昨日、放送大学宮城学習センターで、教授たちとの懇談会があった。その冒頭ミニ講義があり、「冤罪の心理学 目撃証言と記憶」について大渕客員教授から講義があった。
その中で特に興味をひかれた部分について披露したい。
冤罪には誤った目撃証言によるものと、虚偽自白の二通りがあるそうで、日本においては後者が多く、欧米では前者が多いという。
欧米において、虚偽自白が少ないのは、取調べに、弁護士が同席するからだそうで、日本では、被疑者がたった独りで、法の専門家の前で取調べをうけるから、虚偽自白が欧米に比べ多いのは、分る気がする。目撃証言の不確かさの実証例も、各種検証を通して、正確率は約10パーセント程度といわれている。そしてその道の権威者の次の言葉が印象に残った。
「確信の強さと記憶の正確さは一致しない」
「記憶が詳細だからといって正確とは限らない」。
昨日今日、TVを賑せている、殴った殴らないの会見席で、弁護士を同席させて言質(げんち)をとられまいと慎重に言葉を選び、自己弁護のセリフに徹する、有名歌舞伎役者の証言を思い出した。