昨日2度目の研究発表があった、元教員の方で社会人枠で東北大学大学院の教育学研究科での修士論文だった。教育現場で感じた事などをテーマとして「不登校の社会学的研究」をまとめられ発表したもので要旨は
明治5年に学制がしかれ小学校、中学校、大学の近代学校制度が導入された。小学校を見ると大正期までの就学率は50%に満たず、昭和初期でほぼ100%これは教育によって戦争に勝つための人作りが行われ、その後名称も国民学校を代えられそれが戦争末期になると勤労動員や学童疎開が始まることになる。
長期欠席は昭和25年頃には5000人だったものが昭和55年頃にはピークで26000人台まで増えて以降高止まりで推移している。
小学校の長期欠席の理由は終戦後から近年まで病気によるものと学校嫌いの数には殆ど変化が無く、経済的理由によるものは激減し殆ど皆無状態である。
昭和28年度の理由で多いのは疾病、家庭の無理解、教育費の家計負担などであった。
学校に行けない苦しみは ①アイデンティティの喪失 ②社会的関係の喪失 ③自尊心の喪失 ④将来の喪失。その原因探しは複雑で特定が難しく特定の事を解消すれば解決するというものではない。
定時制高校がそうした生徒を救う事はある程度可能だが、実際の学力が身についていないなど学力上のつまずきから退学に至るケースもあり、今進められている入試制度の見直し、夜間中学の増設に期待したいという。