昨日は失語症支援者養成講座の実習の日でした。
失語症当事者を招いてイオンへ買い物実習を行いました。
失語症当事者1名に受講者2名、言語聴覚士2名のチームを組んで回りました。
失語症になると、タイプ、重症度、個人差は大きいですが、
言いたい言葉が出にくくなったり、話を聞いても十分に理解ができなくなります。
また、頭の中で言葉が見つからない、音を構成しにくくなるので、書く事も基本的には代替手段にはなりません。(ヒントにはなる事が多いです)
今日の気付きは4つあります。
①イオン側が身体障がいや認知症は想定しているが、失語症などコミュニケーション障がいに対して想定はしていないと言われました。そして、実習後に不便などはなかったか意見を求められました。
これに対して店員さんの応対や看板、案内図など気になる事はありませんでした。
ハード面で1番気になったのはコロナ禍で増えたセルフレジです。
タッチパネルで支払い方法を選択していかなくてはなりません。
カードの種類、ポイントカードの有無など現金の支払いまで3〜4回タッチが必要です。
また店舗によって機種が異なり、現金の投入口の場所や向きが異なり混乱を生じました。
対人であれば無言で多めにお金を渡せば後は店員さんがしてくれました。
②支援するとやってあげるは異なる。
受講者の方々は本当に熱意があり何とか役に立ちたいと想いをもっておられます。
その想いはやってあげたいにつながっていました。
当事者の方が支援はして欲しいけど全てやってもらいたいかは分かりません。
失語症当事者の方とのコミュニケーションの方法などは講義にありましたが
基本となる“対人援助”の考え方をカリキュラムに入れると更に良い実習になったと思いました。
③言語聴覚士も失語症当事者の方との外出に慣れていない。
言語聴覚士のスタッフは普段、病院や施設の訓練室や病室等で言語訓練や嚥下訓練を行っています。
私は訪問でサービスを提供していて屋外歩行訓練はよく行いますが、買い物や受診など外出同行は行いません。
今回、他のお客さんもいるイオンに実際に買い物に付き添い、リスク管理やプライバシーの保護など細かな気配りが不足していたと反省点がありました。
④今回の実習が終わり、最後に当事者の皆様に感想を伺いました。
全ての方が笑顔で楽しかった、良かったと言っていただきました。
一生懸命に受講者の皆様がサポートしたこともありますが、
家族以外の人と買い物に行けていないので良い機会になりましたと言われてる方がいました。
目に見えないコミュニケーション障がいは
家族以外の理解者が得にくく、罹患後に能力はあっても買い物やお出かけに自由に行けていない事が分かりました。
この事業を今年度を成功させ、継続して行い支援者を増やしていきたいです😊
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