先日、放送大学公開講演会が、仙台市戦災復興記念館で開催された。
講演のテーマは、口内や歯を健康に保とうという、「健口は命の源」現在は東北福祉大学の教授で、日本老年歯科医学会会長など数多く歴任され、歯学研究の第一人者と言われる渡邉誠先生。
講演内容を私なりに要約すると、歯が無くなると、顔貌が変わり、それが心へ影響して、外出をしなくなる。
歯の数が少なくなると、脳の海馬、偏桃体が減少する。アルツハイマー病の原因に繋がったり、集中力が失われる。口腔状態は全身とかかわっている。この話は、2月9日(水)NHKテレビ「試してガッテン」のゲストとして出演され各種実験で証明しながら、解りやすく解説された。
驚いたのは、92歳の歯のない寝たきりの女性が、入れ歯を作って物が噛めるようになったら、ベットから離れ、歩くことができるように元気になったことだ。
モノを噛めることによって、生命力が呼び戻されたことを証明している。噛む行為によって、歯と歯茎の間にある歯根膜といわれるところを刺激することがそうした効果を生むのだそうで、、歯が抜けると一緒に歯根膜も失うが、噛む行為によって同じ効果が出るとの事。歯の数が少なくなっても心配ない、歯は無くても自分は噛めるという意識が全体に影響すると言われる。
歯茎を刺激することが大切だそうだ。食べる、話す、笑うなどの歯と口の機能以外に人間として最も大事な生きると言う意欲がそこに深く関係していることを知り、シニアのみならず、若い方にも大いに参考になったことだろう。
気さくに分かりやすく説明くださった渡邉先生。講演会のポスターから転用させてもらいました。