「華の乱」
松田優作つながりで、前から観たかった本作をやっと。
「ヨコハマBJ~」にくらべると、こちらはかなり大作ですな。
「オールスター・キャスト」という感じです。
明治、大正の激動の時代を舞台に、歌人・与謝野晶子(吉永小百合)を中心とし
て、女優・松井須磨子(松坂慶子)、「婦人公論」記者の波多野秋子(池
上季実子)、婦人解放運動家である伊藤野枝(石田えり)、歌人・山川登美子(中田喜子) らの女性たち、
そして作家・有島武郎(松田優作)、アナキスト・大杉栄(風間杜夫)、新劇の演出
家・島村抱月(蟹江敬三)、晶子の才能を見い出し開花させた歌人・与謝野寛(緒形拳)らが繰り広げる愛憎と人間の物語・・・かな・・??
とりあえず思ったのは吉永小百合さん綺麗・・((;゜Д゜))!
吉永さんの比較的“昔”の作品としては「青い山脈」や「キューポラのある街」を観たこと
があったが、本作での美しさは格別だ・・。これだけで観たかいがあったというものだ(そんなんばっか(゜∀。)
晶子が執筆の合間にタバコをふかすシーンがある。吉永さんが煙草を・・イケナイものを見てしまったようで、私もすぐにタバコを吸いました^^。
物語は、晶子と寛(鉄幹)の出会いから始まり、晶子と有島との恋を軸に描かれてゆく。
そこに波多野秋子が加わり、微妙な“三角関係”へと・・。それを中心に須磨子と抱
月、大杉栄と伊藤野枝のエピソードが交錯してゆく。
フィクションであるにしろ、“恋多き女”与謝野晶子の情熱的な恋愛の一端が垣間見れたようで、とても興味深い。
代表作「君死にたまふことなかれ」の一節が劇中に出てくる。知っている文章であったが、なぜか胸が詰まるシーンだった。
緒形拳が与謝野寛の俗物的な面を上手く演じていた。さすがだ。
優作さん演ずる有島武郎も生真面目だが時にコミカルで素敵だったが、私的には「それから」の代助さんの方が好きかなぁ・・。
そして画面の色なのですが、
深作欣二監督の作品独特の艶やかな色調。有機的な画質。好きです(^^♪
細かい人物設定が判らなくとも、明治と大正の時代の雰囲気を味わうだけで、結構楽しい。
ラスト近くで描かれる関東大震災のシークエンス。短いシーンだが、心に残るものであった。
私的に、とても楽しめた作品であった。
ひきばっち的満足度★★★★