The wild flowers of Portugal. ポルトガルの野の花 

学名など判ったものだけ明記しています。和名などをご存知の方はどうか教えてください。

シレネ・ニセエンシス Silene niceensis

2021-08-16 11:06:52 | ポルトガルの野の花

ナデシコ科、Caryophyllaceae、マンテマ(シレネ)属、地中海沿岸地域原産の多年草、

学名:Silene niceensis、

英名:Pink piroutte、

2018年1月25日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で撮影、

 

シレネ・ニセエンシス Silene niceensis の花。

 

砂浜に繁茂。花弁の外側は僅かに濃色で萼筒には条線が入る。葉や萼筒は毛深い。

 

花弁は午後には巻き込んでしまう。

 

 

 

萼筒には毛があり粘質で風で運ばれてきた砂粒が付いている。シレネ・ニセエンシス  Silene niceensis でした。

©2021 MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は、学名の音読みから。属名は、ギリシャ神話の酒神バッカスの養父であるシレネスの名に因んでいる。種小名は「(フランス)ニースの」の意。

シレネ・ニセエンシスはナデシコ科の2年草である。本種は、原産地の項に記した地で沿海地の砂浜に自生の見られる野草である。草丈は20~60㎝程度となる。葉は長さ4㎝程度の線形~倒披針形で茎に対生する。葉や茎には細毛が見られる。6~8月頃茎上部に散形花序を出し、径1,5㎝程度で桃色の袋状花をつける。花冠は5裂し、各裂片は更に2深裂する。萼筒の外側には緑色の条線が入り、全体的に白色の細毛で覆われている。花は、夕刻~早朝に開花し、昼頃には、花被片が捩れを見せる。したがって、正常な開花の様子は、早朝にしか見られない。掲載した花姿は日中に撮影したものである。花後には卵形で8㎜程度の蒴果をつける。(GKZ植物事典より) 

 

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ハリミウム・カリキヌム Halimium carycinum

2021-08-15 11:03:29 | ポルトガルの野の花

ハンニチバナ科、Cistaceae、ハリミウム属、地中海沿岸西部地域原産、

学名:Halimium carycinum、

英名:Yellow Rock Rose、Coast Rock Rose、Wooly Rock Rose、

葡名:Erva-sargacinha、

2014年3月19日、2015年1月13日、17日、18日、2016年2月15日、20日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で、2015年12月23日、アルガルベ地方で撮影、

 

ハリミウム・カリキヌム Halimium carycinum の花。花は直径3センチほどで薄く鮮やかな黄色の5弁花。

 

草丈80センチほど。葉は3cmほどで細く対生。萼の外側先は赤褐色。

 

種小名の carycinum は派手な萼、萼が目立つの意。

 

 

 

ハリミウム・カリキヌム Halimium carycinum でした。

©2021 MUZVIT

 

 

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トリフォリウム・ヒルツム Trifolium hirtum

2021-08-14 10:30:24 | ポルトガルの野の花

マメ科、Fabaceae、シャジクソウ属、西アジア~地中海沿岸地方~北アフリカ原産、1年草、

学名:Trifolium hirtum、

和名:ビロードアカツメクサ(天鵞絨赤詰草)、

英名:Rose Clover、葡名:Trevo-rosa、

2015年5月7日、ポルトガル、アレンテージョ地方で、2016年6月16日、ベイラ地方で撮影、

 

トリフォリウム・ヒルツム Trifolium hirtum の花。

 

 

 

シャジクソウ属の多くは地を這うように枝をのばすが、この種は直立する。葉は三小葉。

 

高さ 5-20cm ほどの花柄の先に長さ 1cm ほどの小さな蝶形の花を密集して咲かせ球状の花序をつくる。

 

 

種小名の hirtum=hirsuta=hirsutum=hirsutus は毛深いの意。トリフォリウム・ヒルツム Trifolium hirtum でした。

©2021 MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は、全草が多毛で赤花をつけることから。属名は、「三葉の」の意。種小名は「有毛の」の意。

ビロードアカツメクサはマメ科の1年草である。茎は直立し、草丈は10~35㎝程度となる。茎には下向きに開出したけが密生する。葉は長さ1~3,5㎝程度の葉柄を持ち、長さ1~2㎝、幅0,5~1㎝程度の倒卵形から倒卵状楕円形の3小葉からなる。葉の縁部には波状細鋸歯があり、基部はくさび形で、両面共に毛が密生する。4~6月頃、径1~2㎝程度でほぼ球状の花序を出し、長さ1㎝程度で蝶型花を多数つける。花色は淡紅色。本種は、現在、世界各地で帰化状態にあり、我が国も例外では無く、各地で野生化していることが報告されている。(GKZ植物事典より)

 

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ヒポカエリス・ラディカタ Hypochaeris radicata

2021-08-13 10:12:57 | ポルトガルの野の花

キク科、Asteraceae、エゾコウゾリナ属、ヨーロッパ原産、多年草、

学名:Hypochaeris radicata、

和名:ブタナ(豚菜)、タンポポモドキ、

英名:Catsear、Flatweed、Cat's-ear、Hairy Cat's Ear、False Dandelion、

葡名:Erva-das-tetas、Leiteirigas、Leituga、Leitugas、Leituregas、Orelha-de-gato、Almeirão-do-campo 、Almeirão-de-roseta、

2015年6月13日、ポルトガル、ベイラ地方で撮影、

 

原産地ではハーブとして食用にもされる。現在ではアメリカ大陸やオーストラリア、ニュージーランドなど、世界中に帰化している。日本には昭和初期に入ってきたとされ、北海道及び本州の広い範囲に分布。道路脇、空き地、牧場、草原、農耕地の周辺で生育している。

 

開花時期は 6〜9月頃。外観はタンポポに似るが、ブタナは 30〜60cm 程度の花茎が途中で数本に枝分かれし、それぞれの頭に直径 3cm ほどの黄色い花をつけるのが特徴。また花茎に葉は付いていない。葉はロゼット状で裏にびっしりと毛が生えており、根は深い。たくさんのブタナが隙間なく群生し、さながら黄色い絨毯を広げたような光景は美しいが、群生した地域では芝生が枯れてしまうなどの被害も発生するため、害草として駆除されてしまうことも多い。

 

タンポポモドキ (false dandelion)という別名もある。日本で 1933年に札幌市で初めて発見された際はタンポポモドキと命名されたのだが、翌年の 1934年に兵庫県六甲山で見つかった同種の植物にはブタナと名付けられ、現在はブタナのほうの名称が主流となっている。種小名の radicula はラテン語で『小さい根 small root、小さい根茎 radix root 』の意。

 

高山の山道に咲く。

 

和名の「ブタナ」は、フランスでの俗名 Salade de porc(ブタのサラダ)を翻訳したものが由来となっている。英名の Catsear は、葉の形がネコの耳 (Cat's ear) に似ているところから命名された。(Wikipediaより)

©2021 MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名の「ブタナ」は、フランスでの俗名 Salade de pore(=ブタのサラダ)の直訳から。属名は、ヒポクラテスが他の属の植物に充てて用いた語からと言う。種小名は「根を持つ」の意。

ブタナは、キク科の多年草である。草丈は30~60㎝程度となる。本種の場合、タンポポによく似ているが、花茎が途中で分枝をする点で大きく相違する。6~9月頃、茎頂に径3㎝程度の黄花をつける。写真〈下)に見られるように葉はすべて根出葉である。また、写真(上)に見られるように花茎が分枝する点でタンポポと区別できる、一見してタンポポによく似た外来種である。「原産地」や「履歴」の項にも見られるように、比較的新しい帰化植物と言える。その当初は、ほとんど牧場周辺で確認されたということであることから、牧草もしくは飼料との関連で我が国に渡来したものと推測される。既に1930年代初頭には札幌市や兵庫県・六甲山で採集されており、昭和10年代には我が国に帰化していたと推測される。本種は、北米、オーストラリア、ニュージーランドでは帰化状態にある。(GKZ植物事典より)  

 

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ユーフォルビア・テラキナ Euphorbia terracina

2021-08-12 10:03:45 | ポルトガルの野の花

トウダイグサ科、Euphorbiaceae、トウダイグサ属、地中海沿岸地域原産、多年草、

学名:Euphorbia terracina、

和名:ジェラルトン・カーネーションウィード、

英名:Geraldton Carnation Weed、False Caper、Geraldton Cornation Spurge、Terracina Spurge、

2016年2月6日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で撮影、

 

ユーフォルビア・テラキナ Euphorbia terracina の花。草丈は 5~50cm。茎が赤い。

 

茎の頂に5枚の托葉が放射状に つき、その上に5個の花序がついている。苞葉の先はとがっている。4枚の腺 に各2本の「つの」状の突起がある。

 

茎の頂にある放射状にでている5枚 の托葉より下側の葉は細長い。托葉より上には椀状花序が数段 重なることがある。

 

めしべの先(柱頭と花柱)はこの種 でも長い。

 

ユーフォルビア・テラキナ Euphorbia terracina でした。

©2021 MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は学名の音読みから。属名は、ローマ時代のモーリタニアの医師 Euphorbus の名に因んでいる。種小名はイタリアの都市名に因んでいる。

ユーフォルビア・テラチナはトウダイグサ科の多年草である。草丈は1m程度となる。茎は赤味を帯びていて無毛である。葉は長さ1~4㎝、幅2から8㎜程度のほぼ三角状で全縁、鋭頭であるが、最上部の葉はより幅が狭くなり、縁部には細鋸歯があり、茎に互生する。オーストラリアでは、8~12月頃、茎頂に盃状花序を出し、目立たない緑色から黄緑色の花をつける。花後の果実は長さ3~5㎜程度で三角形の蒴果をつける。本種の原産地は、地中海沿岸地域であるが、北米並びにオーストラリア西部~南西部にかけて帰化状態にある。(GKZ植物事典より)

 

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エロディウム・レベリイ Erodium lebelii

2021-08-11 10:47:45 | ポルトガルの野の花

フウロソウ科、Geraniaceae、オランダフウロ(エロディウム)属、地中海沿岸地域原産、多年草、

学名:Erodium lebelii、

英名:Sticky Stork’s-bill、

2014年4月10日、2015年1月12日、2016年1月15日、16日、19日、2020年2月21日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で撮影、

 

エロディウム・レベリイ Erodium lebelii の花。花の直径は 1cm ほど。雄蕊は5つ、殆ど白色の花弁は5枚、淡い桃色の線が3本、葉脈状にある。

 

草丈 5~30 センチほど。花茎には毛がある。ポルトガルでも未だ寒い 1月に開花している。

 

まばらに咲いていて、群生を撮ることはできない。耐寒性は強い。葉はイタリアンパセリの様で、切れ込みがあり、対生。

 

 

 

英名の Sticky Stork’s-bill はコウノトリのくちばし。種の鞘が尖ってコウノトリのくちばしに似ていることから。Sticky はねばねばしているの意。エロディウム・レベリイ Erodium lebelii でした。

©2021 MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は学名の音読みから。属名は、ギリシャ語の erodios (=アオサギ)を語源とし、種子の形状がアオサギの嘴に似ていることから。種小名は、19世紀フランス人植物学者 Jacques Eugne Lebel への献名。

エロディウム・レベリイーはフウロソウ科の多年草である。本種は、概してヨーロッパの日当たりの良い山地の斜面に自生の見られる野草である。草丈は5~30㎝程度となる。葉は長い葉柄を持った楕円状で、縁部は羽状に深裂し、茎に互生する。5~10月頃、茎頂に径1㎝程度で白色の5弁花を付ける。花後の果実は長さ2~3㎝程度の蒴果で嘴状となる。(GKZ植物事典より)

 

 

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ポリガラ・ヴルガリス Polygala vulgaris

2021-08-10 11:04:27 | ポルトガルの野の花

ヒメハギ科、Polygalaceae、ヒメハギ属、ヨーロッパ原産、多年草、

学名:Polygala vulgaris、和名:コモン・ミルクワート、

英名:Heath Milkwort、葡名:Erva-leiteira、Polígala、

2015年12月24日、ポルトガル、アルガルヴェ地方で、2009年6月21日、2016年6月16日、ベイラ地方で撮影、

 

ポリガラ・ヴルガリス Polygala vulgaris の花。花はごく小さく 1cm 未満。濃い青色で蝶型。木質の地下茎を持つ。

 

葉は互生し卵型~楕円形。茎頂の総状花序に濃い青の花をまばらに付ける。

 

 

 

近縁種、北アメリカ原産のセネガ(学名:Polygala senega)には去痰作用があり、セネガシロップとして使う他、龍角散、改源咳止液Wなどに配合される。元々はアメリカインディアンのセネガ族がガラガラヘビに咬まれた時、応急に用いたものである。しかし、そのような効果は期待できず、迷信と思われる。

 

セネガ根のセネガサポニン(senegasaponin)類には小腸でのグルコースの吸収抑制等による血糖値上昇抑制活性が認められた。ポリガラ・ヴルガリス Polygala vulgaris でした。

©2021 MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は、英名の音読みから。属名は、ギリシャ語の polys(=多)と gala(=乳)の合成語から。種小名は「普通の」の意。

コモン・ミルクワートはヒメハギ科の多年草(亜低木))である。草丈は35㎝程度となる。根および茎下部は木質化する。葉は長さ10~20㎜、幅2~4㎜程度の楕円形で、縁部は全縁、先端部は尖り、枝に互生する。5~7月頃、茎頂に散形花序を出し、4~7㎜程度で濃青色で蝶形の花を数個着ける。(GKZ植物事典より) 

 

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フマリア・パルヴィフローラ Fumaria parviflora

2021-08-09 10:50:19 | ポルトガルの野の花

ケシ科、Papaveraceae、カラクサケマン(フマリア)属、南部ヨーロッパ地中海沿岸地域原産、半つる性の越年草、

学名:Fumaria parviflora、

英名:Fineleaf Fumitory、Fine-leaved Fumitory、Indian Fumitory、Smallflower Fumitory、

葡名:Fumária-das-flores-pequenes、Fumária-de-flores-pequenas、Fumária-menor、

2016年6月5日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で、2018年5月15日、アレンテージョ地方で撮影、

 

フマリア・パルヴィフローラ  Fumaria parviflora の花。表示名は学名の音読み。

 

 

 

 

 

 

フマリア・パルヴィフローラ  Fumaria parviflora でした。

©2021 MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は学名の音読みから。属名は、本種のギリシャ古名Fumos terrae(地球の煙り)を語源としている。ディオコリデスが『本草書』の中で本種の乳液は涙を引き起こす(Fumos)と表記したことによるという。種小名は「小形の花の」の意。

フマリア・パルヴィフローラは20~60cm程度となる。本種は、地中海沿岸地方の内陸部で、岩礫質な土壌地帯に自生する野草で、垂直分布域は標高0~1800mまでという。茎は上部で良く分枝をする。葉は長さ2~6cm、幅1,5~4mm程度で糸状の葉が3個茎につく。4~10月頃、茎上部に総状花序を出し、長さ1~2mm程度で淡桃色の筒状花で花冠部は紫色の花を20個程度つける。花後には径2mm程度の痩果をつける。本種は、地中海沿岸地方原産種であるが、広くユーラシア大陸ほぼ全域並びにアフリカ大陸、そして北米大陸等と広い範囲で帰化状態にある。(GKZ植物事典より) 

 

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リモニウム・シヌアトゥム Limonium sinuatum

2021-08-08 10:39:04 | ポルトガルの野の花

イソマツ科、Plumbagnaceae、イソマツ属、地中海沿岸地方原産、多年草、

学名:Limonium sinuatum、

和名:ハナハマザシ(花浜匙)、通称:スターチス、

英名:Wavyleaf Sea-lavender、Statice、Marsh Rosemary、

葡名:Estátice、

2013年5月23日、2014年4月2日、ポルトガル、エストレマドーラ地方で撮影、

 

リモニウム・シヌアトゥム Limonium sinuatum の花。草丈は 45~60cmで、茎は直立し、角張っていて翼があって葉のように見える。

 

葉は槍形で、葉縁はしばしば波打ち、浅く裂ける。

 

花期は夏から初秋。日当たりの良い沿岸、岸壁の上などに自生。半耐寒性の短命な宿根草。

 

 

 

茎の先に円錐花序または穂状花序をつけ、個々の花は筒状である。萼片は青や紫、白、黄、桃色など多色で目立ち、花弁は白くて小さい。リモニウム・シヌアトゥム  Limonium sinuatum でした。

©2021 MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名の語源については不詳。別名は旧属名(スターチス)が今も園芸界の流通名となっていることから。因みに、現在の学名はリモニウム属となっている属名の Limonium はギリシャ語で「海岸沿いの草原」の意。種小名は「強い波状の」の意。

わが国で一般的にスターチスと呼ばれているのは、和名をハナハマサジと言い、一部の園芸店では「三角」とも呼ばれているリモニウム・シヌアートゥムである。ドライフラワーに出来、それを振ると音がするので人気がある。草丈は 40~60㎝ 程度。葉は根生し、ロゼット状につく。葉長は 20㎝ 程度。花茎には翼状の襞が見られる。頂きに小花をたくさんつける。一般的に花として観賞されるのは、実際は萼である。(GKZ植物事典より) 

 

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テウクリウム・フルティカンス Teucrium fruticans

2021-08-07 10:20:28 | ポルトガルの野の花

シソ科、Lamiaceae、ニガクサ属、地中海沿岸西部原産、常緑低木、

学名:Teucrium fruticans、

和名:ツリー・ジャーマンダー、

英名:Tree Germander、Shurubby Germander、

葡名:Mato-branco、Sargaço-branco、

2011年1月26日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で、2015年12月22日、アルガルヴェ地方で撮影、

 

テウクリウム・フルティカンス Teucrium fruticans の花。花は薄紫で長さは 2cm ほど。

 

葉は楕円形で灰緑色。常緑小低木で基部からよく分枝し、高さは 1,8メートルほどにもなる。

 

若い枝は白または黄色の綿毛で覆われる。

 

 

 

若葉は銀白色の綿毛で覆われる。ポルトガルでは花壇などでもよく植えられている。ハーブティやポプリに使用される。テウクリウム・フルティカンス Teucrium fruticans でした。

©2021 MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は,英名の音読みから。属名はギリシャ語で、ディオコリデスによってこの属につけられた名前 teucrion を語源としている。種小名は「灌木状の」の意。

ツリー・ジャーマンダーはシソ科の常緑樹である。樹高は1,8m程度となる。葉は長さ1~2㎝程度の楕円形で茎に対生する。茎葉は銀白色の細毛で覆われているが、やがて、それも脱落し、明るい緑色へと変化する。葉には芳香がある。5~6月頃、長さ2~2,5㎝程度で淡紫色の唇形花を枝先の葉腋につける。下唇弁はは大きく3裂し、蕊は長く突き出る。我が国の園芸界では、花姿から「クリオネ」名で流通している。(GKZ植物事典より)

 

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キナラ・スコリムス Cynara scolymus

2021-08-06 10:17:41 | ポルトガルの野の花

キク科、Asteraceae、チョウセンアザミ(キナラ)属、地中海沿岸地域原産の耐寒性多年草、

学名:Cynara scolymus、

和名:チョウセンアザミ(朝鮮薊 )、アーティチョーク、

英名: Artichoke, Globe artichoke、伊名:Carciofo、仏名:Artichaut、葡名:Alcachofra、

2015年6月23日、2016年6月9日、2017年5月21日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で撮影、

 

地中海沿岸やカナリー諸島が原産。大きな蕾のなかにある軟らかい萼と花托が食用にされ、とくにフランスやイタリアではポピュラーな食材。高さは1~1,5メートルになり、葉は羽状に深く裂ける。夏に大きな頭状花序をだし、淡い紫色の筒状花を咲かせる。

 

古代から栽培されてきたキク科のハーブで、多くの種類がある。カールドンという野生の大アザミが原種といわれ、最初はセロリのように葉柄を食べていたが、花も美味しいと気付き、15世紀のイタリアで改良された。以後欧米で盛んに育てられている。

 

 

 

食用とするには、まずつぼみをレモンなどと共に茹でるか、蒸す。そして、花及び果実の冠毛になる繊毛を取り除き、蕚状の苞片を外から剥き、苞片基部の肉質部分を歯でしごくように食べ、最後に花托部分を切り分けて食用とする。食用部分はでんぷんに富んでおり、食感はいもに似ている。水溶性食物繊維に富む。葉にはシナリンを含み、肝臓の解毒に効果がある。 シナリンには味蕾の甘味受容体の働きを阻害し、アーティチョークを食べたあとに食べるものの味をなんでも甘く感じさせてしまう働きがある。そのため、アーティチョークに上質なワインは合わないとされている。

 

日本には江戸時代にオランダから渡来した。19世紀末からイタリア移民のグループがカリフォルニアで大規模にアーティチョークを栽培し、ニューヨークのイタリア系マフィアの資金源となっていた。1920年代、マフィアの封じ込めに力を注いでいたニューヨーク市長ラガーディアは市にアーティチョーク禁止令を出したが、アーティチョークの魅力に抗えず1週間後には取り下げられた。(Wikipediaより)キナラ・スコリムス Cynara scolymus でした。   

©2021   MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名にチョウセンの名が見られるが、原産国を示す意ではなく、外来種を示している。属名は、cyno(=犬)に由来した植物名からで、総苞片についた刺が犬の歯に似ていることからと言う。種小名は、「刺の」の意。

チョウセンアザミは、キク科の多年草である。原種はヨーロッパの原生アザミと考えられている。これが大柄で刺のあるアザミ(カルドン)へと変種し、そのカルドンを改良発達させたものがアーティチョークと考えられている。草丈は 1,5~2m 程度。葉は大型で羽状に深く裂ける。葉の裏面には白色の綿毛が密生する。6~8月頃に径 15㎝ ほどの大きさで濃紫色の頭花をつける。最上段に掲載した蕾の部位が食用とされる。我が国へは明治初期にフランスから渡来。(GKZ植物事典より)

 

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ラミウム・マクラツム Lamium maculatum

2021-08-05 10:32:56 | ポルトガルの野の花

シソ科、Lamiaceae、オドリコソウ(Lamium)属、ヨーロッパ原産、多年草、

学名:Lamium maculatum、和名:ラミウム・マクラツム、

英名:Spotted Dead-nettle、Spotted Henbit、Purple Dragon、

葡名:Chuchas、Chupa-pitos、Coelhos,、Làmio-maculado、

2009年6月21日、2015年6月13日、2016年6月16日、2017年5月23日、2018年6月20日、ポルトガル、ベイラ地方で撮影、

 

花茎の先に輪状集散花序の唇形の小花を多数付ける耐寒性・匍匐性の多年草。草丈は 15cm ほど。温帯地域に分布しており、日本ではオドリコソウ(踊子草)やホトケノザ(仏の座)が同属の花。

 

欧州、北アフリカ、温帯アジアなどに分布する。

 

 5~6月頃、茎上部の葉腋に赤紫、桃色~白色の唇形花を咲かせる。花形は唇形で、花冠は2cmほど。萼片は5枚。

 

 

 

葉の付き方は対生。葉は心形で、鈍い鋸歯がある。挿し芽茎の節から根を出し、匍匐して広がる。茎の先端は立ち上がる。別名で「デッドネットル」とも呼ばれ、野菜やハーブティーなどに利用される。

©2021 MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は、学名の音読みから。属名は、ギリシャ語の laipos(=喉)を語源とし、花筒が長く、喉状に見えることからと言う。種小名は「斑点のある、しみのある」の意。

ラミウム・マクラツムは、シソ科の多年草である。我が国に自生が見られるオドリコソウの仲間ということになる。葉は卵形で、葉の縁には鋸歯が見られる。本種の大きな特徴は主脈の両側に灰白色の斑模様がみられることである。3~5月頃に、写真に見られるようなピンク~紫紅色の唇形花を開花する。(GKZ植物事典より)

 

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ケンタウレア・マキュロザ Centaurea maculosa

2021-08-04 10:11:54 | ポルトガルの野の花

キク科、Asteraceae、ヤグルマギク属、ヨーロッパ原産、多年草、

学名:Centaurea maculosa、

英名:Spotted Knapweed、

2015年6月13日、2016年9月25日、2017年7月12日、ポルトガル、ベイラ地方で撮影、

 

ヤグルマギク属には草丈 30-120cm の一年草または多年草で、寒さには強いものが多い。葉は細長く、前縁のものもあるが、1回または2回の羽状複葉のものが多い。

 

花は管状花からなる頭状花で、アザミに似た姿のものが多いが、頭状花の組成が粗く、マツムシソウの花のように見えるものもある。花色は、青・紫・藤色などのブルー系と、黄花のイエロー系に分かれるが、園芸種には白・ピンク・紅色などの品種もある。属名のケンタウレアはギリシャ神話に出てくる半人半馬の怪物ケンタウロスが由来。英語読みにしてセントーレアまたはセントレアと呼ぶこともある。ケンタウレア・マキュロザは「世界で最も研究されている外来種」のベスト3にランクされている。

 

下記はケンタウレア・マキュロザを使った興味深い研究報告です。長いですが全文を掲載します。ヤグルマギクの1種(Centaurea maculosa、キク科)はもともとヨーロッパ種ですが、これを米国西部に導入したら、北米の野生種を追い出して、これに置き換わってしまっていました。この原因は C. maculosaが毒素カテキンを生産し、北米に土着の野生種の発芽や生長を抑えるためであることが明らかになりました。ヨーロッパ種は、C. maculosaを含めて、カテキンには抵抗性で、この植物の周りの土壌に蓄積したカテキンの量では全く影響を受けません。しかし、在来種の C. diffusaはカテキンに感受性で、カテキンにより反応性の高い活性酸素が発生し、これによりCaイオン関与のシグナル伝達が起こり、遺伝子発現に変化を生じて細胞が死ぬことが明らかにされています。外来種が在来種を追いやるのは主に繁殖力の違いにあると考えられてきました。したがって、植物が化学的な作用によってお互いに干渉しあうという考え方は従来は受け入れらませんでした。毒物を供給する側の植物は、この毒物を受ける側の植物の周囲にその毒物を運ばなければなりません。

 

 

 

作る側の植物の周りの毒物量は受ける側の植物の周りよりも高いはずです。ということは、作る側の植物はこの毒物に対して抵抗性になるように進化してきたに違いありません。しかし、受ける側の植物にも抵抗性を高めるような淘汰圧がかかります。したがって、植物が共存すればその植物種はお互いの毒素に抵抗性を進化させていかなければなりません。しかし、共存しない場合は、お互いの毒物に対して感受性が異なっても不思議はないと考えられます。従って、アレロパシーも外来種が蔓延する原因の1つと考えられるようになりました。

ホウセンカの1種(Impatiens glandulifera)は、英国では、最も侵略性の強いものの一つですが、この近縁種であるキツリフネ(Impatiens noli-me-tangere)は数が少なく、絶滅危惧種です。これも化学物質に対する抵抗性の違いによるものと考えられます。 また、ヤグルマギクC. maculosaの在来生息地にいる土壌微生物は雑草の生長を抑制する効果が高く、侵略地である北米の土壌微生物は、C. maculosa自身の生長を高める作用が強いことが示されています。これらのことから、この外来種の侵略を北米で成功させた理由は、化学物質だけではなく、根圏の微生物相の違いも影響していると考えられています。(ドクトル・ミツイの生物学雑記帳/いきものの不思議より)

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(GKZ植物事典より)和名は、学名の音読みから。属名の Centaurea はギリシャ神話に登場する半人半馬のケンタロウスに因んでいる。ケンタロウスがこの草で矢傷を治したという話に因んでいる。種小名は「斑点のある」の意。

ケンタウレア・マキュローサーはキク科の多年草である。茎はあまり太くはならないが、直立し、上部で分枝をして横枝を長く張り出す。茎には細毛が散生する。草丈は30~100㎝程度となる。根生葉はロゼット状に地に張り付くように広がり、長さ12㎝、幅5㎝程度で羽状に深裂する。茎葉は狭楕円形~線形へと変化し、先端部は尖り、茎に互生する。茎葉の基部には小葉のような托葉がつく。5~7月頃、茎頂並びに枝先に径1,2㎝程度の花を付ける。総苞は卵形で、総苞片の先端部は毛深く黒色となる。(GKZ植物事典より)

 

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アルメリア・プンゲンス Armeria pungens

2021-08-03 10:27:41 | ポルトガルの野の花

イソマツ科、Plumbaginaceae、ハマカンザシ(アルメリア)属、イタリア(サルディーニア)・フランス(コルシカ島)・イベリア半島(スペイン・ポルトガル)に分布、

学名:Armeria pungens、

英名:Spiny Thrift、葡名:Cravo-das-areias、

2004年4月、2018年1月15日、2019年12月25日、ポルトガル、アルガルベ地方で撮影、

 

アルメリア・プンゲンス Armeria pungens の花。小さな潅木で成長し、約80センチメートル(31インチ)の高さになる。

 

アルメリア・プンゲンス Armeria pungensのつぼみ。

 

開花期は3月から7月まで。

 

沿岸の砂丘と海岸で、海抜約0-1メートル(0.0-3.3フィート)の標高で生える。

 

イタリア( サルデーニャ )、 フランス ( コルシカ )、 ポルトガル 、 スペインに特有のもの。アルメリア・プンゲンス Armeria pungens でした。

©2021 MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は、学名の音読みから属名はケルト古語を語源とし、「海岸に自生する植物」の意。種小名は「鋭刺状の」の意。

アルメリア・プンゲンスはイソマツ科の常緑樹である。本種は、ヨーロッパでも原産地の項に記した極く限られた地域の沿海地にしか分布しない灌木である。樹高は30~80㎝程度となる。茎葉上部で分枝する。葉は、長さ6~15㎝、幅1~3,5㎝程度の線状で茎を取り巻くようにつく。葉の先端部は刺状となる。5~7月頃、長い花茎の頂部に径3㎝程度の頭状花序を出し、淡桃色の5弁花を多数つける。(GKZ植物事典より)

 

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マルヴァ・ニカエエンシス Malva nicaeensis

2021-08-02 10:30:20 | ポルトガルの野の花

アオイ科、Malvaceae、マルヴァ属、地中海沿岸地域原産、

学名:Malva nicaeensis、

和名:ミナミフランスアオイ(南仏蘭西葵)、

英名:Bull Mallow、French Mallow、Mallow of Nice、

葡名:Malva、

2009年6月13日、2016年1月29日、2月7日、2018年1月25日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で撮影、

 

マルヴァ・ニカエエンシス Malva nicaeensis の花。花の直径は6mmほどと極小。花の色はピンクと紫のストライブで、葉の付け根に咲く。

 

高さは60センチほどになる。葉は幅12センチほど。葉や茎は食用になる。

 

この場所から大西洋の荒波を望むことができる。人は足元に気付かず、遠慮なく踏んでいく。

 

 

 

他の草に取り巻かれて必死で生きている、マルヴァ・ニカエエンシス Malva nicaeensis でした。

©2021 MUZVIT

 

(GKZ植物事典より)和名は学名の直訳から。属名の Malva とはギリシャ語の malache(=軟らかくする)を語源とし、この属の植物の持つ粘液に苦しみや痛みを和らげる緩和剤の効用が認められるためという。種小名は「(フランス)ニースの」の意。

ミナミフランスアオイは、アオイ科の越年草~多年草である。草丈は60㎝程度となる。茎は幾分赤味を帯びていて、周囲には白色の細毛が密生する。葉は、径12㎝程度の掌形で、縁部は波状となるか、或いは浅裂してジグザグ状となり、基部では長い葉柄に連なり茎に互生する。5~7月頃、葉腋に径6㎜程度で、白地~桃色地に濃桃紫色の条線模様の入った花を付ける。花は5弁花で、萼片の裏面には細毛が密生する。花後には円盤状の果実を付ける。本種は、北米・オーストラリア・ニュージーランド・西アジアでは帰化状態にある。(GKZ植物事典より)

 

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