takubonpapa blog

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1mSv/年 0.19μSv/時

2011-05-27 22:18:29 | 教育
 学校での子どもの屋外活動の制限値を3.8μSv/時としていた文部科学省が、多方面からの抗議を受けようやく平常時の制限値である1mSv/年(0.19μSv/時)を目指す事を表明した。

福島県内の子供、年1ミリシーベルト以下に 放射線量で文科省方針

2011/5/27 11:40(日経)
 文部科学省は27日、福島県内の学校に通う子供が受ける放射線量を年間1ミリシーベルト以下にすることを目指し、低減策に取り組む方針を明らかにした。ただ、屋外活動を制限する毎時3.8マイクロシーベルト、年換算で20ミリシーベルトの暫定基準は撤回せず、夏休みとしている見直し時期も変更しない。

 国際放射線防護委員会(ICRP)は一般の人が平常時に浴びてもよい線量を年1ミリシーベルト以下としている。これに従うと屋外活動の制限対象になる学校が多数に上ることが見込まれ、同省はすぐに引き下げるのは現実的ではないとみている。

 一方で保護者らの不安が強いことを踏まえ、1ミリシーベルト以下を目標にする姿勢を明確に示す必要があると判断した。今後、専門家の意見を聞いて線量の低減策を検討する。

 また、線量低減のため校庭や園庭の表土を除去した県内の教育施設について、国が費用のほぼ全額を補助することも決めた。校庭などで毎時1マイクロシーベルト以上を計測した施設が対象になる。県内の全学校などに積算線量計を配布し、6月から計測を始める。


 3.8μSv/時という数字を撤回しないあたりが文部科学省らしいが、日弁連・日本医師会・PTA、そして子どもたちを守るために立ち上がった母親たちの運動の成果だろう。俳優の山本太郎もTwitterで批判したりデモに参加したり、そのせいでテレビ局の最大のスポンサーである東京電力から圧力がかかったという噂もあるがなかなか骨のある人だと思った。

 普通に考えたら大人は腹を括るとしても、子どもに対しては平常時の1mSv/年にするための条件整備があってしかるべきだと思う。しかし教職員組合や現場の教職員の動きはにぶかった。学校には子どもの安全を最大限配慮する義務があるが、文科省→県教委→市町村教委という官僚機構の中で文部科学省が打ち出した3.8μSv/時という数字に正面から異を唱えられる校長はおそらくいない。保護者から聞かれても「文科省が決めた事だから信じるしかない。」としか答えられないのが実情だ。そもそも3.8μSv/時という数字は何も決められない校長→市町村教委→県教委が文部科学省に対して求めたから出て来た数字で、文部科学省は数字は出したがどうするかは市町村教委の判断にゆだねるという責任のなすりあいの産物だったと思う。
 学校の中では、子どもに通常どおりの活動をさせたいという情熱から「3.8μSv/時よりもかなり少ない数字だから問題ない」という考えが体育会系(勝手な思い込みだが)を中心にして多数派を形成していたように思う。組合やイデオロギーに関係なく、まじめなセンセイほどその傾向が強いのではないだろうか。

 教職員組合は日頃は「教え子を戦場に送らない」というスローガンを掲げてる割に、「教え子を放射線から守る」という意思を打ち出せなかったのは現場でも抱えている教職員の迷いがあらわれているような気がする。また、被災教職員の対応や8月1日に行われる人事異動の対応で手が回らなかったのかもしれない。でもやっぱり将来子どもたちが大人になった時に「あんたたち大人は自分の仕事や生活を守ろうとするエゴで、オレたちを危険に晒した。」などと言われないように最大限の安全配慮と通常どおりの活動ができるための条件整備をすることが大前提だと思う。
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