つれなかったむっちゃん、釣れなかったムッちゃん。



ムラさんのアカムツの写真を撮ったとき、ホロ苦い嫉妬を覚えた。

クルッとした大きな瞳のアカムツは、
あの頃のむっちゃんのように、
他の男に釣られてしまった。

この日の釣果は、9人でアカムツ2匹。翌日は12匹揚がったらしい。
つれないムツちゃんのご機嫌を伺い、振られてもまたアタックしたい。

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追伸:アカがだめなら、クロがあるだろう、なんてお誘いを受けました。


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