イヌの先祖はオオカミです。ネコと同じように中東のオオカミが家畜化されイヌになったと言われています。
オオカミの生態的な研究は、ドイツで初めて行われました。この学者は群れの行動を調べるため、
各地で飼われていたオオカミを一箇所に集めてその行動を観察した研究をしました。
これがのオオカミの生態にかんする初めての研究でした。
血縁関係のない寄せ集めのオオカミの群れは当然、お互いがよく分からないため毎日のようにケンカし、
順位が決まって行きました。
負けたオオカミ(負け犬とおなじ)は惨めな立場になり、上位のオオカミの言うとおりになります。
結局一番強いオオカミがリーダーになり、いうことの聞かないものは暴力的に懲らしめて群れを統率してゆきました。
この研究の結果、オオカミはリーダーになるためにはケンカしてほかを屈服させ、いうことを聞かせる。
オオカミの血を引いているイヌも同じで、だから飼い主はいつもイヌを叱りつけ、
場合によってたたいたり、ぶったりしてしつけ、私がリーダーであることを知らしめておかなくてはならない。
このオオカミに対する研究の誤解から、イヌしつけに関する間違った考えが全世中に蔓延しました。
イヌのトレーナーはこの理論に従って、イヌを徹底的にいじめ抜き、しつけました。
ところが近年、オオカミの若い研究者がたくさん現れ、驚くべき発見を次々にしていったのです。
その第一は、オオカミの群れは家族であるということです。父と母と第1子の兄・姉のこどもたち、
そして、第2子の弟・妹の子どもたちの群れなのです。第3子が生まれる頃に、第1子の子どもたちは独立してゆきます。
そして、オオカミの群れのリーダーは父親です。サブリーダーが母親、リーダーは自分の子どもたちがいずれ独立して生きてゆかなくては
ならないので、愛情を持って、厳しくしつけます。
もちろん群れ(家族)で協力しながら獲物を狩らなくてはなりませんので、へまをする子どもたちには厳しく当たります。
こうして、愛情に満ちた家族の群れで協力し合って生きていることが分かりました。
人間でも、しつけの悪い子はとんでもない事件を起こします。愛情を持って厳しくしつけて1人前の人間になります。
イヌも同じなのですね、別に自分の地位を狙ってリーダーになろうとすることなど考えていません。
ですから、イヌにたいしては家族として、ときに厳しく、愛情を持って育て、しつけしていけば良いのです。
近年のトレーナーはこの辺をわきまえてイヌのしつけをしています。でも中には昔のこの間違ったしつけをしている
人も少ないけどいるようです。
今日はネコではなくイヌの話になってしまいました。