Truth Diary

広瀬河畔で絵の教えを乞う

 4月7日好天に恵まれ桜も咲き出しいい陽気だった。

 かねてからその絵に心服して、いつかは是非手ほどきを受けたいとねがっていた先輩に,以前に描いたものを批評してもらおうと、突然だったが電話をした。先輩から野外で描きたいと思い、連絡しようとしていたところだ早速準備して行こうとありがたい話があった。

 急いで準備して、お宅まで伺うと、すでに玄関脇に、キャンバスやイーゼルを小脇に抱え立ってお待ちだった。

 場所は任せるとおっしゃるので、昨年の秋に久しぶりに絵筆をとった、澱橋上流の広瀬川にした。河畔は散歩する人や、スポーツに興じる人達など思いおもいに、春の穏やかな日差しを浴びて川の恵みを満喫している。

 ずぶの素人の私に実に丁寧に、ご自分で絵筆をとりながら、手本を示し、ひとつひとつ教授してくだされた。

 途中で、コンビニエンスストアまで、ご自分で買出しに行かれ、一緒に筆を休めての昼食となり、春風に吹かれて、一瞬の花見気分を味わうオマケつきだった。

 いつもは、現場で2時間程度で仕上げるそうだが、今回は初心者の弟子に講義しながらだったので、1時間程度多くかかったようだったが、さすが先生は見事に自身の世界を描きあげていた。

 私は、どのようにまとめようかと、試行錯誤ばかりで、筆が進まなかったが、先生は、描き始めの時に、すでに仕上がりの絵を、脳裏にはっきりと浮べているとおっしゃるとおり、せっせと筆を運ばれるのだった。

 名誉や、金銭などに無縁に、ただ描きたい絵を描きたいように、実に天真爛漫に描き続ける、その無欲さが、他の絵描さんに無い、先輩の絵の魅力だと心酔して17年間、ようやく指導の機会を得た。

記念すべき65歳の誕生日。

写真はわが師匠

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