絶好調超!!

嵐・大野智さんとにゃんこをこよなく愛するワタシの日々のあれこれ

皇室の名宝~動植綵絵

2009-10-16 22:34:56 | 日々の徒然
大野くんが「大好きな画家」と言っている伊藤若冲さん。
大野くんの気持ちとシンクロできたらいいなぁと思って、私も見に行きました。

仕事が終わってから行ったので、もうずいぶんと日が暮れていて
ライトアップされている噴水とか建物がとてもきれいでした。

チケットを買っていそいそと中へ。

けっこうな人ごみにびっくり!
土日ならともかく、平日でも混んでいるんですね。

教科書とかで見たような屏風絵の次にありました。

若冲さんの絵が。

まずは、‘動植綵絵’に先立って描かれたという‘旭日鳳凰図’

極楽浄土があるとしたら、そこにはこんな鳥がいるんだろうな。
そう思わずにいられない絵でした。

細かく丁寧に書かれた鳳凰の羽。
リアル過ぎて気持ち悪いくらいの足。
不思議な質感の波しぶき。
繊細にリアルに描かれた笹(?)の葉。
極楽を思わせる艶やかだけど品のある色使い。
そして、何より、「目」がすごい。
何を考えているのかわからない、感情があるのかないのかわからない、
そんなちょっと怖い感じの鳥の目、そのものがそこには再現されていました。

続いて、いよいよ‘動植綵絵’

141~3×79~80のものが30幅。
それがずらりと並ぶだけでもすごい迫力です。

イメージでは、金曜の夜、のんびりと眺めるはずだったんですが、
そんなことはムリムリ!!
びっしりとできた人の壁。どうやってみようかな、と思ったのですが、
まずは、近くで細かいところまでじっくりと見たいなぁと思って、
順番に並ぶ列に加わりました。

この人は…一体どういう人だったんだろう?
どれだけ真摯な思いで鳥や花や、命あるものを見つめたんだろう。
小さな鳥や、魚、昆虫、蛇や蛙や…。
どれもただリアルなだけじゃなくて、どことなく愛らしく、
いとおしい気持ちになる。

そしてこの色彩感覚。
九谷や鍋島に通じる感覚なのかな?
金がかった白孔雀のしっぽはあざやかな金、青、緑。
足もとには、赤、白、桃色(?)の牡丹。
花弁の黄色が花色をひきたててます。

真っ黒にトサカの赤が毒々しいほどの鶏には南天。
強烈な印象を与えながらも、どこか品があります。

そうかと思うと、薄墨色に近い枝にほんのりと色づいた梅の花。
それをぼんやりと照らすまんまるお月さま。
すべてが淡く、やわらかい世界。

画面全体がさまざまな緑色で構成されたものや、雪の中に遊ぶ鳥を
温めるように咲く薄紅色のさざんか。
そんな枯れた色味で描く自然の中の小さな命。

極彩色の艶やかなもの、落ち着いた色味でまとまられたもの。
そのどれもに、命を授けられてこの世に生まれてきた者たちへの
若冲さんの深い愛情を感じます。

30幅すべてが全身全霊で描かれた素晴らしい作品で
見れば見るほど、新しい発見があります。
この出会いは大野くんのおかげですね。
どうもありがとう!

他の展示品も、教科書で見るような大作がいっぱいでした。

顔料や染料を使った繊細な色味。
「青」と呼ばれるものでも、たくさん種類があって
どの色を何と呼ぶのかわからない自分がちょっと情けないです。
せっかくこの日本に生まれたんだから、この国の美しいもの、
もっともっと見ていきたいですね。

私が特に気に入ったのは、酒井抱一さんの花鳥十二ヶ月図です。
若冲さんに比べるとあっさりとはかなげな感じで、余白を残した
構図が美しく、やわらかで伸びやかな草花とひっそりとたたずんでいる
生物に控え目な美しさを感じます。

後は、七宝の‘四季花鳥図花瓶’(つややかな黒地に季節の草花や
鳥たちの繊細な絵)や‘唐花文花盛器’(直径80cm近い2個組の花器
緑の濃淡が美しい)に心魅かれました。

最後の展示品は上村松園さんの雪月花。
なんて繊細で美しい絵なんでしょう。
さらりとした黒髪が今にも風に揺れそうです。

閉館10分前くらいにもう1度若冲さんのところに戻ってみました。
さっきよりは人が減っていたのかな。
今度は少し離れた所から、全体を眺めてみました。
アップで見た時とはまた違った「一幅の絵画」としての落ち着いた
まとまりを感じました。

この絵が相国寺にあった時のことを思ってみました。
お寺の奥の薄明かりの中、釈迦三尊とともに安置されている
生きとし生けるものを写しとった極彩色の世界。
どんなふうに並んでいたのでしょう?
今は想像するばかりです。

決して遠いわけではないのに、なかなか行くことのない美術館。
去年の夏、ガレを見た以来でしょうか。
久しぶりに、のんびりとした非現実的な時間をすごくことができました。
こんな時間をプレゼントしてくれた大野くんに感謝♪です。


伊藤若冲 動植綵絵