ヒッキーはつむじ風!!

ヒッキーが観て気に入った映画を、ブログで紹介します。

「人間失格」

2010-03-07 05:15:17 | Weblog
                                   「人間失格」
ユナイテッドシネマ豊島園にて。
監督・荒戸源次郎
原作・太宰治

原作モノですな。
しかも、超有名。
こまりましたな。読んだことありませんm(__)m。人間失格です

一言、もう少し、一つ一つのエピソードを丁寧に描いてほしかったな~・・という感じですかね。
なにしろ原作未読なもので、比較できないのだから仕方がない(居直ってどうするんだ(笑)

しかし、原作未読者には未読者なりに、純粋に映画単体を評価できるという利点がありますな。

津軽を出て、東京の画学校に通うようになった葉蔵(生田斗真)は、かつての友達が予言した通り、女性にモテまくります(ウラヤマCー・・(笑)

そこなんですが、まず、原作自体が映画と同じくらいの掘り下げ度なのかもしれませんが、
葉蔵と女性たちとのエピソードが、出会ったと思ったらもう一緒に暮らしていて、はいすぐ別れて・・みたいな感じで、急展開なので、観ていて???となる場面がしばしばありました。

小池栄子演ずる静子とのエピソードはホントにあっという間でしたね(笑)!
「あれ??なんで一緒に住んでんだ??おとうちゃんとか呼ばれてるし・・??」

寺島しのぶ演ずる常子とのエピソードも、「あれ??鎌倉行くって・・え~!!いつのまにそんな仲になったとですか!?」って感じでした。

ストーリーに感情移入しているひまがありませんでしたな。

それでも2時間を優に超える長尺になるのですから、女性たちとのエピソードも総花的になるのも仕方なかったのかもしれません。

やがて葉蔵は、モルヒネ中毒になってゆきますな。
この辺りの描写は凄くリアルで、迫力さえ感じましたな!生田斗真の“堕ちてゆく”演技が見事でした。

葉蔵をとりまく女性たちを、寺島しのぶ、石原さとみ、小池栄子、坂井真紀、室井滋、大楠道代、三田佳子らが演じます。

個人的には石原さとみのファンなので、久しぶりに笑顔が見れて満足だったのですが、
あの“間男”のエピソードは可愛そすぎる(T_T)

坂井真紀も好きな女優さんなのですが、あの片思いの役は痛々しくて・・・。
彼女はやっぱり「赤い文化住宅の初子」でみせたようなぶっとんだ役や、「ノン子36歳(家事手伝い)」で演じた“やさぐれアイドルくずれ”のような、どちらかというと強がってみせる役のほうが合っていると、私は思いますな。

この女性陣と、葉蔵との絡みを追ってゆくのも、この作品の楽しみ方の一つではないかと思います。

映画全体としては、昨年公開された同じ太宰治原作の「ヴィヨンの妻~」「パンドラの匣」
に比べると、本作はやや“その時代の香り”が薄かった、言い換えれば、現代と、劇中の時代との時間の隔たりがよく感じられなかったです・・。
放送史に名高いベルリンオリンピックの女子200m平泳ぎのラジオ中継“前畑ガンバレ!!”や、太平洋戦争開戦を告げるラジオ放送など、ディテールは結構しっかりしていたのですが・・。

しかし何と言っても、原作あっての映画ですから、未読の私はこれをいい機会として、原作を読んでみようと思っとります!

出演 生田斗真 伊勢谷友介 寺島しのぶ 石原さとみ 小池栄子 坂井真紀 室井滋
   石橋蓮司 大楠道代 森田剛 三田佳子 他。



ひきばっち的満足度★★★