絶好調超!!

嵐・大野智さんとにゃんこをこよなく愛するワタシの日々のあれこれ

映画 ブラック・スワン

2011-05-31 01:02:41 | 映画
不思議な感覚が残る映画でした。

画面の作り方、色味だったり、アップの多さだったりが
あんまりハリウッドっぽくなくて、怖さをそそる雰囲気。

全体を通して、現実だったのか、ニナの妄想だったのか、
境界があいまいで、それも怖さアップ要因かな。

徐々に常軌を逸していくニナの表情がとてもうまい。

でも何より怖かったのは、ニナのお母さんとの関係性。
自分の果たせなかった夢を娘に託す…というのはよくあること。
でも、エリカ(ニナの母親)の場合はそれだけじゃないんだね。
もう完全に自分の所有物、というか創作物?
完全に支配しないと気が済まない。
だから、ニナが自分を超えることが心の底では我慢ならない。
娘が自分を超えること=自分の手から巣立ってしまうってこと?
主役になれなくても仕方ない、‘4羽の白鳥の踊り’でもいいじゃない。
それなら、いつまでも自分がニナの上に君臨できるから?
優しい母親だと、自分でも信じて疑ってない。
心の底にある嫉妬心には気づいていない。
「やっぱりあなたに主役はムリなのよ」
本当に娘を思っている母親ならこんなこと言わない。

そんな、母親の作った鳥かごの中で、母親の顔色を
うかがいながら過ごしてきたニナにとって、
「感情を開放する」ことはなによりむずかしいこと。

どうしたら?どうしたら?って思い詰めるうちに
精神的に病んでしまったんだね。

ニナに友だちがいたらよかったのにね。
母親に反抗する気持ちが芽生えても、
今まで他人との接触がなかったから
いろんな想いを人と共有できない。
せっかくそばに来てくれたリリーのことも
信じられなくて、被害妄想に走ってしまった。

リリー、好きだなぁ。
サバサバしてて、同性から見ても魅力的だった。
ニナがどんなに感じ悪くても、気にしないで
ほめるところはほめてくれて。
でもきっと、その魅力的なところもニナにとっては
脅威だったのかもね。

サイコホラーという表現がまあまああってるのかな?
「ニナ妄想ワールド全開」映画ね。

そういう、ストーリー的には好き嫌いはあるかもしれないけど、
ナタリー・ポートマンの変わってゆく様子がやっぱりすごいな。

最後、黒鳥の踊りを踊るニナは強気で自信に溢れてて
それまでのニナとはまるで別人だった。
あと、お母さんに対して怒ってるときの強い目。
ハッとするような、全然違う顔だった。
まさしくアカデミー賞主演女優賞もんですね。