春季例大祭

　神楽芸能保存会が解散し今年からウチの地区はムラの尊社の祭りに神楽奉納をしないことになっていた。しかし先輩たちがどうしても継続したいと言うことでまたオレらに声がかかってしまった。オレらがこの先いったい何年やってなければならないのかという先の見えないプレッシャーから解放されたくて解散を言い出し、その声を保存会の親方が現実のもにしたという経緯からすれば微妙なものがあった。

　オレとしては今年は世話人になっており、どうせ行かなくちゃならないし近くの先輩から頼まれて断り切れなかったというところか。まあ練習もしてなかったからお粗末な仕上がりではあったが一応今年も継続したいうところだ。来年は世話人ではないからおそらく行かないと思うし、頼まれてもやらないと思う。伝統芸能を継承したいという思いはあるけれど、これを過疎のムラ社会の中で実際に継続していくということは容易なことではないと感じている。

　先輩たちがどうしても続けたいのであれば自分たちでやればいいと思う。今後も世話人を中心にメンバーを揃えて集まったらやるという緩い考えでもいいのではないだろうか。とにかく経緯はどうあれ祭りにかこつけて区民からお金を集め、酒飲みをすることが目的になってしまっては（そう見られるようになっては）継続することは難しいのではないかと思う。