takubonpapa blog

 日常の出来事や感じたこと、Mac、バイク、キャンプ、さだまさし等について書いてます。

下流社会

2006-01-25 20:30:06 | 最近読んだ本
 これまで「機会不平等」「パラサイト社会のゆくえ」「希望格差社会」「封印される不平等」など階層格差拡大を分析した本を読んだけれど、この本も独自の調査をもとに分析して後半で自分の考えを述べている。
 
 独自の調査のサンプル数が少ないので調査結果の信頼度は低い気がするが、共感できる分析をしている。親の所得階層が子の就職・結婚・出産にまで影響を及ぼすといいう分析はちょっと大げさかもしれないけれどそうかもしれないと思わせられた。
 本文の中で仕事、お金より、個人の趣味、NPO、ボランティアなどを重視する人が増えていて、その人たちは下流に多いと分析しているけれど、果たしてそうなのだろうかと思った。バブル崩壊以降の閉塞感を打破するために新自由主義による規制緩和政策が進められ、お金が全ての拝金主義が蔓延した結果として耐震強度偽装やライブドアの粉飾決算の事件がおこっていると考えられる。だけど世の中には階層を問わず、お金はもちろん必要だけれど会社や仕事に命をかけるのではなくもっと別のところに生きる価値を求めている人たちが増えているのではないかと思う。そしてその方が人間的でまともな生き方だと思う。
 ニートやフリーターが増えているのだって、その多くは不本意だけど仕事がないから、将来に希望が見えないからという「あきらめ」があると思う。あきらめてもどうにもならないという社会の厳しさもあるが、本人だけの問題ではないと思うのだ。団塊の世代が既得権と所得水準を維持しているから、そのしわ寄せが若い世代にいっているとも考えることができる。あと5年の間に団塊が大量退職し、若い世代に正規雇用の椅子が回ってくるからもう少し我慢すれば何とかなるかもしれないな。

 「おわりに」の部分で下流社会化を防ぐための具体策を提案している。頑張っても頑張らなくても結果が同じよりは、成果主義を求める人が増えている。つまり結果までは平等にしなくてもいいけれど機会の平等だけは維持しなければならないとし、具体的に教育をあげている。親の所得階層や分化階層それから地域によって次の世代の階層が決められないように教育費を全額無償にすることなども提案している。まさに現行教育基本法の精神と一致すると思った。
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