ヒッキーはつむじ風!!

ヒッキーが観て気に入った映画を、ブログで紹介します。

「さまよう刃」

2009-10-25 12:48:22 | Weblog
                              「さまよう刃」

観終わってまず思ったのが、「この映画見てよかったなー!」ですね。

月並みな感想のようですが、結構意味が凝縮された「よかったなー!」でして・・。

正直、派手な映画ではありませんし、途中、雪の長野のシーンあたりは私もやっとやっとついて行った感じはありましたが・・。

最後まで見ると、この映画を貫く一つの“テーマ”のようなものが見えてくるのであります。

「少年法」。日本では、犯罪を犯した者が未成年である場合、原則として刑法ではなく「少年法」によって、更生、社会への復帰が図られます。

少々ネタバレいきます。

この映画の主人公、長峰重樹(寺尾聰)の唯一の肉親である中学生の愛娘・絵摩
は、二人の少年によって拉致、薬物注射の後、レイプされ、それを一部始終ビデオに撮られ、挙句の果ては薬物注射のショックで死んでしまいます・・。
遺体はどこかの河川敷で発見されます・・。

長峰は途方に暮れます・・。

警察の捜査はなかなかはかどらず・・。

そんな時、長峰はあるルートから、娘を殺した犯人2人の名前と住所を手に入れます・・。
警察に捕まってしまえば「少年法」という檻に守られてしまうだろう犯人を、長峰は自ら追い始めます・・・。

映画は観る者に問いかけます、“法”とはなんだ・・“正義”とは・・・。

ラストシーンで真野(伊東四朗)が織部刑事(竹野内豊)につぶやく言葉に、この映画の主人公が持っていた、“復讐”の意味が初めて解るのです・・・。

私たちは、わが身に置き換えて、もし自分の大切な人がいたずらに命を奪われたら、だまっていられるでしょうか・・・。
そんな思いに対する一つの答えを、長峰はラストシーンで見せてくれます・・。

なにやら一部では酷評もされているこの作品ですが、
私は思います、「本当にこの映画に出会えてよかった」と・・。

監督・脚本 益子昌一

出演 寺尾聰 竹野内豊 伊東四朗 酒井美紀 山谷初男 佐藤貴広 岡田亮輔 
   黒田耕平 ほか。