takubonpapa blog

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スクールニューディール構想

2009-06-21 11:27:48 | 学校事務
 7月30日から開催される全国制度研埼玉大会の分科会づくりのための会議に出席してきました。先日文部科学省が発表したスクールニューディール構想を含む補正予算についての話題が多く出されました。就学援助費財源の保障や、これまで買えなかった理科備品の購入、武道場の設置など評価できる部分もありますがバラマキとも言える内容も含んでいます。

 今回の文部科学省補正予算は学校施設の耐震化・エコ化・ICT化などの「スクールニューディール」構想、理科備品費の全額国庫負担、大学設備の改修、科学技術研究支援、国営マンガ喫茶?、体育館・陸上競技場・中学校武道場の整備、高校生の授業料減免、NICU設置など大学病院の改修などで総額1兆3,174億円の予算規模です。国会で審議された補正予算規模は15兆円なのでほんの一部ではありますが景気対策とはいえ大変な額でこれらは全て消費税増税で回収つもりなのでしょう。

 現場の状況で言えば、教育委員会は理科備品にしろ、地デジテレビにしろ今回を逃したら購入できないという姿勢で有効に活用する計画を立てているのはどこの自治体も同じでしょう。しかし学校の中で予算を預かっている立場としてはビミョーなところです。

 子どもの安全安心に関わる耐震化を早急にお願いしたいというのは何年も前からの課題です。しかし昭和40年代に建てられて老朽化した校舎は屋上の防水、水道の配管、電気配線のアンペア数、パテでガラスを固定する鉄サッシ(網戸なし)、灯油の配管なし、冷房なし、どれも限界に達しており建て替えが必要です。とてもソーラーパネルを上げている場合ではありません。
 
 地デジ対応テレビについては、あるにこしたことはないけれど現状はビデオやDVDしか観ないのでモニタとしての機能だけあればいいので別に地デジである必要はありません。現場の先生はプロジェクターとスクリーンを持っていって設置する手間と時間を惜しんでいるだけなので、理科室やパソコン室などにDVDプレーヤー付き液晶プロジェクターとスクリーンを常設してくれたほうが余程効果があると思います。

 こんな機会でもないと買ってもらえない人体模型などの高額な理科備品だって、学校で必要とした数量の何倍もの購入を検討するという予算規模に合わせた数字あわせが行われています。
 1万円以下の理科備品も買っていいことになっているようですが消耗品ではなくて備品というところがミソです。学校現場では子どもたちの多様な発想(仮説)に合わせて実験を行えばそれなりの時間と経費がかかります。逆に先生の所に子どもたちを集めて先生が1人で実験を行えば、すぐに答えが出て時間も経費も少なくて済みます。しかし本当にこの国が科学技術立国を目指すのであれば前者の授業を行う時間と経費の条件を整える事ではないでしょうか。つまり高額な備品を必要以上に買うよりも、実験のための器具や試薬などを潤沢に用意することの方が先だと思います。

 どれもこれも国の政策や新学習指導要領に沿った内容で、指導要領でいれば科学技術立国を目指すための理数と、英語、それから規範意識を育てる道徳に絞って財政を投入することは予想どおりです。そこに官僚や財界の思惑が絡んできて景気対策の一面が強く出ています。このあたりが学校現場の要求とのズレを生んでいるのだろうと思います。

 お金の使い方を決めるのは政治の仕事ですが、1人の学校事務職員としては給食費の集金・未納処理・支払いにかかる時間と労力を考えると全額税金で負担して欲しいくらいです。こういう時代だから朝食を食べさせてもらえない家庭もあり、給食だけが栄養源と思われる子どもも存在しています。夏の午後は30度を超して子どもたちの熱気でむせ返る教室にはエアコンが必要です。子どもたちが安全で快適に学校で過ごせるための衣食住の整備が必要なのです。
 備品の不足だってもともと国庫負担だった教材費を一般財源化したことが原因です。就学援助も同じです。高校の授業料免除だって国際人権規約A規約13条を保留していることが世界基準から立ち後れている原因だと思います。もっと高等教育にも税金を投入して親の失業によって学校を辞めざるをえない学生を無くすことが先だと思います。

 つまりはもっと現場の声を聞いてくれっつー事なんだけど、少なくともこの政策で地域経済が活性化して景気が良くなってくれて、若者に正規の仕事が行き渡ることを願っています。
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