2017.1.21 赤旗「主張」
安倍首相施政方針 偽り重ねて暴走加速許されぬ
政権復帰後5年目に入った安倍晋三首相の施政方針演説を聞きながら、強い怒りが何度もこみ上げました。米国との同盟強化を真っ先に誓い、沖縄県民が反対している新基地建設推進をうたう。国民に犠牲を強いる社会保障削減を成果と自慢する。「次なる70年」への国づくりだとして改憲姿勢をあらわにする―。安倍首相の国会演説は、これまでも肝心なことは語らず、美辞麗句で悪政をごまかしてきましたが、今回の施政方針はさらに偽りを重ね、国民の願いに逆らう姿勢を際立たせた異様な演説です。危険極まる強権政権打倒のたたかいは、いよいよ急務です。
まず「同盟強化」誓う異様
なにより耳を疑ったのは、演説の序盤に外交問題を持ってきたうえ、その冒頭で「日米同盟こそわが国の外交・安全保障政策の基軸」であり、「不変の原則」と言い切ったことです。歴代自民党政権も対米追随の立場だったとはいえ、ここまであけすけに米国追従ぶりを示した施政方針は、異例中の異例です。しかもトランプ新大統領の就任直前に、何があろうと日米同盟の優先を“宣誓”したことは、在日米軍の費用負担などで米国から理不尽な要求があっても受け入れることを公言したのに等しく、常軌を逸しています。
沖縄・辺野古への米軍新基地建設に反対し、墜落事故を引き起こした米海兵隊機オスプレイの撤去を求める県民・国民の切実な声は、首相の耳に入らないのか。
武力衝突が絶えない南スーダンのPKO(国連平和維持活動)に派兵された自衛隊部隊に「駆け付け警護」などの新任務が付与され、戦後初めて自衛隊員が「殺し殺される」危険が高まり、国民の不安も広がっているのに、首相の演説は、戦争法に触れません。それどころか自衛隊が南スーダンでグラウンドを整備した例をあげ、「安全」ばかり強調しました。深刻な危険を覆い隠し、派兵を正当化する姿勢は不誠実で無責任です。
暮らしを支える社会保障費の伸びを毎年5000億円以上削減したことを“実を結んだ”と得々として語り、いっそう推進すると表明した演説のくだりには、言葉を失いました。この削減路線によって社会保障の本来の機能が壊され、多くの国民の暮らしや健康が犠牲にされた実態を知らないとでもいうのか。かつて自民党政権すらその破綻ぶりを認めざるを得なかった社会保障削減路線を続行すると公言してはばからない安倍首相の暴走は、あまりにも異常です。
行き詰まる経済政策「アベノミクス」では相変わらず都合のいい数字の羅列に終始し、失政への反省はありません。発効が絶望的なTPPへの固執も危険です。国民の思想や内心までも取り締まる共謀罪を、東京五輪の「テロ対策」でごまかし、強行しようという姿勢は悪質というほかありません。
戦後の歩みの逆流を阻み
首相は演説で「未来」を20回以上繰り返しました。念頭にあるのは「戦後」を終わらせ、「次なる70年」への「新しい国づくり」―すなわち改憲です。首相が、改憲案を国民に示すため国会の憲法審査会で具体的議論を深めることを呼びかけたことは、憲法を守り生かすことを痛切に願う国民への、あからさまな挑戦です。歴史逆行の憲法破壊を阻止する世論と運動を広げることが決定的に重要です。
安倍首相施政方針 偽り重ねて暴走加速許されぬ
政権復帰後5年目に入った安倍晋三首相の施政方針演説を聞きながら、強い怒りが何度もこみ上げました。米国との同盟強化を真っ先に誓い、沖縄県民が反対している新基地建設推進をうたう。国民に犠牲を強いる社会保障削減を成果と自慢する。「次なる70年」への国づくりだとして改憲姿勢をあらわにする―。安倍首相の国会演説は、これまでも肝心なことは語らず、美辞麗句で悪政をごまかしてきましたが、今回の施政方針はさらに偽りを重ね、国民の願いに逆らう姿勢を際立たせた異様な演説です。危険極まる強権政権打倒のたたかいは、いよいよ急務です。
まず「同盟強化」誓う異様
なにより耳を疑ったのは、演説の序盤に外交問題を持ってきたうえ、その冒頭で「日米同盟こそわが国の外交・安全保障政策の基軸」であり、「不変の原則」と言い切ったことです。歴代自民党政権も対米追随の立場だったとはいえ、ここまであけすけに米国追従ぶりを示した施政方針は、異例中の異例です。しかもトランプ新大統領の就任直前に、何があろうと日米同盟の優先を“宣誓”したことは、在日米軍の費用負担などで米国から理不尽な要求があっても受け入れることを公言したのに等しく、常軌を逸しています。
沖縄・辺野古への米軍新基地建設に反対し、墜落事故を引き起こした米海兵隊機オスプレイの撤去を求める県民・国民の切実な声は、首相の耳に入らないのか。
武力衝突が絶えない南スーダンのPKO(国連平和維持活動)に派兵された自衛隊部隊に「駆け付け警護」などの新任務が付与され、戦後初めて自衛隊員が「殺し殺される」危険が高まり、国民の不安も広がっているのに、首相の演説は、戦争法に触れません。それどころか自衛隊が南スーダンでグラウンドを整備した例をあげ、「安全」ばかり強調しました。深刻な危険を覆い隠し、派兵を正当化する姿勢は不誠実で無責任です。
暮らしを支える社会保障費の伸びを毎年5000億円以上削減したことを“実を結んだ”と得々として語り、いっそう推進すると表明した演説のくだりには、言葉を失いました。この削減路線によって社会保障の本来の機能が壊され、多くの国民の暮らしや健康が犠牲にされた実態を知らないとでもいうのか。かつて自民党政権すらその破綻ぶりを認めざるを得なかった社会保障削減路線を続行すると公言してはばからない安倍首相の暴走は、あまりにも異常です。
行き詰まる経済政策「アベノミクス」では相変わらず都合のいい数字の羅列に終始し、失政への反省はありません。発効が絶望的なTPPへの固執も危険です。国民の思想や内心までも取り締まる共謀罪を、東京五輪の「テロ対策」でごまかし、強行しようという姿勢は悪質というほかありません。
戦後の歩みの逆流を阻み
首相は演説で「未来」を20回以上繰り返しました。念頭にあるのは「戦後」を終わらせ、「次なる70年」への「新しい国づくり」―すなわち改憲です。首相が、改憲案を国民に示すため国会の憲法審査会で具体的議論を深めることを呼びかけたことは、憲法を守り生かすことを痛切に願う国民への、あからさまな挑戦です。歴史逆行の憲法破壊を阻止する世論と運動を広げることが決定的に重要です。
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