ケイシロウとトークアバウト

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刺身ストリート

2024-05-22 21:34:00 | 日記




ある晴れた日、
雲も流れ去って、
テルミは素敵で秘密な場所に行こうとしていた。
そんなテルミに、
ダチの百合が、
「あたしにも教えてよ、刺身ストリートのことを?」とお願いしたが、
テルミはスルーした。

刺身ストリートこそ、
期間限定に、
普段閉まっている店舗が、
活気づいて開店して、
刺身食い放題サービスを展開する。
しかも新鮮魚介類の数々に、
魔法にかかったように、
刺身ストリートを知る者のみが集い、
刺身のひとつひとつが、
味覚を、
陽が降り注ぐ海原へと誘う。

が、
知る者のみの割には、
むちゃ人が多い。
各店舗には長蛇の列。
テルミも3時間待ちで、
10分以内に入れる状況となった。
そして、
テルミら数人が入ることで、
売り切れ御免で、
他のお客様はお断りになるんやった。

ところが、
少し後方にいた怨讐(おんしゅう。情けと恨みの意)の友、しのぶがいたことに、
テルミは気付かなかった。
しのぶは、
「テルミ!刺身ストリートのことをWhy didn't you tell me(なぜ言ってくれなかったの)?」と言った。
テルミはスルーすると、
しのぶは驚きの声を上げ、
「ふなこしさんだ!テルミの片想いの?」と大声出した。
テルミがふなこしの方を見ると、
ふなこしはテルミを手招きしていた。
テルミは胸がドキドキ💓
しのぶが、
「早くふなこしさんのところに行きなさいよ!愛を掴み取るのよ!」と急かすので、
テルミは列から離れてふなこしのところに駆けて行った。
が、
ふなこしは、
猛ダッシュで逃げ去った!

テルミは愕然🫨と列の方を見ると、
しのぶ達が店に入ろうとしていた。
『売り切れ御免』の看板が出された。
テルミはしのぶにガチガチガチにキレて🤬💯
「待ちなさいよ❗️卑怯なまねして❗️あたしが入るはずだったのに、汚ないわ❗️」と怒鳴った!
しのぶは冷ややかに、
「大海原は穏やかな波ばかりじゃなくてよ」と言った。
テルミは泣き出して😭
「あんたは鬼かますみたいなオンナね!」と言った。

そこに、
ねじり鉢巻した、
漁師スタイルのオヤジが現れた。
刺身ストリートの経営者やった。
オヤジはしのぶに、
「こんなイカ🦑が墨を吐くような真似をして店に入ろうなんぞ、刺身ストリートの掟に反する!」と強く言った。
しのぶは、
「やかましい!岸壁にぶつかったぶりみたいなツラしやがって!そんなことじゃ釣り糸にはナニもかからんぞ!」と言い返した。
オヤジは着ていた自身の服を裂いて、
「刺身ストリートでこれほどの汚しゴトを口にした者があったやろうか⁉️」と叫び、
しのぶを刺身ストリートからの追放処分とした。
しのぶは追い払われる際、
「お前たちに赤潮がいつまでも起こるように」と、
呪いの言葉を吐いて、
立ち去った。

翌年、
中国🇨🇳の乱獲から水揚げ量が激減し、
刺身ストリートは終わってしまった。
しのぶの言う赤潮こそ、
赤い思想を持つ中国🇨🇳の乱獲のことか、
たまたまそうなったのかは謎やけど、
刺身マニアにしたら、
寂しいもんやった。

今も、
かつて、
刺身ストリートで賑わっていた、
閉ざされた店舗に、
テルミ達は集まり、
「晴れ渡り、雲も流れ去った、味覚の魔法の海原、刺身ストリートの行き方を誰か教えて」と、
悔やむんやった。